劇場公開日 2011年12月16日

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「文句なく面白い」ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル R41さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5文句なく面白い

2025年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

2011年の作品 トムが50歳の時の作品
この物語 シリーズ 相変わらず素晴らしい脚本とアクションが際立っている。
基本的対立軸に中に旧KGBを忍ばせているのも良かった。
ただ、基本的には鉄板的な型
このありがちなものにもかかわらず面白いのは、ストーリー展開と映像技術とスケールなどが文句なくよく出来ているからだろう。
物語を簡単にしているのは、カート・ヘンドリクス自身がIMFのことを知らないからだろう。
この主軸の中にKGBを加え、尚且つ恋人の仇という心理的な部分、そしてⅢの後本作に登場するジュリアの存在
人間として共感できる部分があるのが良い。
意外にストーリーが複雑なので、何度か見ても新しい気づきがあって楽しめる。
あり得ない指令とあり得ない方法
概念からひっくり返ってしまうのが、このシリーズの特徴だろうか。
この最後のジュリアの登場の伏線として、冒頭の収監、その要因となったウィリアム・ダンローのミステイク
このつながりも物語を面白くさせている。
発射された核弾頭という設定もなかなかだ。
このシーンにはRE:CYBORGと同じ危機が描かれているが、それより1年早くこの作品が出されている。
このようなケースで日本人にありがちなのが自己犠牲だが、アメリカ人は愛する人の元へ必ず帰ってくるという概念がある。
例えば消防の救助隊
一人しか入れない危険な場所
そこに行くのはベテランまたは、未婚の隊員
死んでもダメージを最小限にする意図がある。
アメリカでは新婚者や生まれたばかりの子供がいる隊員を送り込む。
理由は、絶対生きて戻ってくるからだ。
この文化的思考の違いは、この作品にも出ていた。
ここで対照となったのがジェーン
恋人を殺されたモローに対する恨みを、仲間たちは責めた。
しかし客観的にはやむを得なかったのは間違いない。
この仲間割れを挿入し、最後に「このチームだからこそミッションを完了できた」という着地
非常に巧妙に設定されていた。
ただ、
カートが強すぎたのが難ありだった。
彼の異常性はスピーチで語られているが、手足が動かなくなってもなおイーサンの諦めない行動を横目で見ていたのは、いったい何を表現したのだろう?
カートは自分こそが正しいと信じて疑わないが、お前こそ間違っているのだと、天に教えられるのをあのシーンで描いたのだろうか?
変装までする異常者
彼の本質はイーサンたちも知るところではない。
ただミッションを追いかける。
その過程でカートの異常性を知るのだろうが、怯んでいる暇もない。
カートのような人物 盲信者 こういうのが一番怖いのかもしれない。
そして危険な仕事とジュリアの理解
彼女がイーサンがいることに気づき涙目になる。
決して会うこともできない関係になってしまったこと。
このことが第6作の再会へとつながる。
この長期スパンの物語もまた、このシリーズの特徴だろう。
なかなか面白かった。

R41
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