劇場公開日 2010年7月17日

「田舎のしっとりとした潤いのある雰囲気」借りぐらしのアリエッティ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5田舎のしっとりとした潤いのある雰囲気

2013年3月16日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

幸せ

萌える

総合:65点
ストーリー: 50
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 80
音楽: 75

 正直物語はぱっとしなかった。事情を抱えた少年と少女の触れ合いということなのだろうが、大きな展開もない。わずか三人の一家族だけであれだけの文化水準をまだ維持している小人族という存在の設定がよくわからないし、新しい服とか道具とかどうやって調達しているんだろうかと疑問。また絶滅に怯える小人と人間の関係というのもよくわからないし、それらはこの映画で特に言いたいことでもないようだ。結局出会いと別れ、引越しするだけの話になっている。あまり主題というのが伝わってこない。
 でも田舎の家や風景の描き方、そこに暮らす人々のしっとりとした落ち着いた雰囲気の描き方がなかなかうまくて、そこらあたりは流石にジブリというところ。セシル・コルベルのみずみずしいハープの音がそのまま映画の雰囲気を作り出す音となっている。どちらかというとイギリスあたりのどこか欧州の田舎のような懐かしさや落ち着きを感じる。調べてみたら原作者のメアリー・ノートンがイギリス出身だそうで、それも当然か。

 だが借りぐらしといっても食べ物とか電気とか借りっ放しで返さないんだから、お手伝いの婆さんが言うように結局泥棒だよなあ。何かせめて引越し前に恩返し的なものをすればいいのに。

コメントする
Cape God