「さすがニック・ホーンビィ!な会話とディテールの妙」17歳の肖像 めぐ吉さんの映画レビュー(感想・評価)
さすがニック・ホーンビィ!な会話とディテールの妙
60年代初めのロンドン郊外。
厳しく質素な家庭に育つ、成績優秀で真面目な女子高生が、
ふとしたきっかけで年上の男性と出会い、恋に落ち、
それまで知らなかったきらびやかな大人の世界を体験するも、
男性には実は…という苦い現実を知る、、、
とだけ書いてしまうと、「少女が大人になる」過程を描いた
いかにもありがちな青春ストーリーなのですが、、、
これが面白いのですよーーー!!
何が面白いのだろう…と思い返してみると、
やはりディテールと会話のうまさ。
と思っていたら、脚本を手がけたのは
「ハイ・フィデリティ」や「ぼくのプレミアライフ」の
ニック・ホーンビィでした。
なるほどーーー。深く納得です。
軽妙な会話の中に、まだ戦後の影を背負ったイギリス社会の閉塞感、
階級や学歴の差別、男女の差別といったものが、さりげなく描き出されています。
だから、この作品がふわふわした甘いラブストーリーではなく、
面白いんだけど、ビターな秀作になっているのでしょう。
娘にガミガミというお父さん(アルフレッド・モリナ)も
結果的にジェニーをだますデビッド(ピーター・サースガード)も
どこか、心に影というか傷というか、暗い何かを背負っているから、
そんな行為をしてしまうような。
しかしそんな影のなかだからこそ、
主人公ジェニーの「光」が一層キラキラと際立ちます。
本当に、このジェニー役のキャリー・マリガンはカワイく魅力的!!!
「21世紀のオードリー・ヘップバーン」と言われているそうですが
あのファッションを観て、一目で納得です。
(ってゆうか、ヘップバーンより私的には好みかも…)
このキャリー・マリガン、ちょっとだけ路線として、
やはり私の大好きなマギー・ギレンホールと似ているような気が…
美人というよりはカワイイ。
童顔で愛らしい顔なのに、
なんか平気でエキセントリックなことを無自覚にやってしまいそうな。
つまり、実は芯がものすごく強そうな、、、
そういえば、デビッド役のピーター・サースガードはそのマギーのだんなさん。
やっぱりこのテの顔と相性がいいのかしらーーと、ふと思ったりしていました^^