「ほんわかしてても大迫力! ダンディ猫の冒険譚」長ぐつをはいたネコ 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
ほんわかしてても大迫力! ダンディ猫の冒険譚
実のこと言うと、僕は『シュレック』シリーズを1作も観た事が無いです。
良い映画だとは聞いてるのだけど、1作目を観る機会を逃してから
何故だかどうしても観る気が起きず。
けど今回はスピンオフという事で、少し安心して鑑賞できましたよ。
予告編も楽しそうだったし、ネコ好きだし。
(僕のプロフィール画像は犬の絵だけど、どっちかと言うと実はネコ派)
という訳で、
過去シリーズはあらすじ程度しか知らない僕だが、
本作は楽しんで観られました。
縦横無尽のダンス対決に幌馬車チェイス、
伸びる豆の木上でのてんやわんやや最後の“大恐怖”襲来シーンなど、
観ててワクワクするシーンが満載!
やっぱり一番の魅力は主人公プスのキャラクターかな。
可愛い顔して超ダンディな義賊ネコ。
自分の名誉回復と故郷の村を救う為に戦う……な、なんと男らしい奴よ。
そのくせ所々がフツーのネコっぽいのが笑える。
動く光を追い掛けたり、音を立ててミルクを飲むシーンなんて、
ネコを飼ってる人間なら笑わずにはいられない。
竹中直人のシブい声もかなりのはまり具合ですね。
けど、あんな小さい子猫の頃からあのシブ〜い声は嫌だ(笑)。
数あるシーンの中で特にお気に入りなのは、
“大恐怖”なるモンスターが姿を現す終盤。
不気味な声や巨大な影で観客の期待をさんざん煽っておきながら、
いざ現れたのは通常の1000倍サイズのガチョウ(爆)。
人を襲う訳でなく、自分の子ども捜しに必死なだけなので
全然怖くない。てか、むしろ可愛い。
不満点としては、
展開がややせわしなく感じられた点かな。
魔法の豆の設定自体が唐突だとか、
もう少し育ての親イメルダの描写に時間を割いて欲しかったとか、
細かな所で消化不良を感じてしまった。
それと悪役ジャック&ジル。
「実はダンプティの手下でした」というくだりまでは良いけど、
最後に無理くり悪党として再登場させる扱いの雑さがちょっと残念。
あとはハンプティ・ダンプティ……。
悪役とはいえ同情の余地はあるし、退場のしかたにもホロリとさせられたのだけれど……
あの、なんと言いますか……すごく……顔とか雰囲気が気持ち悪いというか……
なんか最初から最後まで生理的に受け付けられず……。
ホントに私的な意見なので、何だか申し訳ないんですが。
けど楽しかった!
“ネコ史上最大”という宣伝文句に恥じない痛快冒険譚でした。
<2012/3/24鑑賞>