劇場公開日 2010年8月21日

「人間ドラマの名手・原恵一」カラフル 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人間ドラマの名手・原恵一

2011年5月1日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

幸せ

各アニメ監督には、それぞれ特徴がある。
宮崎駿は圧倒的なエンターテイメント性、押井守は哲学的とも言える独自の世界観、細田守は胸躍る躍動感、今は亡き今敏は天才的なイマジュネーション。
そして原恵一は、アニメでありながら繊細な人間ドラマを描く名手。
今回の「カラフル」も、前作の大傑作「河童のクゥと夏休み」同様、ファンタジーで有りながら、何気ない日常の人間ドラマの世界に引き込まれる。
主人公“ボク”の学園生活や友との交流、家族との確執…。
原恵一の見事な、日常や人間観察が発揮されている。
そこに、前作同様、いじめなどの社会問題も織り込み、加えて今回は罪の重さも問いかける。
以前インタビューで、“人間ドラマを描き続けていきたい”と読んだ事があるが、アニメではなかなか難しい表現を描き続ける原恵一監督に改めて拍手。
本当に、次回作が楽しみな監督だ。
敢えて欲を言うならば、もう一度だけ、「クレヨンしんちゃん」を監督して欲しいなぁ。

近大