「皆少しずつ悪人」悪人 hkさんの映画レビュー(感想・評価)
皆少しずつ悪人
原作は、朝日新聞に2006年から10ヶ月連載された同名小説。出会い系で出会った男女の物語。佳乃の自慢話で1日の連載が終わるような進み方で、暗くて長い印象だった。映画にもその雰囲気が出ている。
解体のシーン、台所の窓に黒い影が近づき、バリバリに壊されていく。暴力的に見せつけることで、殺伐とした空気が漂う。
祐一の祖母は、夫の世話を孫に丸投げして、息抜きしている。祐一は自分を捨てた母親から、なけなしの金を奪う。佳乃は、増尾から受けた仕打ちを祐一のせいにする。
光代は恋人を失いたくないから、祐一を引き止めた。
大なり小なりの悪が絡み合って物語は進み、佳乃の父が増尾に向かう。最後、突き放すことで、その流れを断ち切ったように見えた。
2人の逃避行のシーン、ポロロンというメロディがメロドラマのようで安っぽかった。
祐一は「光代に早く会っていれば」と言ったが、佳乃の事が無ければ、会ったかどうか分からない。
俳優たちの演技が圧巻。特に妻夫木聡の祐一は、連載を読んで想像した、そのものだった。
コメントする