「大切な本」ザ・ウォーカー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
大切な本
クリックして本文を読む
なぜ西へ向かって歩き続けるのか?大切な“本”とは何なのか?イーライ(ワシントン)の目的を推理しながら進む前半はとても面白い。セピア調の空気や荒廃した世界観は『マッドマックス』などの核戦争後の雰囲気と似ているのだが、この映像がすごく印象に残る。人々はみなサングラスをしているのも面白い設定だ。デンゼルのアクションもかっこよく、剣だけかと思えば、銃も弓矢の腕もいい。人が襲われていても「使命のために、関わりたくない」と冷血なところも見せる。
カーネギー(オールドマン)の町でひと暴れした後、彼の盲目の女(ジェニファー・ビールズ)の娘ソラーラ(クニス)がイーライの旅についていき、そこで本が聖書であることなどが明かされる。戦争は30年前、その聖書が原因で起こったともされるのだ。カーネギーはバイブルがあれば町を大きく、いくつも作れると、宗教を利用して支配者になろうと考えていたのだ。そこからはカーネギーによるバイブル争奪という展開。そして本を奪われたのにまだまだ西へ旅するイーライ・・・なぜ?それに撃たれたのになぜ生きてる?
本は点字だったというオチ。そしてイーライは聖書をすべて暗唱できるほど読んでいた。神に守られていたんだな。かなりずるいオチのような気もする。それをすべて印刷所で発行すると、イーライは安らかに眠ったようだ。
【2010年6月映画館にて】
コメントする