「犯罪は多面的な側面を持つということ・・・。」悪人 としぱぱさんの映画レビュー(感想・評価)
犯罪は多面的な側面を持つということ・・・。
この映画は罪を犯す(人を殺す)ってことを多面的に表現しています。
かっとして人を殺す、主人公祐一とまず込みにさらされる祖母、その主人公に魅かれて自己中心的に逃避行を続ける光代、その妹。殺された娘への想いのあまり、あまりにも軽い人生を送る大学生を襲う父等等。
罪は罪、それを否定してはいけないのだが、愛する人が罪を犯したら・・・よいうテーマを突きつけられた時、人はどう考えるのだろうか?
世間的な体面?、自分擁護?、偽善、同情・・・
そこに愛が絡むと非現実的な行動に出てしまう事を良しとするのか?
少なくともそこに感情がなければ多くの人は光代の妹と同じ反応をするのだろう。
そんな中で際立った深津絵里の素晴らしい演技力。
あの極限状況の中一本気な愛を演じた素晴らしい女優です。
脇役も素晴らしかった。
樹木希林、柄本明、この人たちの演技は流石です。
殺人を中心に回るストーリーなので全体的に暗く、悲しさを
感じますが流れる曲とカメラワークがそれを軽くしています。
最後にここだけは納得できなかった点。
「博多弁」・・これだけはみんなわざとらしくて地元の自分にとって違和感を感じて前半は映画に集中できませんでした。
どうして無理して博多弁にしたのかな?
佐賀、福岡、長崎と自分にゆかりがある場所が多く出てきて
懐かしさを感じましたがあのセリフだけはどうも・・・。
「無理に博多弁にせんでもいいっちゃない」って感じでした
なので-0.5させていただきました。
私も『悪人』レビューしたのですが私が拙い文章力でダラダラ書いてしまった言いたかったことをすごくわかりやすく書かれててさすがです。羨ましいですw
方言の演技ってネイティブの人にとっては重要ですよね。ほとんどゆかりのない私にはわからないんですがきっと佐賀と長崎の間にも微妙なニュアンスの違いがあるだろうし。逆に違和感なく方言で演じられる役者さんは株が上がってしまいますw