「字幕版、求ム!」長ぐつをはいたネコ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
字幕版、求ム!
シュレックからのスピンオフ、長ぐつをはいたネコのプスを
主人公に迎えた今作。ネコ好きには堪らない愛らしさが漂う。
私はイヌ好きなんで^^;さほどネコに興味はないんだけど(爆)
ドリームワークスのアニメはなぜかとっても好きなのだ。
ピクサーなんかと比べると完成度や感動度では常に二番手、
だけどこっちの方が捻くれ具合が(誉めてます)最高に面白い。
そもそも型に填まった童話を、そのまんまキレイにおさめて
何が面白いんだ?と徹底してるブラックユーモアがとてもイイ。
そう、子供は常にお利口さんなのだ、オトナが思うよりずっと。
子供を甘く見ているのは封建的な親の方で、そんな絵空事、
あるわけないだろと、もっぱら解いてしまうのが子供達である。
白馬の王子様とキスをしてもお姫様はもう生き還らないし(爆)
おそらく姿も変わらない。捻くれ者は一生捻くれ者で改心しない。
失われた宝物は返ってこないし、悪は悪のまま繁栄していく。
身も蓋もないことを言って申し訳ないが、分かりきった事実だ。
じゃあ…もう夢は見れないのか?というと、そうでもなくて^^;
頭のいい現代の子供達は、そんな世界でもちゃんと未来へ歩く。
社会や世間が悪いから、子供達が悪くなるんじゃなくて、
ちゃんと与えるものを与えてこなかったからそうなったのよ。が、
今作の腐れ卵(ゴメン^^;)ハンプティの性格などにも顕れている。
同じ境遇で育ったプスとハンプティだが、明らかに性格が違う。
…というより、信じたいものを信じられなくなったハンプティの
根底にある善意を呼び戻すのがプスの素直な思い遣りである。
プスには育ての母・イメルダがいて、捨て猫の彼を愛情をもって
育ててくれた、だから今のプスがいるのである。
ハンプティと共謀したキティも、人間のペットとして大切な爪を
抜かれてしまった。大切なものを失った者同士だったわけね。
屈折したキャラが多く登場するドリームワークス、でも彼らの
心の変遷を辿ると、案外いそうなキャラがゴロゴロ出てくるのだ。
で、そういった者たちにもちゃんと光明を与えるところが好き。
相変らず吹き替え版で竹中直人、もう慣れたので聞き易いけど、
やっぱり字幕版で観たいよなー!これ。だってバンデラスだよ~!
全体にいつもの毒気がないから、子供向け?ともとれるけど、
常に捻くれブラックモード全開で作ってくれるこの会社のアニメは、
私のような腐れオバさん(自分で言っちゃった)向けでもあるのだ。
ぜひ、字幕版復活を求む!!(確かシュレック一作目にはあった)
(あのミルクの飲み方、フワフワの毛並み、いい感じだったなぁ~)