劇場公開日 2010年7月10日

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「狩られる恐怖」プレデターズ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0狩られる恐怖

2013年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

興奮

総合:75点
ストーリー: 65
キャスト: 70
演出: 80
ビジュアル: 80
音楽: 70

 登場人物は、武装した本物の兵士がいれば殆ど武装していない医者や囚人がいたりして、各自の戦闘力には大きな隔たりがある。プレデターにしてみれば強い人間を狩ることが楽しいのだろうから、人として凶悪でも狩の対象としては貧弱だし、選ばれた人々に統一性がない。わざわざ人間の視聴者のために集めた設定という感じがして違和感がある。松本人志に似た日本のヤクザは一騎打ちをして美味しい役だったが、それなのに剣術は速度も遅いしたいした迫力がなかったのも残念だった。
 武器の見せ方にも不満が残る。敵の犬を攻撃したときでも、ガトリング砲を撃っているのになかなか当たらないし、当たってもその威力でばらばらになるであろうにそうはならない。それなのに時々は爆発したように死ぬ。そんなふうに人間が使っている武器の威力がその場その場で違ったていて統一性がなく、武器の威力についての考証と演出は甘さが見える。

 第一作では地球に出張してきて人間狩りを楽しんでいたが、今度はわざわざ強そうな人間を選んで連れてきて放し、狩りを楽しむ。趣味のためにはこのような地道な努力を惜しまないプレデターたちの姿に感心する。それは釣堀を作ってわざわざ捕ってきた魚を放ち、それをまた釣って楽しむ人の姿を連想させる。
 しかしこの釣堀物語はそれほど洗練されたものでもない。もう視聴者には正体がばれていて何が起きているのかが最初からほぼわかっているし、一作目のような新鮮な驚きは少ない。

 以上、さんざん悪いことを書いてみた。だが人が他の動物にやってきたことではあるのだが、だが狩られるのが人だとやはり怖いものだ。セットや映像の良さも手伝って画面から伝わってくる迫力があるし、犬を使われて追いつめられていく姿とか、そんな逆転した立場の逃げ場のないのに逃げ惑う気分の恐怖と興奮が堪能できて面白かった。

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Cape God