劇場公開日 2010年5月22日

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「【厳しき人生を生きることの素晴らしさを厳しくも優しさに満ちたまなざしで描いた人生賛歌であり哀歌。故、小林政広監督を悼む作品でもある。】」春との旅 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【厳しき人生を生きることの素晴らしさを厳しくも優しさに満ちたまなざしで描いた人生賛歌であり哀歌。故、小林政広監督を悼む作品でもある。】

2023年10月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 私事で恐縮であるが、故、小林政広監督の作品を初めて鑑賞したのは「日本の悲劇」であった。近隣の劇場で朝、八時からの上映で、今では考えられないが、観客1名で鑑賞した。
  衝撃であった。即座にパンフを購入した事を思い出す。
  今作は、その後DVDで鑑賞したが、レビューを上げていなかったので、今更ながらに記載する。

◆感想

・小林政広監督らしく、詳細は描かれないままに劇中に没入する。
ー 北海の寂れた海辺のあばら家で、老漁師・忠男(仲代達矢)と孫娘・春(徳永えり)は二人暮らしを続けていた。
  しかし、地元の小学校で給食係として働いていた春が、廃校により失職。
  老いた忠男の世話を頼むべく、疎遠となった姉兄弟を訪ねる旅に出る。ー

◆感想

・自由に生きて来た忠男を演じる仲代達矢の独壇場映画である。
ー 因みに「日本の悲劇」でも「海辺のリア」でも同様である。-

・忠雄は、自らの兄弟を頼りに回るが、対応は冷たい。
ー 舞台は仙台であると思うのだが、通りの座席で夜を明かす二人の姿は切ない。-

■だが、忠男は春は厳しき状況の中、新天地を求めて、旅立つのだが・・。

<今作では、小林薫、田中裕子、柄本明、香川照之らが脇役で存在感を与える演技をしている。
 故、小林政広監督の人柄で有ろうと思う。>

NOBU