月に囚われた男のレビュー・感想・評価
全90件中、81~90件目を表示
今作に囚われた女。
名画座にて。
まったく予想だにしていなかった本作の素晴らしさ。
こういうのを観られて本当に嬉しい。名画座サマサマv
D・ボウイの息子D・ジョーンズが挑んだ初の長編作品は
驚くほどの低予算ながら(500万ドル以下)センスが光る。
父上は音楽界で多大なセンスに溢れる功績を残したが、
その息子は映画界で未知なるセンスを披露してくれた。
こういう才能って、やはり継承されるのかな^^;
いわゆるクセモノ俳優(誉めてますv)S・ロックウェルの
ひとり芝居と聞いたら、よっぽど変っているか、理解に
苦しむ難解なSFスリラーを想像させるが、本作は違う。
冒頭こそ、アレ?なんだろう…と思う幻覚映像が出るが、
根本に横たわるテーマは最後までまったく変わらない。
怖いといえば、確かに怖い。そしてとても悲しい。
でも近未来(でなくても)こういう結果をもたらす事件が
起こらない保証があるだろうか。自分が彼の立場なら、
真実が分かった瞬間、気が狂ってしまいそうだ。。
自分という存在のすべてが覆されてしまいそうで怖い。
S・ロックウェルは完璧なミッションを今作でこなしている。
彼がこんな普通の人間を演じられるなんて(誉めてます)
私は彼のどこを見ていたんだと思うくらい巧い。何度も
泣きそうになった。彼の真実が段々明るみに出るにつれ、
このタイトルの意味が深く胸に突き刺さる。囚われた男…
更にHALを連想させる人工知能コンピュータ・ガーティを
声で演じたK・スペイシーの素晴らしさ。主人公と二人で
月での任務をプログラム通りに進めていく役どころの彼。
まったく澱みのない思考能力に長けた彼が、最後に選ぶ
あの決断…。これにも泣けた。なんなんだ、この映画!
恐ろしいまでの愛と意外性に彩られた秀作だと思う。
そりゃ新人賞も獲るだろうな~と納得至極。
様々な場面でサムが見せる表情、動き、喋り方までが
三年という月日を見事に語っているところに注目しつつ、
その現実に屈せず闘いぬいた彼ら(!)に拍手を贈りたい。
(すっかりこの作品に囚われてしまった。か…帰れない!?)
おい!これ超良いじゃねえかよ!!
ボウイのせがれが作ったのに今更になって観に行って来ました。
7月22日、飯田橋のギンレイホールにて観賞。
…これ、凄い良いですよ!
ブレードランナーが人生のベスト作品である自分にとって、この映画はまるでプロローグのようにも感じられました。
だからサムは、クローンではないんですね、「レプリカント」なんですよ(勝手に)。
すっごく感動して途中で泣けました。
クローンにも人格があるのか?
死期を迎えつつあるサムと生まれて間もないサムの人格の違いは?
ただ、ホントにホントの最後のシーンの台詞、絶対要らないと思う。もうわかってるからね。
DVDが出たら買う
ストーリーも設定も出演者もよかった
文句をつけるところがない!
予告編以上の本編だったし(最近は予告編のネタバレがひどくて予告編以下の本編のやつあるよね)、観た後も気持ちがよい
SF好きとかじゃないので細かいこととかわからないけど、すごくおもしろかった
温故知新
拙ブログより抜粋で。
--
まあ正直なところ、こういうSFに慣れていれば、いわゆるどんでん返し的な驚きはあんまりない。
過剰にCGを頼ったりせず、ミニチュアも駆使した特撮映像や、『2001年宇宙の旅』(1968年、監督:スタンリー・キューブリック)あたりの宇宙船を彷彿とさせる古式ゆかしい美術セットに懐かしさを感じるのと同じように、お話もどこか古典のテイストを漂わせる。
一応、近未来が舞台なんだが、20世紀の人が考えた21世紀の未来像って感じなのね。
つまるところ、それらはすべて狙った上での古めかしさ。まさに温故知新。
そこにあるのは夢の未来世界なんかじゃなく、どこかダークな絶望的未来。
いや、地球上の人々の状況は描かれないので、そちらが実際にはどうなのかはわからないんだけど、主人公であるサムにとってはまったく救いのない現実が突きつけられる。
で、そういうSF的舞台装置を用意した上で描かれたのは、今日的な労働者の悲哀なんだと思う。
そんなに手の込んだ話でもないこの小品の宇宙SFが、その突飛な設定とは裏腹になんとなく身近に感じられるのは、周りが見えないまま働き続けたサムの境遇に共感するからに他あるまい。
それでいてラストは、この状況を打破するだけのカタルシスがある、好感の持てる終わり方。
こういう、単純なアイデアをじっくり煮詰めた作品に出逢うと、映画ってやっぱり製作規模だけじゃわかんないよなぁって思える良質なSF映画でした。
よかったよ。
物語がよかったのもあるけれど、それよりも感じとられるメッセージ性のようなものが印象に残った。
共通のオリジナルを元にし同じ記憶をもちながらも、まったく別々の個性をもつ2人のクローン。
責務よりも感情を選んだ人工知能をもつコンピュータ。
地球の未来、技術の進歩、クローンの人権、変わらない人間。
こうあってほしい未来とこうあってほしくない未来が感じられた。
自分も少し考えさせられた。
もっと絶望的で後味の悪いものを想像していたのでラストは個人的には少し残念なところがあったけれど、登場人物の性格や作品のテーマを考えると納得できる気がする。
雰囲気良しだが、ラストは…
基地内の美術などが70年代風の懐かしいSFを思い出させてたまらない。人ひとりと話し相手のコンピュータというところで『2001年宇宙の旅』も彷彿。
クローンであることは結構早めに分かってしまって(だいたい予想してたけど)、その後の展開がやや長くも感じたけれど、こういう低予算&ローテクなSFは久しく見ていなかったので、それだけでもSF好きとしては楽しめる一作。
……が、ラストがどうにも腑に落ちない。現代社会を痛快に皮肉ったのかもしれないが、雰囲気をかなりぶち壊した感があり。もっと絶望的なラストのほうが似合ったんじゃないかと思う。そこまで深遠だったものが、一気に現実的になってしまってやや興醒め。
話し相手のロボット・ガーティが泣ける……。
低予算で作られているので、主な舞台は月面基地内で、登場人物もたった一人で採掘管理業務に従事してる主人公のサムだけ。
特撮も昔ながらのミニチュア模型を使ったものだし(一部CGも使ってるらしい)、基地内部や月面作業車、話し相手のロボットなどの造形デザインも70、80年代のSF映画を彷彿させる。(これは監督が意図的にオマージュしたという)
しかし、安っぽさは感じない。映像的には過去のB級SF作品に見劣りしないか!?
3年の契約期間を終え、妻子の待つ地球へ帰還する直前のサムは作業中事故を起こしてしまう。基地内の医療ベッドで目覚めたサムは、以来幻影に悩まされる。自分以外の人間は、ここにいるはずはないのに…。
サム役のサム・ロックウェルのほとんど一人芝居の演技が見事。
それに「2001宇宙の旅」のコンピューター・HALを反面教師にし、ロボット三原則に忠実な話し相手のロボット・ガーティが泣ける…。
(以下、ネタバレあり)
…低予算のため、舞台を月面基地内にし、登場人物も宇宙飛行士一人だけにしてる。
そういう制約の中で、主人公に一人二役をさせながら、うまく物語を作り上げていると思う。(一人二役の場面は、画面を半分にして、後でつなぐ昔の撮影方法のように見えるが、わざとそう見せているのであって、実は最新のコンピューター処理をしてるのはではないかとも思う)
サムが医療ベッドで目覚めてからの異常は…もしかしたら、事故にあったサムが、閉じ込められたまま見ている夢なのでは?と予想した。
死の間際の人間は、自分とそっくり分身を目撃するという。(これはドッペルガー現象といわれる)
最初はわざと、サムの見ている幻想のように思わせていたのでは?
終盤で、クローンだったと種明かしするけど、その後も三人のクローンの役割分担で、ほろっとさせる。
2番目のサムが事故で負傷し死にかけてる1番目を地球へ帰還させようとするのを、もう長くないと悟った1番目が死体として事故現場に戻ることを申し出て、2番目を帰還させ、これから目覚める3番目(死体役にするつもりだった)の命も助けるなど、はじめは対立していたのが、最後には同士として譲り合うところは泣けた。
サム役のサム・ロックウェルの一人二役の演技もうまい。
う~ん…、といった感じ。
全体を流れる雰囲気とかはすごく好きな感じで、途中まではかなり惹き込まれて観ていました。
それがクローンの件になって一気に興醒め、というか意味がわかりません。
・何故、ガーディーはあんなにサムに肩入れするのか?
・事故前、事故直前のあの幻覚はなに?
・1stサムがどんどん体調悪くなっていくのは何故?
・1stサムは抜けた歯を見てなにを悟ったの?
・2ndサムは何故1stサムを探しに行ったのか。
この辺が腑に落ちれば、かなり好きな作品になったかも知れません。
あ、後は終わり方がイマイチだったかなと。
過去の作品へのオマージュ的映画として観れば良かったのでしょうか?
わたしはSF映画は好きですが、マニアではありません…。
本格派SF映画として観れば良かったのでしょうか。
色々とレビューを観ていると月面での描写等、どうも本格派という感じでもなさそうです。
わたしは、このクローンの件で「プレステージ」を思い出してしまいました。
確かお父さん出てましたよね?
「地球に落ちて来た男」は観たことないです。
「銀河ヒッチハイクガイド」繋がり&監督の長編デビュー作繋がり(?)の「500日のサマー」がすごく良かったので、変な期待の仕方ですがかなり期待していただけに、なんだかガッカリです。
サム・ロックウェルは非常に良かったです。
秀逸☆
公開をずっと待ちわびてた作品*
今日、ガーデンシネマで『ウディ・アレンの夢と犯罪』と合わせて、恵比寿にずっとこもって観てきました。
冒頭のキャストが流れるクレジットを見た時点で、なんて映像の使い方がうまくてシャレてるんだろうと、一気にわくわく感が♪
最近の映画にはない、予測のつかない展開に終始興奮がやまなかったです。
サムが会社の陰謀を知ってしまったあとの、あの失望感・やるせなさが、何とも観ていてツラかった‥
個人的にツボだったのが、ガーディーの感情・表情がニコちゃんマークで表してるってトコも、この映画知った時素敵だと思いました*
特に、1回しか出なかったケド、ガーディーの泣き顔が何とも‥
フィクションだとは分かっているけれど、あながちあり得ないハナシでもないのかと、考えさせられました*
あのオチというか、あと5分しかないって状況での、主人公の行動には拍手!
久しぶりに秀逸な作品を観れて、大!大満足な一時でした*
音楽もイィでっす♪♪
サントラ買おう(^人^)
『ウディ・アレン〜』は、正直退屈で途中寝ましたが、この『月に〜』のスピード感は心地良かった。
久々にSFらしいSF映画
月の裏側で、たったひとりの人間とコンピュータによる無機質な共同生活。
3年契約の期限が切れて地球に帰る日が近いある日、共同生活の歯車が狂いだす。まず、いつまでたっても地球との回線が回復しない。思い出されるのが「2001年宇宙の旅」だ。まず、コンピュータを怪しむのはHAL9000の叛乱を知る人だ。
予告篇を見た人ならば、本作の主題が××だということはおおよそ予想がつく。
だが、前半はそんなことをおくびにも出さず、それでいて何か怪しげな空気を漂わせ、月面での作業を淡々と進める描写が巧い。そして後半、新たな登場人物を迎えると、××であることを受け入れられない男、そして××である運命に抗う男の物語へと、俄然、話は急転、加速する。
そしてラストは、時間単位から分単位へ、そして秒刻みの興奮へと駆り立てる。間一髪のところで後任のためにある工作を行う粋な演出には脱帽するばかりだ。映画の醍醐味を感じる。
久しぶりにSFらしいSF映画を観た。音楽の使い方も巧い。オープニングのクレジットも凝っていて面白い。
全90件中、81~90件目を表示