ザ・ウォーカーのレビュー・感想・評価
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よくわからない「ザ・ウォーカー」
デンゼル・ワシントン、ゲーリー・オールドマン、ミラ・クーニス、
ジェニファー・ビールズ、マルコム・マクドウェル。
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時代は不明、場所はアメリカ。戦争が終わって少なくとも30余年。
一人の男(デンゼル・ワシントン)が、旅を続けていた。
この後、長く男の名前が明かされることはないが「男」では書きづらいので、
エリ(ELI、英語読みではイーライ)と書く。
すべての文明が崩壊した世界。
エリは死体をおとりに猫を狩り、不逞の輩はあっさり切り捨てるような男。
一冊の本を後生大事に持っている。
エリはある町を仕切る悪役、カーネギー(ゲイリー・オールドマン)に、
本の正体を知られるが、それこそカーネギーが長年追い求めている本だった。
そして、その本を巡って壮絶なバトルが始まる。
果たしてその本は、エリの目的は何なのか。
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本の正体は容易に想像がつくし、そのこと自体が物語の謎というわけではありませんが、オチは意外。
私自身はそれになんの思い入れもないので、どこまで大事なものかの実感がない。
エリ(イーライ)がなぜ使命を与えられたかはよくわからない。
Kマートの店員に過ぎないと言うと語弊があるが、
一般人のエリがどうやってあれだけの能力を身に着けたのかは疑問が残る。
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ジェニファー・ビールズはずいぶん印象が変わりました。
出ているとき気が付かなかったので、
マイケル・ガンボンの名前をクレジットに見たときはちょっとびっくり。
しかも、フランシス・ド・ラ・トゥールと「ハリーポッター」の校長コンビとは恐れ入った。
ラスト近くマルコム・マクドウェルの登場でクレジットに名前を探したが見つからなかった。
(IMDBによればノンクレジット)
終末感を壊す綺麗すぎる眉
映像の加工やセット&衣装、風景で終末感は良く出ている。しかし、ミラ・クニスの綺麗すぎる眉毛と肌を見ていると雰囲気も消し飛ぶ。で、たどり着く場所が文明再起の地という結末が「アイ・アム・レジェンド」と同じで、またまた気分が殺がれる。娯楽作だからこうじゃないとダメなの?
デンゼルは・・・いつものデンゼル(良い意味で)。特に言及することがない。ゲイリー・オールドマンの役柄は面白い存在になりそうなもんだが、結局、ヒステリックな悪党に落ち着いている。彼の演技がそうなのか、脚本が悪いのか。バイブルを心底から信じている狂信的独善者にすれば面白く、かつ深みが出ただろうに。ガンボンとデ・ラ・トゥールの英国ハリポタ食人夫婦は面白く使えそうだが、無駄使い。
会話のたびに眠くなるのは、私がキリスト教の深淵に興味がないからか?この内容で118分は正直きつい。
ツッコミ所はあるけど楽しめる終末世界ウェスタン
終末世界が舞台のウェスタンといった感じの映画。
荒涼とした空気が魅力的な過去の名作の匂いがそこかしこに漂っていてイイ感じです。
主人公の刀でチンピラが腕を切り落とされたり、殺伐とした空気を表す小道具として痩せた猫が出てきたり、なんだか黒澤明の『用心棒』なシーンが序盤からちらほら。あっちは猫じゃなくて犬だけど。
敵の副官が吹いてた口笛は大御所エンニオ・モリコーネの曲だし(西部劇ではなく『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の曲?)、『座頭市』や『マッドマックス』的な感じもある。
灰を連想させるような、色を抑えた映像も美しい。
広く青白い空、延々と続く白黒の焦土——荒廃美、とでも言うのだろうか。この美しさは大スクリーンで観なきゃ伝わらない。
またアクションシーンも凝った見せ方で楽しませてくれる。殺陣を逆光で捉えたシーンは様式的な美しさがあるし、砂漠の一軒家で繰り広げられる壮絶な籠城戦をワンカットっぽく繋いだシークエンスは、目眩がしそうな迫力だ。
話の中身について。
物語の鍵を握るのは主人公が持つ、世界に現存する(恐らくは)最後の聖書。
聖書を人心掌握の為に利用しようとするゲイリー・オールドマンの台詞がシンプルだが良い。
「昔の指導者はそうした。私もそうする」
聖書の教えには無神論者の僕も敬意を払うが、それを伝える人間が必ずしもその教えに見合った人間とは限らない。
世の中には神の名を金儲けに利用する人間がいて、神の教えを自己正当化の為に都合良く解釈する人間もいる。
そういや桑田佳祐も唄っておりました。
『いつもドンパチやる前に、聖書に手を置く大統領(ひと)がいる』——
どんなに崇高な目的の為に造られた物も、使い方を間違えばそれまでって事ですね。
主人公は辛い時代を生きる全ての人間に希望を与えるために聖書を西へと運んだ。それが盲目の彼に唯一見えていた生きる道、希望の光だったんだろう。しかし聖書を再び人の手に戻す行為は人類にとって本当に幸福な事なのか……ちょっと複雑な気分ではある。
あと、主人公が実は“座頭の市つぁん”だった事が判明するラストも「いくら何でも強すぎるような……」と思ったり、ヒロインの最後の姿に「戦い方とか教わってなかったようだけど本当に大丈夫?」と要らぬ心配をしてしまったり、ツッコミたい所は色々ある……あるけどまぁ、楽しめたから良し!てことで。
<2010/6/19鑑賞>
私ならシネコン・ウォーカー。
観るまでどういう作品なのか情報を入れなかった。
本を守って、ひたすら西へ歩き続ける男。ハテ…?
あれ、ひょっとして?という中盤辺りの朗読の内容で、
あ、、、そういう、、、作品だったのか^^;と理解した。
うーん。。どうだろうか。好き好きが分かれそうだ。
友人曰く、とても退屈な作品だったと教えてくれた。
うん、分かる気がする^^;なんかつまり、抑揚がない。
映像や背景にはとても凝っているのだが、肝心の
物語そのものに色をつけても良かったんじゃないか。
(つけられないのを前提に言ってみてますが)
殺陣?まがいのアクションは鋭い。銃使いもハデだ。
なのに話が地味で仕方ない^^;不思議な作品だった。
確かに世界にたった一冊になってしまった(おそらく)
彼らだって過去に何度も読んだのであろうその本を、
世界の終りともいえる陰惨な世の中にもう一度!!
というテーマはよく分かる。それによって支配できる
という欲もあれど^^;こうなったら世の中をなんとか
纏めていかないと?せっかく生き残った人類でさえ
破滅の一途を辿ることが見え見えだからだ。
G・オールドマンにみすみす盗られるわけにもいかず、
なんとか西果ての目的地まで…というラストのオチが
いろいろ突っ込みたくはなるものの、巧いとは思った。
デンゼルの神々しい気骨を帯びた演技が感動を呼び、
思い返すと、確かに観応えある物語でもあるのだが、
でも…好き好きかなぁ。というのが正直な感想である。
(ソラーラはなかなか良かったですね。眠気も飛んだし)
予告編の作り方とデンゼルの力で人気だな
マッドマックスの様なストーリーで、(確かにそれっぽいのだが、)何かしら新しいものを期待したのだが、「なんだよそれ」って感じ。持ってたBOOKだって、ただのXXXXXじゃないか!!僕のうちにはないが、家によっては、あるぞ! これ期待してみる人は、本の正体が分かった時点で、がっかりするはず。 僕は、した。最後の落ちだって、そして目指したところは、そこかい?大体にして、設定の説明がない!時代はいつだよ?なんで、そんな荒野なんだよ? 猫が弓矢で殺されたり、指が飛んだり。予告編見るだけにしておいたほうがよいと思った。<デンゼルワシントンを見たいなら、見たらどうでしょう!?> 僕は、そんな印象です。 見たかっただけに、がっかりです。一応、敬意を払って、エンドロールまで、見てきました。「怪獣たちのいるところ」の次に退屈でした。
これもありと思う。
大規模戦争で荒廃した世界。
一人の男「ウォーカー」が一冊の本を守って、西へひたすら運ぶ。
昔は、物が溢れるくらいあったのに、一つの石鹸やシャンプーは、とても高価だ。
「マッドマックス」を思い出した。
老夫婦とのささやかだけど、温かいお茶会。
ひび割れたカップが老夫婦と重なって、痛々しくさえ思える。
イーライが運ぶ本とは・・・
見ているうちに「あれだな~」とわかるけれど、ラストにどんでん返しあり。
あ~、そうだったのか~と。
人間の信念と希望を運んでいたのね。
盲目の女性を演じていた、ジェニファー・ビールスさん。
フラッシュダンスから、もう何年になるのかな?!
30年?その割には、あまり年月を感じさせず、美しい。
しかし・・・ 30年も歩いていたら、とっくに≪西≫に到着していそうだけど。
≪西≫の準備が整っていなかったということか。
30年歩いてたの?
こういう話は日本人には(無宗教な人、つまり私)受け入れられないように思う。
なんで、そんなにしてまであの本を欲しがるのかが…ね。
彼は守られてたようですが…アルカトラズ島で本を完成させるまでは生かすということだったのか?
結局、あの守ってくれてるアレは自分の都合で生かすも殺すも自由自在ってことなのか?
そんなものを信仰して幸せなのか?
あと…彼は30年前に、地球に異変が起きてから一冊だけ残った本を西に運ぶ命を受けてって…
一体どこから歩き始めたら30年サンフランシスコに行くまで時間がかかるんだろう?
車にも乗ってたし、ボートにも乗ってた。歩くだけじゃ無かったよねぇ。。
だいたい…ちゃんと記憶してるんだったら何もあそこまでして本を守らなくても…
たくさんの人の命を無駄にしてるだけな気がしました。
それに、こういう話ではいつも思うんだけど
生活に支障の無い材料とか武器とか車とか(タイヤって大丈夫?)
ちゃんとあるのよね。
ケンタのお手拭…30年経っても使えるの?乾いてないの?不思議じゃわい。
水だって…汚染されてないのか?
最後のシャンプーとか言ってたけど…30年前の物って
もう腐ってるでしょ?
いろいろ突っ込みどころは満載ですが
言っちゃダメってことですよね。
しかし…人肉を食べ過ぎると手の振るえが止まらないっていうのを
教えてもらえた。大変勉強になった。
これから先、人肉を食べることにはならないだろうけど…
いや、なって欲しくない…食べてまで生きたくない。
でも…そうなったら食べちゃうのか?
そんな世になったら生き残りたくは無いよね。
生き残る方が辛いと思う。
あれ?これってチェーンソーの話、じゃないよね。
このオチはどうかと…
荒廃した世界観をロングショットでとらえた風景はきれい。アクションも『座頭市』を参考にしたという殺陣はオオッと思うが、良かったといえるのはそこまでかも……。
イーライが携えていた本が聖書で、カーネギーがそれを狙うのも、まあ、分かる。西洋圏の人が見れば、「世界にたった一冊だけ残った聖書」は日本人が見るよりは重みがあるだろう。
しかし、オチが……。イーライも実は目が見えていなくて、聖書は点字だったので奪ったカーネギーには読めなかった。ここまではまだ良しとしたいが、イーライが実はすべて暗記していた……というのであれば、いままでの争奪戦は何だったんじゃい!と思わず突っ込みたくなる。どうせ奪われても読めないのだから、さっさと渡して目的地に行ってしまえばいいじゃないかと。そんな無粋なことを思ってしまう。
ヒューズ兄弟は映像はいいけれども、それ以上はなかなか難しいのだろうか。『AKIRA』の監督候補という噂もあるけれど、心配です。まあ、誰がやっても『AKIRA』が大友版を超えることはないだろうけど。
ラストのせいで中途半端な出来に
「マッドマックス」「北斗の拳」をほうふつとさせる設定の近未来アクション。ストーリーは「用心棒」と「座頭市」が混ざったような感じ。これで面白くならないはずがないのだが、見た後、どうもスッキリしない。それは、やはりラストが弱いからだ。娯楽映画だったら、敵をしっかり倒して終わるというのがルールだが、本作ではそれがない。主人公の目的が敵を倒すことではないにせよ、やはり敵を倒してから、目的を達成させる構成にすべきだったと思う。設定、キャラクター、ストーリー、どれもまずまずだったのに、ラストのせいで中途半端な出来になってしまったのが残念でならない。
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