劇場公開日 2010年9月10日

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「確信した、これはひとつのブランドだ」バイオハザードIV アフターライフ h@yatoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0確信した、これはひとつのブランドだ

2010年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

ウィルスの猛威がついに日本上陸というのが公開前のウリとして情報は流れていたが、このエピソードはバイオ3のアリス増殖の伏線を消化するための話であり、そこまで期待するところではない。また、3D化に伴いスローモーションのカットや画面に向かってくるようなカットが多く、後に販売するであろう2D作品で観た時を想像すると、当然つまらなさを感じるのは確実なことだし、作品の質を下げてまで擬似立体にこだわるのは如何なものかと…。そして、このバイオをキッカケとして、BD発売時期のソニー3Dテレビをプロモーションすると予想する。

 そんなことを言ってもキリがないので映画の話をしますが、今回は無敵のアリスが弱くなるという設定から、残念ながら以前のようなアリスのスーパーアクションが薄れてしまいましたが、逆を言えば今までが異常なだけであって今作が普通ということです。つまり、今までは一人で戦えていた戦闘が、今度は仲間と協力しなければ生き残れないという、よりサバイバル感が増したのが今作です。ということは、登場人物個人個人がうごかなければならないために、結果としてキャラの深まりとともに、役者ひとりひとりが輝ける作品となったわけです。ストーリー的にも役者的にも理に適っている作品で観やすいです。

 そして、当然シリーズとして成り立たせるためには伏線が必要になるのですが、このバイオは前作からの伏線回収と、次回へと繋げる新しく張る伏線のバランスが良く、偏ることなく常に安定した作品配給ができる映画だと思います。冒頭で述べたアリス計画や、兄弟の再開など、舞台が変わっても地盤がシッカリと備わっているということです。
私的には、シリーズ3から出演しているKマートがKマートである理由など…、この作品には分かりやすい伏線が随所に隠れていて、それが繋がり合うところが単純ながらに楽しいです。

 バイオシリーズを通して観て、実際のところ作品的には普通?な印象を受けるのですが、なんだろう、確立された世界観や独特な戦闘、演出の間合いなど、これは映画というよりはひとつのブランドという印象の方がかなり強いです。というか、その位置づけで観てください。またこの”ブランド”は”ソニー”という意味合いも含まれています。

h@yato