プレシャスのレビュー・感想・評価
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脚本を書いたのも黒人女性で、米国のスラム街の黒人女子の話ですが、米...
脚本を書いたのも黒人女性で、米国のスラム街の黒人女子の話ですが、米国では経歴もですが、歯並びや容姿も初対面の就職面談の際に就活者にとって重要だそうで、当映画の主役の黒人女子が肥満体ですが、一般的なステレオタイプの黒人女子と思いますが、米国の黒人が暮らすスラム街の日常や生活が撮られてますが、米国のクラッシック映画の風と共に去りぬ内の黒人女性の肥満体の家政婦を削るべきか削らないべきかがネットの記事にありましたが
深刻なのに深刻ではない
リアリティを追求した映画、と言えばいいのかなぁ
母親のボーイフレンドにレイプされて、2人の子供を産んだプレシャス。
「そんなことあるか?」と思ってしまうけど、そこにリアリティを吹き込むのが母親を演じたモニーク(アカデミー助演女優賞受賞)。
プレシャスの淡々とした演技と、現実逃避するシーンだけでもこの映画の伝えたいことは伝わるけど、母親がソーシャルワーカーの前で吐き出した話でこの映画は一気に厚みを増す。
あり得ないと思ってしまう。
でも、この世界にはこういうことがあるんだと思う。
他にも、マライア・キャリーがすっぴんに近いメイクでいい演技してたり、レニー・クラヴィッツがやっぱりかっこ良かったりと、見どころ満載。
いろんな意味で、見て絶対損はしない映画。
スッピンのマライア・キャリー
最初はデブの黒人女が主人公か・・・などと、スパイク・リーのような映画を想像していた。実際、根底にあるテーマは同じなんだろうけど、血なまぐさいシーンもなく、ハーレムにいる素朴な少女たちの切なさが伝わってくる作品。
働き口を探すでもなく、生活保護を受けるために小賢しい策を講じる母親(モニーク)。母親の恋人である男にレイプされ二人も子どもを産むこととなったプレシャス。プレシャスは幼児期の虐待や性的虐待を受け、読み書きすら出来なかったが、数学だけは得意だった。歌手になる妄想も随所に挿入され、コミカルでもあるが実はハーレムの悪環境からの現実逃避という彼女の心情を表している。
『ミラーズ』でも魅力的だったポーラ・パットンも最高。作文させることで個々と対面する教師像はまるで日本のよう。だから共感できるんだろうな。それにソーシャルワーカーの役で出ている女性がなかなかいいなと思っていたら、スッピンのマライア・キャリーだった!!なんだか好きになりそう(笑)。他に看護師役でレニー・クラヴィッツも出ている。
今まで暗く悲しすぎる話だと想像して、なかなか見れませんでした。 話...
「愛」と「そうじゃないもの」
・「パティ・ケイク$」の台詞で「白人のプレシャスかよ」みたいな引用があったので鑑賞したけど、度肝抜かれた。。
・愛とは何かを1ミリも知らないプレシャスの鬼畜逆境地獄成長日誌映画。
・親の行動と言葉は2つに分けられる。「愛」と「そうじゃないもの」。
・この比率は各家庭ごとにバラッバラ。
・プレシャスは親のした事がすべて愛だと感じようとするから超絶葛藤する
・映画のシナリオの宿命として、悪役は徹底的に悪物として描かれるけど、今回は母親がそれ
・母親の行動の99%は愛ではないし、自己保身のためにプレシャスに感情をぶつけているだけ。さらっと嘘もつく。
・この親子間の葛藤は、バシバシ日本の家庭にも普通にあるから共感できる
・人種やスラムというアメリカ的な背景はあるけど、本質は全世界共通のテーマ
・ただし、そんないわゆる毒親の母にも、確かに愛があった。
・それがプレシャス(宝物)という名前に刻まれているという事実がある
・クライマックスの役所で母の愛に気づく一瞬のプレシャスが良いッッ
(すっぴんマライヤキャリーも良い)
・親や環境にコントロールされ続け、死と隣り合わせの状況にさせられても強く生きようとするプレシャスに敬礼。
・現実をぶっ飛ばした妄想チックな夢ではなく、日々の積み重ねで手に入れる超現実的な夢を実現させようとする様がリアル
・「天使にラブソングを」チックに、音楽に救いを見出しました!的な展開かと思いきや、そうじゃなく、生活というリアルのなかだけで完結させていて素敵
・プレシャス宅にて、テレビに映るイタリア語の古い映画。人物がプレシャス親子になり変わって、母親が娘を罵倒するシーン、ここは笑っちゃう。
・全体を通して母親の演技が素晴らしい。
演技がすごい。不幸だけど、不幸を押し付けられない。
こういう環境に置かれている人がいるということ。
そんな状況でも前向きに、学び、生きていこうとする人がいるということ。
そして、それを見せられる映画というエンターテイメント。
先生も素晴らしい。
芯を持った、「書け」という言葉。
前に進むには、生きていくには、書かないと。書くこと。
母と子の葛藤
差別発言にあたるが、主人公の見た目に驚き
中々にインパクトあるが、こちらのレビューで見た、貧困だからこその肥満という解釈に納得
家族関係がストーリーの主軸にあり最後まで一貫しているが、最後の母親の発言に哀れみではなく、怒りを感じてしまった私には合わなかった。
過去の事件があろうと、今の態度は許されるものではないのだから
教育と希望
主人公と母さんの演技がリアル
辛い現実から逃れるため、幻想にひたる描写がリアル。
主人公と母さんの演技がインパクトありすぎて、先生が霞んでしまったかも…。
アメリカは4人に1人は親からの暴力、5人に1人は性被害と聞いたことがある。地域によっては、よくある家庭の話なのかもしれない。日本でも他人事ではないけれど…。
自分勝手な母親も、本当にリアルだった。キレ具合とか。
現実だと誰も助けてくれず、長いことトラウマに苦しむんだけどさ。それだと映画にならないからね。きれいにまとめないと。
Joe Klotz
アカデミー賞、サンダンス映画祭の数多くの部門でノミネート、受賞したリー・ダニエルズ監督の作品。
マーティンスコセッシを感じさせるような、ドラマをこの109分の中身似たような感覚になりました。作品のテーマはもちろん監督としてのテイスト、映画をどのように観客に見せるかという視点が、1980年代を彷彿させるような美しくかつ、力強い作品。
ディヒュージョンを使ったライティングは、”JFK”のように歴史を感じさせるものとは違った、そのライティング自体で、この映画の設定、ストーリー、テーマそしてキャラクターをも表現するようなものでした。
具体的にいうと、コントラストの強さは、黒人社会という設定に加えて、ハイライトの力強さがプレシャスの成長、未来そして、EACH ONE TEACH ONEのクラスメイトの笑顔をサポートするようなライティングが見えました。
そして、編集。これが一番、マーティンスコセッシを感じたところです。むしろ、セルマ・スクーンメーカーのような編集。
それは、どんな編集かというと、キャラクターを第一優先にした編集。編集のリズム、各クリップの長さ、カットの伸ばし方、トランジションの選択を使って、そのキャラクターを作り上げていく。まさに監督並みの力を持つ編集者の技術。
たとえ、コンティニュイティが繋がっていなくてもいい。そこよりも、キャラクターをリッチに描くこと、キャラクターの感情をまっすぐ太く伝えることを一番重要視する編集です。
これの何が凄いかっていうと、実際に映画を観てみればわかると思うのですが、フッテージ自体の画の美しさだったり、演技の力強さだけじゃなく、ショットが移り変わるカットのところでストーリーが前に進み、感情が伝わってきて、心が動くというところです。
リズム感、全体を通してのアーク、そして一つ一つのフレームの細かさまで、荒っぽさをあえて表現するようなテクニックまで編集の力120%でした!
編集者というのは、一人で力を発揮することができるものではありません。監督とのコンビというのがとても大切。監督とどれだけビジョンを共有できるのか、そして監督の伝えたいことをどれだけ自分の中に落として、フィルターを通して味付けをして提供できるかということが大事になってきます。
だから、編集者の名前は監督と同じぐらい大事。
いわば、編集者が悪ければ監督が良くてもいい作品はできない。逆も然り。
さらには、どちらも天才でも、ビジョンが共有できてなければそれも駄作になる。
それほど映画というのは繊細かつ強力なもの。
算数が得意な夢見るおデブちゃんに未来は見えない
「すべてのいとしいおんなのこたちへ。」
ポップな絶望
性的虐待。暴力。毒親。コンプレックス。性病。
描かれる世界は鮮烈なリアルで、目を覆いたくなるほど「エグい」。
その現実を真正面から受け入れたうえでこの作品と向き合うべきだ。
つらい現実に直面した時、プレシャスは妄想の煌びやかな世界に逃避する。そこに私達はポップな絶望を垣間見ることになり、間接的ながらより痛々しく感じられる。
プレシャスに光を与えた「先生」、彼女の厳しい口ぶりや話を真剣に聞く目線、そして微笑まですべてが最強に美しく魅力的。個人的に、かなり惚れ込みました。
“Wright.”頑なに書きなさいと指示するのは何故でしょうか?
それが知りたくてこうして私は書いています。
最悪の状況の中から、それでも這い上がっていくプレシャスのたくましい姿に、勇気づけられること間違いなし。
衝撃は強いけど、いい映画。
未来は光に満ちている
なんだか私には壮絶な映画でした
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