「ヴァイオリンも泣くんだねー」オーケストラ! マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
ヴァイオリンも泣くんだねー
ロシアの旧体制派に解散に追い込まれ、バラバラになった楽団のメンバーが再結集していくストーリーは、壊れ物を修復する楽しさに通じるものがある。
その楽団員がパリで行方不明になるなど、ドタバタも可笑しい。てんでにパリを満喫する団員たちの招集に失敗したアイテムが、土壇場で団員たちの心をひとつにする演出にもひねりが効いている。
クライマックスのチャイコフスキー[ヴァイオリン協奏曲]は、甘美で切なくて、それでいてダイナミック。ヴァイオリンという楽器も泣くんだねー。
寄せ集め楽団の感動物語だが、随所に笑いのセンスが活きた秀作。
そして・・・、感動の裏では数々の悪さもあったりする。まず窃盗罪、つづいて詐欺罪が、そして公文書偽造と密航の罪、さらには監禁罪まで重なる始末。お腹を抱えつつ、最後は涙してください。
p.s.1 アンドレの妻(アンナ・カメンコヴァ)がいい。アンドレを理解し、尻を叩く。
p.s.2 協奏曲の旋律がしばらく耳からはなれない。知らぬ間に口ずさんでる。
コメントする