「泣いてても、笑ってても、時間は同じだけ過ぎていくねん。」オカンの嫁入り shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
泣いてても、笑ってても、時間は同じだけ過ぎていくねん。
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映画「オカンの嫁入り」(呉美保監督)から。
気になるフレーズはいっぱいメモしたのに、選んだのは
主人公の2人が住む家の大家さんの台詞だった。(笑)
あることが原因で出社拒否となった、宮崎あおいさん扮する
「森井月子」に向かって、諭すように話しかける。
「月子ももう一年ちゃうか? そろそろ働かな、どんどんしんどなるで。
泣いてても、笑ってても、時間は同じだけ過ぎていくねん。
面倒くさいことは、全部、流してしまえ、楽やでぇ」
その場の雰囲気が伝わるかな?と考え、関西弁をあえて文字にしてみた。
登校拒否も出社拒否にも通じる台詞かな、とメモをしたが、
学校へ行きなさい、会社へ行きなさい、という説得ではなく、
限りある時間、楽しいことに使おうよ、と語りかけている気がした。
物語後半「月ちゃん、あんた、ずっとこのままでええのん?」と母、
「わかってる」と娘、「わかってるだけやったら、何も変わらへんやろ?」と母。
そして、少し間を置いて、もう一度、母がこう呟く。
「優しいだけじゃなくて、いろんな人と外の世界で混じり合って、
そん中でもシャンと生きていける強い人になって欲しいねん」
このあたりでちょっと涙腺が緩んだ。
大切な娘を残して死んでいく母親の想いが、表現されている。
私には入る隙間がない、母と娘にしかわからない関係だな。
大竹しのぶさんと宮崎あおいさんの母子役、ピッタリでした。
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