「色がすき」ザ・ウォーカー ひちょさんの映画レビュー(感想・評価)
色がすき
何となく棚を眺めて気になったので借りてきた一本。
宗教色とともに、社会風刺がなかなかきいてる一本。
ある日空に穴が開いて、世界は滅びていった。
そしてそれから30年、ひたすら歩き続け西を目指す男の話。
男は本を大切に持ち運んでいる。
そして敗退した世界で、小さな街にたどり着く男。そしてその街を治める男は必死に本を探していた。
冒頭から彼は「臭い」に敏感だった。
そしてどんな人間とも一線を画する中で、盲目の女性に対しては少し興味を抱いたような……声を掛ける。これが面白い伏線の一つ。
本の内容は、彼に食前の祈り教えてもらった街の娘によって判明します。
そうそれは世界が滅びると同時に人々が一番に破棄した本……聖書。
男は神の導きでタダひたすら西へと向かっていたわけです。
世界は空に穴が空いたことによって紫外線が降り注ぎ何もかもが乾いた世界。
そんな色が見える世界の色は凄く好みでした。コントラストの強い、そして色彩が限られた世界。
個人的にその色だけでもカナリ興奮したのですが(好みだったので)何よりアクションシーンがそれを際立たせていてよかった。
シルエットだけが数人の男をサクサク倒していく姿はカッコイイ。まるでゲームだ。
最後彼の本は奪われてしまう。
だが彼は無事に本を有るべき場所へと持っていく事に成功する。
使い古された本。
だからこそ大切な本。
オチにニヤリとしながらも、この主人公は黒人であり、独裁者である本を奪う男は白人であるということ。
武力によって更なる力を得たり、また弱者を踏みにじるやりかた。
そして人々が今まで捨てていた物を、この世界の人々は有難がって拾い集める。
これらが公開された当時を考えると結構痛烈な社会風刺も入ってんだろうなと思いながら見てました。
気分で借りたものでしたが、個人的にヒットでした。