劇場公開日 2010年12月17日

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「2010年、最後の悪夢だ」トロン:レガシー マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

1.52010年、最後の悪夢だ

2010年12月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

1982年の前作から28年が経つ。
当時はまだ「スター・ウォーズ」がSFXに革命を起こしたばかりで、映画はCGの本格的な導入に至っていないし、夢のまた夢の時代だった。そんなころ、ワイヤフレーム程度ではあってもCGを導入したスタイリッシュな作品ということで話題になったのが「トロン」だ。当時、全篇CGと信じた人もいたが、手描きなどのアナログ処理も多い。話題にはなったがヒットはしなかったと記憶する。

むしろこの作品が注目されたのはレーザー・ディスクと家庭用の5.1chサラウンドデコーダーが発売されてからだ。美しい画像と、ディスクやライト・サイクルの動き回る音が、黎明期のホームシアターに於けるレファレンス盤的な役割を担った。

さて、今回、その「トロン」の続編がCGをフルに活用して完成した。それも最新の3Dでの登場だ。ケヴィン・フリンとアランが前作と同じ役者というのも嬉しい。それなりに期待するではないか!

残念です…。
続編といいながら話の構成は前作と変わらず、アイディンティティ・ディスクやライト・サイクル、プログラムの監視に飛び回るゲートといったウェポンも同じで、新しいものは出てこない。魅力はオリヴィア・ワイルドが演じる謎の女性クオラぐらいだ。
続編というよりはリメイクといった方がよく、相手のライト・サイクルが描いた軌跡に触れると死ぬんだったと思い出させてもらったぐらいで、
「400円多く払って、しかもSFアクション映画で、なんで何度も睡魔に襲われねばならんのだ!!」
これはトロンの悪夢だ。2010年、最後の悪夢だ。

マスター@だんだん