アンストッパブル(2010)のレビュー・感想・評価
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「ほどほど」のよさ
危険物を満載した暴走列車を止めるというシンプルな話。
打つ手打つ手がことごとく失敗し、このまま行けば終点の街が壊滅する!という割に案外緊張感がないのは、どうせ助かるんだろというもっともな予想もせいもあるが、町の人々のノーテンキな行動のおかげでしょうか。
しかし、線路にブルドーザーでも置いときゃそれで終了(『動脈列島』か)となるはずが、そうは問屋が卸さないのは、さすがにハリウッドであります。
助かるとわかっているだけに、予想がつかないという面白さには欠けるので、コーフン度合いもホドホドだが、1時間半ちょっとというこれまたホドホドの尺が、もうちょっと映画を見ていたいという気持ちにさせる。この長さが本作一番の良さといえましょう。
「サブウェイ123」で地下鉄の管制官を演じたデンゼル・ワシントンは、機関士役でもいい感じの演技を見せてくれて、安心感があります。
まあまあの出来だけど、何にも残らない!
主人公ふたりは別として、あんな間抜けなディーゼル機関士ばかり、アメリカにいると思うと、列車に乗れないね。
第一エアホースが繋がってない(致命的でしょう)まま動かすなんて、信じられないし、ポイントが転換してないとか連絡する暇があったら、直ちに非常ブレーキをかけるのが先決でしょう。
それに、完全に止まる前に、機関車から降りて、ポイント転換に行くなんて、テレビのバラエティ番組のゲームではあるまいし、プロの機関士がみたら失笑ものでしょう。
こんな機関士の設定で、よく鉄道会社からの協力を得られたもんだと思う。
日本の鉄道なら絶対に協力しないでしょう。アメリカの懐の深さを感じる。
そんな感じで導入部でがっかりしたので、その後も感情移入が希薄となり、荒ばかり目に入ってしまった。
70~80マイルも出ているのに速度感がなく、何故か途中のカーブでは減速しているように低速だし・・・
この減速している時に、代行の機関士を送り込めば良いとか、これだけの重量な物体を、一個の連結器で受け止める能力に疑問を持ったりとか・・・
「スピード」の時も、速度感がなく緊迫感がなかった記憶あり。
この列車の重量感は出ているが、速度感を出してくれたら評価も、かなり高くなったのに惜しい。
男同士の友情!
暴走する車窓から。
こないだお兄さまの「ロビン~」が公開されて、
今度は弟の今作が。順次公開、ってやつですか^^;
仲良し兄弟(かどうかは?)監督もすでにベテラン。
なんか弟トニーの方は、あまり評価されないけれど^^;
大衆活劇系ではかなり面白いものを作ってきたのだ。
そして今回は暴走列車モノ。ブームに乗って?ですね。
私は鉄子ではないので、型式の魅力は分からないけど、
カーブを曲がってぬ~ん♪と向かってくるその姿を見ると
どうしても浮かんでしまうあの番組、「世界の車窓から」。
なんと今回もあのテーマと共に…(爆)
この列車は暴走しているんだ!と頭に叩き込んだのに、
ぬ~ん♪と向かってくるその姿にどうしてもあの音楽が。
うぅー!!と振り払いながら、暴走モードに変換する私。
まさにアンストッパブルな闘い。(でもゆっくりに見えた)
さて。。
これは実話をベースにした事件事故だそうで、その時は
甚大な被害は出なかったんだろうか…今回の映画版は、
そりゃもう~トニー師匠がそういう被害が出ないように、
最低限安全に(こっちをビビらせつつ)描いてくれてます。
だいたいこういう事件の発端は、あんな奴(みれば分かる)
が起こすんですね、それでどんどん収拾がつかなくなって、
脇のベテラン勢が赴くことに。たいてい上層部はボンクラ
揃いで(日本のあの番組みたいに)現場のことなどまったく
分かっちゃいない。運行を取り仕切る女性チーフが指示を
出すも、列車のスピードに間に合わず、危機を迎えるころ、
そこに居合わせる主人公。ベテランと新人、気が合わない。
大切な家族を抱えながら生活面でも問題を抱える二人が、
住民達の安全を守るために、イチかバチかの賭けに出る!
定石通りのアンストッパブルな展開にハラハラしつつ、
しかし最後にはしっかり手動でブレーキをかける!という
手堅く安全第一に徹した内容。
あとで実際の事故を記事で読んでみたらこの通りだった。
そして大被害も出なかったんだそうで、良かった良かった。
しかし…観終えてふっと思った。
もし原因を作ったアイツがすごーく痩せていて、
走りも速かったなら当然追いついて止められたのにとか、
ダイナーでヒマをつぶしていたネッド?でしたっけ、
あのロン毛男がポイント切り替えに間に合っていたらとか、
並走するくらい運転が巧いようだから、先に追いついたら
彼が乗り込んで止められたのかもとか、次から次へと…
今さら言っても、、と思うような偶然や不運が重なり、
事故や事件は起こるというが、本当にそうだな…と思った。
何をどうするわけでもないが、とりあえず気をつけよう!
という心構えだけが、爛々と身体に漲った作品だった。
(ラストも小粋な仕上がりv労働者を甘くみるなよ!ですね)
最高傑作
映像だけでも感動できることを知った
トニー・スコット監督の特徴として「スタイリッシュでスリリングな映像美」がよく取り上げられる。古くは「トップガン」の空中戦、最近では「サブウェイ123」での静かながら緊迫感溢れる画面作りなどがあるのだが、本作は映像だけで一本の映画としての完成度をどこまで高められるか、という挑戦を行ったように感じられた。
あらすじは2~3行で終わってしまうシンプルさ。アメリカ国内で、操縦士の単純なミスから、40両以上連結した機関車が時速100km以上で暴走。たまたま居合わせたベテラン操縦士(デンゼル・ワシントン)と若手車掌(クリス・パイン)が大惨事を食い止めるために奮闘する、というもの。
テロや何かといった伏線を読むような小難しい設定は一切無し。これ以上無いくらい単純なお話だ。しかし、最後までスクリーンから目が離せない。画面のテンポがリズミカルで、遠近・静止と動き・画面の回転など、あらゆる構図から次々と繰り出される映像に自然と気分も高揚し、ドキドキしながら見入ってしまった。
よ~く考えてみると、デンゼル・ワシントンやクリス・パインのアクションシーンは殆ど無いのに、「すごかったなぁ!」という感想が湧き出てくる、手に汗握る快作に仕上がっているあたり、トニー・スコットの挑戦が成功したといえそうだ。
かなり引き込まれていたのだろう、最後には思わず目頭が熱くなってしまった。2011年の当たり一本目である。
ハラハラドキドキ
2011年最初に観た映画です。
最近は、圧倒的に邦画率が高い私の映画鑑賞。でもこの作品は、予告編を見て観に行こうと決めていました。
話は単純明快。無人の暴走列車を何とかして止めなくちゃ、というもの(プラスちょっとだけ家族のストーリー)。だから、この作品の観客のあるべき姿は、ハラハラドキドキすること。これに尽きます。
で、実際私は、ほとんど最初から最後までハラハラドキドキできたので、大変満足できました。ちゃんとハラハラドキドキできて、しかもそれが飽きることなく継続できたので、それはやはり、演出がうまいということなのでしょう。
とはいえ、多少「あれれ?!」と思ったところはありました。列車と止めるために、関係者がいくつかの作戦を試みるのですが、「何だよ。それを最初にやればいいのに」みたいなヤツですね。まあ、実話を元にしているそうなので、それが事実だったのかもしれませんが…。
止められない乗り物といえば『スピード』をすぐに連想します。大きなくくりでは、同類でしょうが、『UNSTOPPABLE』の方が、よりシンプルだと思います。
痛快!
予想以上の出来。
アメリカのおっさん奮闘記
実話を基に作ったということですが,この話は確かフジテレビの「アンビリバボー」で取り上げられてたと思います。アメリカ鉄道史上最大級の事件ということで,だいぶ前に取り上げられてましたけど記憶にしっかり残ってます。その上で話すことになりますけど,この映画は実話をかなり面白くかつダイナミックに転がすことに成功していると思います。
記憶違いなら申し訳ないですけど,この事件って機関車を止める方法は一緒ですけどスタントン到着を阻止したという終結だったはずです。それでは映画としての見せ場がなくなると脚色したのでしょう。だから自分も「もうすぐスタントン着くよ!?」というドキドキ感を味わいました。事実を脚色することでよりドラマを面白くさせる,一種のセオリーなんでしょうけどそのセオリーに見事にハマってしまいました。
CGを多用せず実物を使うことが話題になってますけど,実物を使うことで「説得力」が増したと思います。暴走機関車が色んなものを壊して回りますけど,線路を塞いだ馬用のトレーラーを破壊するシーンは素直に「機関車って怖いな」と思いました。破壊されたトレーラーが想像を超える動きを見せるあたり,「人の予想を上回るとんでもないことがこれから起きる」という恐怖感が植え付けられました。アクションも,連結部に手を伸ばしたり,貨物車の上を走るという単純なアクションがあんなにドキドキして見れたのも初めてです。
文句もあります。最初に停止を試みたジャドに対してその後何のフォローもしなかったのは可哀相過ぎるし,エンディングなんて映画全体の重厚な感じから浮いてる気がしてかなり蛇足に思いました。でもそれ以上に映画作りに対する誠実さというものを感じることができました。役者も作り手もみんな偉い!見にいって全く損はない映画だと思います。
監督は電車好きなんですか?
ベテランの力を思い知れ!
最後までハラハラドキドキ。展開が読めなかった。最後は目に涙があふれた。最近、トニー・スコットは2時間なんて長い映画は撮らないのか? 前作「サブウェイ123」に引き続き1時間半のタイトな映画だ。余分なことは描かず、必要なことだけてきぱきと描いてゆく。しかもCG全盛の時代に本物で描いている。だから、その迫力も上っ面ではない。重量感があふれている。デンゼルの余裕の演技とクリスの投げやりな演技が、物語が進行するにつれ、噛み合ってゆく。ベテランの勘は残念ながら当たってしまう。仕事に対する真摯な姿勢。ただ仕事と長い時間を過ごしてきたわけではないのだ。いろいろな経験でいろいろなことを身につけたのだ。そこらへんが描かれていて小気味よかった。最初は平行線で描かれていた話が、途中で絡み合ってゆく。何より感動的なのは、上から命じられたわけではないことだ。まるでそれが、自分たちの宿命のように主人公たちが取り組むことだ。それも簡単にできる仕事ではない。命の危険を伴う作業だ。それでも、上司から首だと言われても、なお挑戦する姿だ。とても尊い。だから感動する。久々に映画を観て、スカッとできた。新年初めて観た映画なので、今年は幸先いいかも???と思った。
ライブ映像のような緊迫感! 新年早々ブッ飛ばしてます
遅くなりましたが、
明けましておめでとうございます。
2011年もヨロシクです。
実は今年最初に観た映画は狂犬病の犬が人を襲う恐怖映画『クジョー』
だったが、新年の初っ端にレビューするようなめでたい映画じゃないよな
と思ったので(爆)、この映画をレビュー。
いやー、面白かった!
新年早々、景気の良い映画でしたね。
『息つく間も無い』とはまさにこの映画の事で、派手な
クラッシュシーンと手に汗握るアクションシークエンスのつるべ打ち。
物言わぬ怪物“777”(良い名前だ)が始動してからの
99分間、危機また危機の連続である。
ド派手なばかりの映画では、途中でこちらの感覚がマヒして
集中力が途切れてしまう事が良くあるが、この映画は大丈夫。
のっけから最後までダレることなく緊迫感を保ち続け、
尚且つ主人公2人のドラマもそつなく描いた手腕は見事だ。
また、細かいカットやガタつく映像、報道番組のような素早い
ズームイン/アウト、そして画素の粗いニュース映像の挿入などが、
まるで事件のライブ映像を目撃しているかのような感覚を生んでいる。
ところで監督の兄貴リドリーの『ロビンフッド』でエゴ丸出しの
権力者が登場して観客の神経を逆撫でしたのは記憶に新しいが、
本作でも、被害者数より被害額ばかり気にする経営陣や、
ゴルフに興じている間に事故報告を受ける会社のトップ
などが登場(日本のとある元総理を彷彿とさせますな)。
権力というものに対する反骨精神は兄弟で相通じる所があるのかしら?
不満点としては、終始フルスロットルでブッ飛ばす展開であるため、
終盤になっても『いよいよクライマックスか!』という感じが薄く、
最後の最後でカタルシスを得ることが難しいという点か。
また、『実話が基だと言うけど本当かよ?』と思えるくらいに
ド派手な展開が続くので、人によっては“やりすぎ”と
感じる人も居ておかしくない。まあ実話が元とはいえ、劇中でも
Based on〜 では無くて Inspired by〜 と銘打ってあるので、
『実話の映画化』というよりは『実話から着想を得た』くらいの
ニュアンスが適当なのかねぃ。
実話が基という点をことさらに強調しなければ、リアリティ溢れる
パニックアクション大作としてどっかと腰を据えて観られたのではと
少し勿体無く感じた。
しかし快作!
優れたエンタメ映画だと思います。
<2011/1/9観賞>
ハラハラドキドキの連続の末に感動で涙が出ました......。
ハラハラドキドキの連続の末に感動で涙が出ました......。
発端は、些細な整備ミスからで、その後も判断ミスとうが重なり最悪の事態に.....。
ベテラン機関士のフランクと若手車掌のウィル......
フランクは娘の誕生日を忘れ、ウィルは奥さんとの関係がヤバい.....。
そんな2人が命がけで暴走列車を止めようというスリル満点の映画でした。
フランクが覚悟を決めた時に娘たちに電話したシーン...泣けました....。
それを見て、あまり列車業務に興味も無く、妻との和解問題でダラダラ業務を遂行していたウィルが変わっていく.....。
最後の作戦遂行を行ったら、クビと言われて返したフランクのセリフ.....そして、それに対する周りの動揺......感動しました.....。
ハリウッド映画にありがちな、恋人だけとか家族だけ助かれば、他はどんな犠牲になっても構わないといった作品では無く、市民を助けるといったものだったので良かった。
さぁ....この暴走列車.....止めることができるのか......。
そして、それぞれ複雑な家庭問題にけりがついたのか???
ウルウル
あっという間に…
佳作。しかし、あと一歩
ストーリーが単純であり、かつ登場人物の背景描写も最小限に抑えているため
横道に逸れることなく、
登場人物と同じく“如何にして暴走列車を止めるか”ということだけに集中できました。
次々と作戦が失敗し、我が物顔で列車が突き進む中盤の攻防。
いつのまにかそれ自身、まるで意思を持って人々を嘲笑っているかのように・・・。
そして、序盤に少々前フリをして匂わせておいてから
突入する最大の見せ場“大カーブ”。
正直、予告でも大々的にフィーチャーされていたため
この大カーブを越えて終わりかと思えば
まだまだ止まらないとは・・・。
良い意味で期待を裏切ってくれました。
登場人物も一人ひとり短いながら
丁寧に描かれていた印象があり好感が持てました。
昨今のハリウッド大作が忘れてしまったかのような
いわゆる“ポップコーンムービー”です(良い意味で)
しかし、苦言を呈するとすれば
大カーブを越えてしまったら
手綱を抑えられた荒馬のように
急におとなしくなってしまったような印象に・・・。
史実を基にしているとは言え、
そこで危険物のタンクに穴が・・・くらいのフィクションもあれば
もっと盛り上がったような感もあります(ただし、急にB級に陥る可能性もありますが)
あと、意図的に忙しなくしているのか
トニー・スコット監督の演出も少々メリハリがなく
列車同士の位置関係等が分かりづらい感もありました。
序盤の“児童の見学列車とあわや正面衝突か”というシーンも
よりサスペンスフルに描いて、もっと手に汗握る演出が出来たはずです。
個人的には面白かったんですけど
“惜しい”映画でした。
あ~、久々に「暴走機関車」見たくなった。
全116件中、81~100件目を表示






