「どこか懐かしい現代版西部劇」トゥルー・グリット キューブさんの映画レビュー(感想・評価)
どこか懐かしい現代版西部劇
今回、この映画には良い意味で裏切られた。コーエン兄弟のことだから一風変わった西部劇が展開されるのかと思ったら、れっきとした王道ウエスタンであった。
ただしいつもの通りキャラクターは全員クセのある奴ばかりだ。酒浸りの保安官コグバーンを演じるブリッジスはクレイジー・ハートの時よりもさらに演技力がアップしている。これからは「酒浸りの~」といった役ばかりオファーが来るに違いない。オーディションで選ばれたというスタインフェルドはなかなかのクソガキを演じてくれる。小生意気で別に可愛くもないのだが、親の敵を討とうと懸命になる姿には応援したくなる。マット・デイモンも普段とは違うオーシャンズシリーズのような三枚目的な演技を披露。これで演技の幅はぐっと広がっただろう。
ストーリーはもちろん最高だ。途中の小屋のシーンや最後の決闘のシーンは異様な緊迫感を誇る。そしていつものコーエン兄弟らしく登場人物は小粋な会話を繰り広げる。彼らのテーマもちゃんと込められている。
「悪人は必ず罰せられる」のだ(てことは「ノー・カントリー」は例外なのかも)。
(11年5月8日)
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