「【”俺には部下はいない、居るのは仲間だけだ!そして、真なる極悪は誰だ!”今作は序盤はコミカルなコネタが積み込まれ過ぎてやや心配になるが、終盤の展開はスリリングでナカナカな作品である。】」踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”俺には部下はいない、居るのは仲間だけだ!そして、真なる極悪は誰だ!”今作は序盤はコミカルなコネタが積み込まれ過ぎてやや心配になるが、終盤の展開はスリリングでナカナカな作品である。】

2024年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 今作で漸く、第一作で頭のキレるシリアルキラーである小泉今日子演じる日向真奈美の、極悪なる企みが分かる。
  それにしても、極悪の犯罪者を美しき人が演じると、凄みが増す。キャスティングの妙であろう。
  第一作のレビューでも書いたが、私はこのシリーズを観たことが無いので、分からない部分も有るが、それが良かったのか今作も面白く鑑賞したモノである。-

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・このシリーズは、コミカル要素とシリアス要素の絡みとバランスが重要なのであろうな、と改めて思う。
 故に、前半のコミカル過ぎる展開がやや気になるのである。

・青島のレントゲン写真に影があり、それを気にしたすみれ(深津絵里)の心配する姿からの、実は・・、と言う展開は想像していた通りで、やや脱力するが想定範囲内なので、良しとする。(エラソーで、スイマセン。)

■湾岸警察署が新署長に引っ越しするバタバタシーンから始まるが、その過程で実弾入りの拳銃が三丁盗まれ、連続射殺事件が起きる辺りから面白くなってくる。
 フェイクのバスジャック事件などが起きる中、犯人から犯罪者9名を釈放する要求が来る。
 キャリア組のトップの連中は会議室で超法規的措置を取るかどうかを議論するが、犯罪者に対してはその犯罪に見合った刑以上のものを処すべきと考える鳥飼管理補佐官(小栗旬)と、青島との考えの違いが明らかになる展開は良い。
 そして、今作でも室井はキャリアとノンキャリアの間に立ち、眉間に深い皺を寄せて苦悩するのである。
 又1-3作まで観て来ると、柳葉敏郎が演じた室井慎次と言うキャラクターが、人気がある理由が良く分かって来るのである。

・青島が室井に”そんな仕事で面白いんですか?”と問うと、タクシーに乗った室井は”へっちゃまげな(余計なお世話だ。)”)と呟くシーンも、良い。二人の関係性が伺えるところと、秋田出身の室井の地が出るシーンだからである。

・後半はスリリングな展開となる。新湾岸署が暑いシャッターにより封鎖され、そこに毒ガスが散布されようとする中、青島は独自に動き始めるのである。
 そして、青島と真なる極悪者である人心掌握術に長けた日向真奈美と対峙するシーンはナカナカなのである。

<今作は、ノンキャリアの係長捜査官が、仲間と自分の直感を信じ悪に向かう姿と、例え極悪でも命を重んじる姿が、印象的な作品である。
 序でに言えば、亡くなった和久さん(故、いかりや長介さん)が記していたノートに書かれていた、時折チラリと映る文言は、警察のバイブルとして特にキャリア組のトップクラスの会議室にいつもいる連中に、熟読吟味させたら良いのではないかな、と思った作品でもある。>

NOBU