コトバのない冬のレビュー・感想・評価
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渡部篤郎初監督作品。大好きな役者さんですが・・・
お客さんからお金を払って観てもらう
映画の作品になっていたかと言うと、どうかな?と。
私を含めて3人という
まるでホームシアターのような状況で
鑑賞させていただきましたが、うしろに
座っていたカップルの兄ちゃん、上映中に
2回もトイレに行ってましたからね。それだけ
集中力を持続させてみるには難しい作品でした。
・俳優さんに状況だけを伝えての、ほぼアドリブ
・セリフに詰まったり、言い間違えたりしても、そのまま採用
・心の揺れを、カメラの揺れで表す
・一台のカメラで会話をしている
2人を映し、わざとホームビデオで
撮影したかのように見せドキュメント的な臨場感を表す
そんなやりたいことをやりきった感は
十二分に伝わってきたのですが、それだけになってしまっていた気がします。
最大の見せ場のラストシーンも
作品に入り込んでいれば、感動のあまり
号泣してしまうのでしょうが、そこまでの
プロセスで「なんか違うよなぁ」と、まったく
作品に入り込んでいませんでしたから、なす術もなく傍観するしかありませんでした。
☆彡 ☆彡
今作にはクエスチョンマークをつけましたが、
大好きな役者さんには違いありません。『まっすぐな男』も見てたし。
決して、AAAの宇野ちゃん目当てだけではなかったですよ(苦笑)
俳優としての御活躍、
監督としても、これを糧にして
また作ってみてください。楽しみにしています(笑顔)
期待を加算して、Bにしておきます。
観終わると切なさに胸がキュンとなる。
インターネットや携帯端末の発展で、コミュニケーションの取り方が大きく変化した21世紀においても、コミュニケーションの一番の基盤は“コトバ”。言葉を発することの出来ない青年は、孤独を甘んじて受けなければならないのか・・・。“心”が通じ合えばコトバはいらない。そんな期待を観るものに持たせるラブストーリーが、些細な事故によって崩れることの切なさ。それも全くの不可抗力によって・・・。“コトバ”以上に人間のコミュニケーションに大切なのは“記憶”。それが無ければ、コミュニケーションのとりようも(コトバのかけようも)無い。
俳優渡部篤郎が、初監督作品で投げかけるのは、デスコミュニケーションの哀しさだ。本作のヒロインは、全編を通してコミュニケーションを求め続ける。前半は、遠く離れた恋人からの連絡をひたすら待ち続け、コトバを発しない青年と出会ってからは、彼とのコトバのないコミュニケーションに安らぎを見出す。そして落馬事故によって、数日間の記憶を失ってからは、思い出せずにいる”何か”のためのデスコミュニケーションに怯えているかのようだ。ヒロインを演じた高岡の、笑っていても哀しみをたたえた表情を見るだけで、胸がキュンとしてしまう。彼女は忘れてしまったことを、おそらく一生引きずり続ける。日常生活のふとした時に、心にチクリと痛みが走るだろう。だがそれもすぐに忘れてまた日常を繰り返す。それでも幾度となくそのチクリとした痛みを抱え続けるだろう・・・。しかしそれ以上に哀しいのは、彼女が去った理由を知らずに、彼女を思い続けなければならない青年だ。口のきけない青年は、彼女が去った原因は自分にあったのではないかと結論を付けるだろう。そのことによって、彼はますます孤独に陥っていくのだ・・・。
北海道の寒い空気の中、コトバ少ない人々(その中でただ1人饒舌な食堂のおばちゃんの存在が現代の軽薄なコミュニケーションを象徴している)のなにげない日常をスケッチしながら、現代人のデスコミュニケーションを切なく描く渡部の繊細な演出は見事。
手持ちカメラによる即興演出で、ホームビデオを盗み見しているようなリアルさがあるが、それでもどこか御伽噺めいて見えるのは、雪のように儚い存在の人間たちの儚いラブストーリーだからだろう・・・。
余談だが、映画館の一番前の席で本作を観ると、画面のブレによって酔ってしまうので注意しましょう(汗)
言葉のないラブストーリー
映像と音声が楽しげに語り、
意欲が見られる映画。
映像にダイナミックを感じる時もあり、
ハッとする時もあり、
ドキドキする時もありました。
表情に込められるストーリーの先を思いました。
単調なストーリー。表現にこだわりを感じさせつつも、ドラマとしてのオチが欲しかったです。
手持ち撮影を多用して、ドキュメンタリーに近いライブな感じを出していました。ただ気になるのは、それぞれの台詞の間が長いこと。実生活では有り触れた間の長さでしょうけれど、スクリーン上では、その沈黙がとても長く見えてしまうのです。
おまけに主人公が惹かれていく門倉渉が聾唖者で喋れないから余計です。
白一色に埋め尽くされた冬景色にのなかで綴られる人と人が触れる会う作品としては、そんなに饒舌になる必要はないとは思うものの、少々演出過剰さを感じました。
ストーリーは冬沙子の単調な日々を描きつつ、門倉との出会いにより少しずつこの聾唖の男に惹かれていく沙子を描きます。
そんなとき起こった落馬事故。沙子は、大切な門倉との恋の思い出の部分の記憶を失ってしまうというというのがこのストーリーの核心でした。
記憶を失ってどうなのよ、という部分ではっきりしないのが不満です。この肝心なところを思わせぶりに描いて、何を伝えたいのか?
それは監督が分かっていれば、充分な作品なのかも知れません。
てでも主演の高岡早紀の表情は、いくつもの感情を包み込んでいるようで、とても良かったです。撮影は6年前というから、若いのですよ。
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