僕と妻の1778の物語のレビュー・感想・評価
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竹内結子さんが観たくて鑑賞したけど、に、苦手なんですよね〜〜ファン...
竹内結子さんが観たくて鑑賞したけど、に、苦手なんですよね〜〜ファンタジー系の妄想が炸裂する作品…。この作品の草彅くんの不思議さん演技も。
なので途中まで辛かった。一旦観るのやめたほど💦
体調悪いときに見てしまって、ちょっと持ってかれそうにもなったり。
いい話だけど、わたしには合わなかったな。
でも節子がだんだん痩せていく姿はすごかったし、1778話目は感動した。
免疫力を高めたくなった
家の中もブリキのおもちゃ風ロボットだらけ。空想癖のある青年といった雰囲気の主人公。これが眉村卓の実体験という触書がなかったら、もうちょっと評価の下がるほど私小説的な作品だった。
ロボットということを表に出し過ぎるほど制作会社ロボットの宣伝か?と思っていたら、エンドクレジットのどこにも書いてない。イマジカの名前はあったのに・・・それにしても劇中のカメラのレンズにはしっかりとROBOTと印字されてたのになぁ。
病院のスタッフや患者が変人扱いしていたほどの主人公だったけど、いつしか温かな心で見つめるところがとても良い。そして、彼女の死後、最後の1778話を書き上げるとき、空白のまま筆を進めるシーンはなかなかのもの。
なぜだろう? 以前は全く関心のなかった竹内結子が、何作か見ているう...
なぜだろう?
以前は全く関心のなかった竹内結子が、何作か見ているうちに妙に可愛く思えるようになった。
本作、そんな彼女の悲痛な叫びが唯一の見せ場。
癌におかされた妻を、小説を書くことで献身的に支える夫。実話ベースのお涙頂戴物語なのだが、全然泣けて来ない。小説の内容も今ひとつ。もっと感動的な物語になっても良かったのだが。
なぜだろう?
癌になってしまった妻の為に、ショートストーリーを書き続けた男の話。...
癌になってしまった妻の為に、ショートストーリーを書き続けた男の話。
笑うと免疫力があがるというので、楽しい話を書く。その書いたお話部分を映像化しているのだが、映画の雰囲気というか物語の流れにマッチしていない。終わりがわかってしまい、それでも書き続けた後半はただただつらい。
切なくあたたかいファンタジー
リアルだけれど、リアルじゃない。
リアルじゃないけれど、すごくリアル。
…そんな映画。
草なぎ剛さんじゃなきゃ出せない世界観なんだろうな。。
切なくて、
だけどすごくあったかくて。
本当に素敵なご夫婦の物語。
涙が止まらなかった。
変人作家が変人でいられる1778の理由
映画評価:75点
泣けました。
僕生きシリーズにして、初の劇場版
主人公がSF作家(しかも変人系)という事もあり、妄想や奇想が繰り広げられている
そのせいもあり、置いていかれる事もしばしば
奥さんが癌になるや、話しは急展開します
その時、通常では変人作家がコミュ障の中で必至に信念を貫くひたむきな姿勢と、周りの方々の温情、奥さんの病気で感動する方が多いでしょう
私は、そんなありきたりな感動話では泣いたり出来ません。
私は、奥さんの想いに共感してしまいました
「この人が自分がいなくなったら平気か」
「この人は、やっぱり不器用だな」
そんな奥さん目線から、主人公の不器用な努力を見続け感動しました
あとは作り話しでは出せない、
確かな想いが伝わってきました。
TVドラマでやった方が良かったのでは?
草なぎ剛主演で好評を博したTVドラマ“僕”シリーズの劇場版…らしい。
実在のSF作家とその妻をモデルにした夫婦愛の物語。
“難病+純愛(今回は夫婦愛)=号泣”の見本のような映画。
SF作家が主人公なので、劇中に宇宙人やロボットなんかが登場して、SF作家としての豊かな想像力溢れる描かれ方だが、悲しいかな、妄想癖のある変人にしか見えなかった。
それでものほほんと演じ、“ザ・草なぎ”な役所なのだが、竹内結子演じる妻とのやり取りはまるでおままごと。
「私なんて居ない方が良かったね!」「二度とそんな事言うな!」…何かの夫婦漫才?
展開は幼稚で全体を包む空気も甘過ぎで、病気の深刻さも伝わって来ない。
悪人が一切登場しないファンタジー。
こういう作風が好きな人はイイが、そうでない人にはただ退屈で長い2時間超。
興行的にもパッとせず、劇場公開時もさほど話題にならなかった。
映画ではなく従来通りTVドラマでやった方が良かったのでは?
久々の純愛映画にほろり、人の幸せについて想いを馳せる
年齢を重ねたせいか、やたら涙線が緩んでいる私には闘病記物は最も苦手な部類の映画である。しかしこの映画は例外だ。最も笑顔の似合う女優№1と自分勝手にランク付けをしているのだが、その№1で大好きな竹内結子が主演しているのだ!
映画館では見逃してしまったけれど、DVDで観ない手はない!観てみると彼女の魅力満載!ファンであるから前半のタルく、尺の長いのもなんのその。
草なぎもこう言うおたくっぽいキャラを演じさせると人の良さそうでぴったりとはまった気がする。併せて、脇を固める谷原章介、大杉漣、吉瀬美智子、そして竹内演じる悦子の母親を演じる風吹ジュンは出番こそ少ないがまた良いのだ。隣に住む大家さんなのか解らないが隣のおばあちゃんに、佐々木すみ江と言う配役がとってもこの映画を支えてくれていた様に思う。これで、涙線の緩んでいる私も安心して映画が見られたのだ。
話しが余談になり横道に逸れるのだが、夏頃に、作家の曽野綾子氏の講演を聴きに行った事があるが、彼女いわく作家とは、毎日毎日ひたすら原稿を書き続ける地味な作業を続けなければ出来ない職業で、それは丁度レンガを積み上げるレンガ職人に最も似ていると言う話しをされていた事を思い出した。毎日毎日コツコツと書き続ける事が出来れば、その結果必ず誰でも有る程度は文章力が着いてきて自然とプロと呼ばれる作品が描けるように成れると言う、しかし人はその毎日来る日も来る日も、只黙々と同じ作業を続ける事をするのが、最も困難でその困難な作業を続けられる事をその道のプロと呼ぶそうである。非常に説得力が有る話しだと感激したのだが。さてこの悦子の為に、作家である夫に出来る事は何が残されているのか?余命1年と死の宣告を受けた若い妻とその家族の苦悩は傍目にも痛々しい。しかし悦子は辛い日々でありながらも余命生活の質を上げる事に集中して生活をして行くのだ。ラブストーリーの書けない作家が実人生ではラブストーリーを貫くのだ。命ある者には必ず死と言う淋しい別れが巡って来る時がある。それはどんな人にも時間の差はあるものの、平等に起きる現実なのだ。避けて通る事が出来ない運命でも、毎日毎日短くなるその残された日々を少しでも、笑いながら暮す事で病状を回復させられる事が出来たらと信じる夫と妻の綱渡り人生を二人が生きて歩んで行くのは、果たして本当に悲劇なのだろうか?確かに常に死の恐怖と共に生きる事は辛い。しかし、最愛の妻との濃密な関係を築く事が出来たこの4年と数カ月の日々こそは2人にとり辛い日々と同時に幸せな日々で合ったに違いない。私も家族を病気で亡くした経験があるが、その看病の日々を今振り返ると決して辛い日々ばかりでは無い様に思う。共に暮らす家族でも、知らない事は山程あるものだ。その知らないお互いの部分を少しずつでも、お互いにお互いの理解を深める為への時間へと昇華させるチャンスを神さまがいるとしたら、用意してくれた時間なのかもと今でも信じて感謝している。人間とは明日はひょっとしたら死ぬかも知れないと言う恐怖と緊張の中で生き続ける事は困難を伴うので、決して自分や家族の死はずーっと常に先にあるものと考えがちであるけれど、先である保証など何の根拠も無い事だ。この映画はそんな私達の流されて生きる日常に家族を愛して生きる事の素晴らしさと重要性を今一度呼び醒ましてくれる。時間は止まらない。家族との時間も毎日レンガを積む様に大切に築いていくように心がけたいものだ!
草なぎくんの声に癒されます。
先週のおはシアは~
“僕と妻の1778の物語”をご紹介しました。
作家、眉村卓さんと奥さまの実話に基づいた作品です。
ある日、妻の節子(せっちゃん)にガンが見つかります。
余命1年と宣告され、夫の朔太郎(サク)は妻だけのための
1日3枚以上の笑える、楽しい小説を書き続けることを決意します。
笑うことが免疫力を高める、という医師の言葉を聞いたから・・。
不器用だけど、優しさに溢れた夫サク役。
SMAPの草なぎ剛さん、まさにハマリ役です。
幼児のようにも聞こえる話し方、最初は少し違和感を感じますが
自然と耳に馴染んできますよ。
草なぎさんの、ちょっと鼻にかかった穏やかな声、素敵ですよね。
彼のナレーション、私、好きなんですぅ。
奥さんのせっちゃん役は竹内結子さん、スッキリとした美人さん。
どんどん衰弱していく様は本当に儚げで・・・。
弱音を吐かない彼女が、実の母に向かって
若くしてこの世を去らなければならない悲しさ、辛さを吐露する場面は
迫真の演技で、心打たれます。
2人のお互いを想い合う姿を見ると、愛なんだなぁ・・って。
主人のちょっとした一言に「チッ!」なんてなったりする自分が
恥ずかしくなったりして・・・。
この映画にラブシーンはないのだけど、1シーンだけサクがせっちゃんを
ぎゅーっ!て抱き締めるシーンがあります。
それを見たら皆さんもきっと、大切で大好きな人を
ぎゅーっ!と抱き締めてあげたくなって
そして、ぎゅーっ!て苦しくなるくらい抱き締めてもらいたくなると思いますよ。
それと、サクが疲れてしまったせっちゃんを久しぶりにお姫様抱っこをして
(この時の「え?」っていう表情に注目)ベッドに寝かせたあと
廊下で「なんで、あんなに軽くなっちゃったんだよ・・」とつぶやく場面。
このシーンも切なくて涙ものです。
映像はSF作家の眉村さんがモデルとあって
超アナログなロボットや宇宙空間が描かれていたりもして
今時、コレって・・・って気にもなったりしますが
北海道の青空など、とっても綺麗ですよ。
脇役では売れっ子作家の谷原章介さん、良いです。
あと、病院の掃除夫役で高橋昌也さんが出演されていますが
本当におじいちゃんになっちゃっていてビックリしましたぁ。
いつも言うことですが。
上映時間が基本的に120分以上はノーサンキューな私。
139分あるこの映画、やっぱりちょっと長いなぁ。
それも考慮して、星は~
4つです。
こんな夫婦愛.....理想的ですね!
夫・朔太郎の書くSF小説を こよなく愛し、一番の理解者、そしてファンとして応援する妻・節子。
その節子が、余命一年の癌と告げられてしまう.....。
なんとも悲しい現実を前に「笑うと免疫力が上がり延命できるかも」という医者の言葉から、毎日一編の笑える小説を書くことを決意する.....。
泣けますね!.....でも、毎日書かれる笑える小説を織り交ぜて描いているので笑える部分もあり楽しめます。
50話の話....いいですね!.....ちょっと悲しいけど.....。
そして、1778話まで達していますから、奇跡の5年越えです......。
素晴らしい、夫婦愛が成し遂げた奇跡と感度の物語でした。
朔太郎は恋愛小説が苦手でしたが、最終的に素晴らしい恋愛小説を綴ることになりました。
掃除のお爺さんを演ずる 高橋昌也....光ってました....
じっと見つめる瞳.....泣けました.....。
心地よい悲しさ
朔太郎の天然さや節子の柔らかさ、
きれいな景色、ストーリーのゆっくりした流れ・・・
上手くひとつにまとまった感じが、
悲しい話なのに心地よいものに感じさせてくれた気がします。
正直初めは感情移入しずらかったんですが・・
妻だけに宛てた1778話(最終回)を書くシーンは
涙が止まりませんでした。
草なぎさん竹内さん、ほんとにステキでした!
むしろ
なかなか辛辣な批判も散見しているようです。
涙涙~感動の名作でした、という評も多い。
ま、どっちでもなかった、というのが正直な感想です。
竹内結子さん演じる節子には、とても気の毒で激烈な境遇にあるにもかかわらず、あまり悲壮感を感じさせず、いつもながら抑えの利いたいい演技で、原作や脚本に忠実でありながら随所に彼女らしさを垣間見せ、とてもよかったと思いました。
ちょっといないかなって人種のサクを、やはり彼らしい味で朴訥・天然・一途に演じる草彅剛さん、これも原作・脚本に忠実にこなしてて、及第点以上の好演です。
サクと節子のちょっとした距離感、ほとんどは真っ直滑降なサクを節子がどうあやしなぶりいなしかわし向きあい愛するかによって決定付けられてきた二人の、愛に溢れそれでいて微妙にすれちがう関係は、突然の節子の病魔によって、でもやっぱりなんにも変らないのですねー。
やっぱり一途に、節子の喜ぶ顔みたさに小説を一遍ずつ書き連ねては節子に見せ、その喜ぶ顔に喜色満面となるサク。シチュエーションと生活は激変したものの、二人の関係には何ら変わるところなく、またその関係を未来永劫紡ぎ続けたくて、延々と毎日の執筆作業に勤しみ、その成果を唯一の読者に披歴する。
境遇の過酷さ、その後の闘病生活、過酷な毎日の執筆、その他もろもろ、という二人をとりまく厳しい状況に対し、自分へ及ぼしうる限りの目一杯の感情移入で観ていたつもりなのですが、感動や涙はまったくありませんでした。
それはこの二人の関係に、「かかあ天下」、「節子主導」というものが名状しがたく拭いがたく確としてあって、節子が元気なときから病気にさいなまれやがて死に至るまで、いや死んでもなお、サクは捉われ続けていたかったからでしょう。ネタに苦しみ日々悶々とするさまも、この関係の維持のためならなんら厭うものではないし、むしろその苦悩と煩悶を経て編み上げるように書きあげた一遍一遍は、すべて節子の評価に付されて、節子の喜びの多少によって、サクのその日の幸せ具合が決められていく。いつものように…
ここら辺り、愛し合う二人でないとやはり究極のところはわからない微妙な機微、愛のない僕には適切に捕らえきれなかったということになりましょうか。
ここまで節子を求めるサクの心情、なんらそういったシーンはほとんど皆無でしたが、むしろエロチックなんじゃなかろうかと感じました。
泣きましたよ・・・
私は泣きましたよ・・・
この作品は人によって感じ方が変わってくると思います。
悲しいと思う人もいれば、長いと思う人もいるでしょう。
なので、ここのコメントを見て、観るか観ないか決めるのではなく、一度観てはどうでしょうか??
TVドラマでもこれは頂けない・・・・
久々に拷問のような2時間越え!!!
最後が泣けるのか??何かがあるのかと待った私が馬鹿でした。
だって、予告を見た時から嫌な予感はしてたから。
ここんとこ再放送で「僕生き」シリーズ観て幸せだったから、信じてしまった自分に反省。
メディアにだまされてはだめですよ!!な事再確認出来る映画です。
だまされるなら、DVDのレンタル料にして下さい。
今日 観てきました
私はガンの治療中です。
友人が 草なぎ君のファンなので誘われて観ることになりました
複雑な心境でした
でも 最初の出だしで気分は一転しました。
けっこう笑えるシーンもあって 宇宙人とか ロボットとか!
とても楽しかったです。
ガンで弱っていく様子は 最期まで忠実だったと思います。
通夜?のシーンは
「なるほど 自分も死んだらこういう感じになるのか!」なーんて
フムフムと思いながら観れました(^_^;)
意外にガン患者は 冷静に周りや自分を見ているものです。特に主婦は。。
それを竹内さんが見事に演じていました
この映画を観て 私は主人に対する気持ちが変わりました
今までは 頼りなくて私がやらないと どうしようもない主人を
認めたくなかった
でも 今は なんでも黙って私の言うことを 聞いてくれる主人に
感謝の気持ちでいっぱいになりました
そして
病気で辛いのに 頑張って家事をする節子さんの後姿を見て
私も まだまだ頑張れると思いました
この映画を観て 本当に良かったと思います
笑いをありがとう!
私は好きです。
原作者の眉村卓氏は、「ねらわれた学園」「時空の旅人」などを書いたSF作家。
当時SF作家は文壇から差別されて、SF小説もあまり売れず、彼らは少年少女向けの小説を書いて生計を立てていたらしい。
経済的には豊かではない生活を妻と助け合うというのは、「ゲゲゲの女房」とも少し重なる。
原作では60代なのを30代の夫婦に置き換えてる。
ATMじゃなくて銀行の窓口でお金をおろしてるところで時代設定が少し見える。
1960年代あたりか。
主人公が新婚旅行も忘れて小説を書きつづけるような夢見がちで世間の常識からはズレた性格付けだし、妻への短編小説を映像化したものがわざと安っぽい着ぐるみを使っていたり(他でCG使ってるのでお金はあったと思う)その小説も落ちがあるようなないような…あまり笑えなかったりするので、好き嫌いが分かれる映画ではある。
後半はちょっとシリアスな闘病シーンになるので、劇場ですすり泣く声がすると同時にイビキも聞こえてきたのがこの映画らしい。
病院のシーンで終わってもよかったとも思った。そのあとはいらなかったかな。
でも、私は好きです。
皇后様も不思議とおっしゃった世にも不思議なファンタジー
皇后さまも、昨日鑑賞されて、とても不思議な映画とおっしゃられていました。人がガンで死んでいく、悲しい話なのに、心がほっこり温まるファンタジーのような作品なのです。さすがは、ドラマ「世にも奇妙な物語」を手掛けてきた星監督だけに、単調になりがちな展開に、「世にも奇妙な」魔法をかけていたのでした。
だいたいタイトルを見ただけであらすじが見えてきそうな作品として、全然期待していませんでした。実際中盤まで、妻のガンが見つかって、闘病生活に入るという予想通りの展開に退屈さも感じていました。まして、1778話が最終回と分かっているため、主人公のサクが、妻節子のために書き上げている日替わり小説の回数で、だいたいの展開が分かってしまうのです。
どう見ても、不利なストーリー展開に、星監督はまず、カット割りを緩めに間を持たせた後ろ髪を引かれるような取り方で、ゆったり感を醸し出しました。
そして映像は、彩度を高めに鮮やかにすると共に、特にホワイトフィルターをかけて、絵本をめくるような原色とパステル調の入り交じった、幻想的な映像を多用しています。 そして何より、今回が2度目の共演となる草彅と竹内の共演。とても安定しています。 そればかりでなく、ふたりの演技の演出付け方もとてもファンタジーなんです。
ともすれば夢の中を彷徨うSF作家の主人公を、単なるオタクにしないで、しっかり竹内がつなぎ止めていました。それは竹内が演じる節子が、サクの一番のファンであり、理解者であり、彼の描く夢の世界を心から愛している表情を浮かべていたからです。病室で死に至る病に伏せっていても、節子は夫の書き上げたばかりの小説を読んでいるときはも至福の表情を浮かべるのです。サクの沢山の読者をいちいち描かなくても、一番熱心な読者である節子の神髄ぶりを描くだけで、サクの卓越した表現者としての才能を感じさせてくれました。
大学時代に知り合ってから、ずっと夫の描く「夢の世界」に暮らしてきた節子にとって、そんな描き手と身近に暮らせることがどんなに幸福だったか伺えるストーリーでした。だから自分の高額な薬代のために、SF小説から転向して、恋愛小説を書き始めることに大反対したのは納得できました。
やがて病床に寝たきりとなって、帰らぬ人となる節子、あまりに静かな死の描き方、その安らかな表情は、『今会いに、行きます。』と語っているかのようです。
韓国映画のように激しく、これでもかと涙腺を直撃する演出よりも、本作のように静かにゆっくり、幸福に包まれながら、かけがえのない人が死んでいく様は、胸にグッときました。同じ体験をされている方には、きっと涙を隠しきれないことでしょう。
そしてラストシーンの描き方も、とても印象深く良かったです。最終話の1778話は、空で描き、空へと飛び立っていったのでした。
そて本作を彩るサブストーリーに、サクの描く日替わり小説があります。その一部が映像としても描かれて、節子を笑わし喜ばすのです。
その内容は、さすがSF作家だけにあって、日常のちょっとしたことから、「世にも奇妙な話」を即席で造りあげるのです。なかでも第1020話『集金人』は、傑作です。監督が原稿を読んで、直感的に飛びついた作品ったそうです。集金人だと思って玄関をあけたらタコ型の火星人だったというオチで、人間として化けた小日向文世の怪演がどんぴしゃり!帰り際右足が、たこ足になっているのが笑えました。
その他ロボットものなどSFをベースにしたものが多かったのですが、どこからこんな発想がどこから湧いてくるのか不思議なくらいです。サクの子供のような純真な想像力に感心させられました。
単なる悲劇だけでなく、日替わりSFとしての短編小説にも着目したところが、星監督ならではの発想なのでしょうね。
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