「身につまされました」春との旅 試写会3さんの映画レビュー(感想・評価)
身につまされました
久しぶりに邦画で映画の為の原作・脚本を楽しませていただきました。
人は小さな寄り添いが壊れそうなときに、冒険が始まる。
人の個人個人の事情、家庭の事情を次々と見せてくれます。
訪ねた長兄はもっともらしい話をしているが、別れのときの言葉は、寂しいものがあり、現在の時代の流れを良く表している気もします。
気の抜けない兄弟めぐりの中でホットさせるのは、食堂での場面ではなかろうか...
ほほえましい笑いとペーソスをふんだんに取り入れた見ごたえのある物語になっています。
主演の仲代 達矢・徳永えりも含めて芸達者がそろって見せてくれます。
よくもマア、これだけの芸達者を動員したものだと感心させられます。
(ほとんど年寄りばかりですけど)
年寄りの頑固さと、忠雄老人のわがままを、巧く表現しているとの印象。
祖父は祖父なりに、孫は孫なりにお互いを
いたわり合うことは、お互いに不器用ながら出ていたと思います。
人間は自分の蒔いた種により苦しめられ、自分の蒔いた種により喜びを与えられることが解るような感じに仕上がっています。
面倒を見てくれる孫がいて幸せであり、若い孫のことを考えると....兄弟との関係も..
元義理の息子夫婦との関係で、ほっとしますが出来過ぎのの感もあり...
カメラワークも良く画面画面が巧く構成されて美しく、無駄の無い撮影がされている。
やさしく、シンプルなテーマ曲も映画に合っている。
原作・脚本・撮影・テーマ曲などどれをとってもいい出来だと思います。
ただ、自分の年のことを考えると寂しいものを与えられたような気もします。
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