劇場公開日 2010年9月11日

「誰もハッピーになれない」悪人 yadnohさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5誰もハッピーになれない

2011年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

今更ながら観ました。
登場人物の誰もハッピーで終わらない悲しい映画です。
原作を読んでいないので何とも言えないのですがストーリーは単純。
ただただ俳優さんの演技とカメラワーク、音楽で素晴らしい作品になっています。

自分も若い頃は地方で生まれ育ち、土木関係の仕事をしていましたので
主人公に感情移入してしまいました。祖母の家もあんな感じで、、、、
若者はクルマとバイクしか楽しみのないような地方の閉塞感がものすごく出ています。なので都会で生まれ育った方が観てもピンと来ない部分もたくさんあるかと思います。

カメラ
車内からのカメラの使い方がいい。真っ暗の山間部を夜間クルマで抜ける際のライトに写し出される路面、木々の寂しさと深さが一層切なさを出している。
灯台でのクレーンの動き方も好感が持てました。

俳優
妻夫木さんと深津さんがこんなに悲しい役がはまるとは。
特に深津さんの悲しい三十路の薄幸役が見事でした。
伸びきった汚い金髪の妻夫木さんは、自分がムカシ仲のよかったヒロシにそっくりでびっくり。(どうでもいい)

ちょうど主人公の年齢の頃、
同じように地方で薄幸そうな女の人を食い散らかした自分へグサリと刺さりまくり。(もちろん人はあやめていません)
ほんとうにごめんなさい。

というわけで感情移入度が高くなってしまったので高得点で。

yadnoh