劇場公開日 2010年11月27日

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「豪華俳優陣のSFホラー」デイブレイカー Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5豪華俳優陣のSFホラー

2024年7月28日
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イーサン・ホークやサム・ニールが共演を果たしたホラーだが、本作は怖いというより、残酷な世界を生きる人々を描いたドラマである。
本作の特筆すべき点は何といってもその世界観にある。ヴァンパイアが支配する世界というのはあるかもしれないが、ヴァンパイアが社会を動かし、人間らはというとひたすら逃げ惑う生活を送り、数が激減している。その影響で血が必要なヴァンパイアもいわば食糧危機ならぬ"血液危機"に瀕しており、血を吸わないでいるとたちまち理性を崩壊させたバケモノへと変貌してしまうというユニークな世界観だ。一風変わった社会の図だが、テーマとしては至って真面目であり、人間に肩入れするヴァンパイアが居たり、主人公の勤める会社では血液不足を担う代替血液の研究をしているという設定で、ホラーファンの舌を唸らせる設定がてんこ盛りである。
役者陣が豪華なのも理由があり、それぞれに皆ドラマを抱えているのである。人間の血を必要とするが、どうも情が移ってしまう主人公だったり、会社のトップでありながら人間である娘を捕らえ、楽をさせる為に"仲間"にしようとしたりなど、短い本編の中で複数の思惑や工作があり、中々に魅力の詰まった作品であった。
主人公兄弟の物語をもう少し掘り下げて欲しかったり、映像的にはチープさが出てしまう点もあるが、ヴァンパイア映画の中では非常に良作では無いかと思う。

Mina