劇場公開日 2010年7月10日

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「鳥刺し炸裂! 全身に鳥肌!」必死剣鳥刺し garuさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0鳥刺し炸裂! 全身に鳥肌!

2022年2月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

 近年の時代劇映画で面白かったものとして思い浮かぶのは、たそがれ清兵衛と必死剣鳥刺しの二本だ。

 で、この映画、主役の豊川悦司がいい。 自分の命を差し置いてでも信義を貫く武骨な男。 役どころの割に声の細さが気になったが、目つきの鋭さでカバーしている。 物語が進むほどに、兼見という侍の個性に魅力を感じていった。

 豊川だけでなく、御別家役の吉川晃司も実にいい。 カッコイイ! 豊川との一騎打ちも、リアルで緊張感抜群で文句なし。 悪い役人役の岸部一徳も、彼にしかできない見事なはまり役。 キャスティングの成功が、この作品のクオリティを上げている。

 最大の見どころは、兼見が最後に繰り広げる壮絶な立ち回りだ。 落ち武者状態で息も絶え絶えになりながら、なおも刀を振り乱し続ける。 尋常でない豊川の眼付きは、もはやこの世のものではなかった。 スゴイの一言。 そして、まさかのタイミングで必死剣鳥刺しが炸裂! その瞬間、鳥刺しだけに、全身に鳥肌が立った。

 若山富三郎や中村錦之助など、モノホンの時代劇俳優がいなくなって随分経つが、まさかこんな凄い立ち回りを観ることができるとは想像もしていなかった。 同郷の平山秀幸監督に、最大限の賛辞を贈りたい。 バンザーイ!!!

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Garu