イヴの時間 劇場版のレビュー・感想・評価
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アンドロイドと人間の温かな交流
アイザック・アシモフのロボット三原則をモチーフにしてアンドロイドと人間の感情の交流を描く。アンドロイドが感情をもってどうこうとなると、それこそハリウッドではド派手SFアクション映画になるものが、こういう人間ドラマとして作られる、しかも個人レベルから生まれる面白さ。
ちょっと独特なカメラワークが初見では気になるかもですが、絵のクオリティも高くて、温かい人物たちの静かだけど興味深い交流に惹きつけられる一作でした。
普段アニメを見ない人にこそ、こういうアニメもあるってのを見てほしい作品ですね。
テンポ
ロボット三原則を軸に話が進む点強烈な斬新さはないものの、登場人物の心情描写がとても気持ちよく描かれています。
複数の短編話をひとつにまとめた映画ということで、細かく盛り上がりがあり、集中力の低い僕でも退屈せずに観られました。
かけあいの独特のテンポも僕の好みだったので好評価をつけます。
あまりの興奮にパンフ売場へ直行!
なんだこれ?
なにこのわかりやすさ?
クライマックスなによ、これ!
速攻でパンフ売場に直行しちゃったよ!!
~~~
エンディング曲を歌っていたのが
『空の境界』のKalafinaで
テンションが更に上がったのはあったとしても
全く未見の一観客の心をここまで動かしてしまう
アニメ作品に出会ったのは初めてだと思います。
一部、
ロボット倫理委員会のやり取りの部分に
未見者にとって、わかりにくいところは
ありましたが、そんなの小さなもので、
大勢には全く、影響はありませんでした。
◇ ◇
《 家族・気持ち・感情・アンドロイド 》
舞台は未来の日本。
人間らしく振舞うアンドロイドを
自分の召使として扱う、そんな時代のお話。
話が急展開し始めるのは
主人公リクオのアンドロイド
サミィの行動ログに不審な文字列が
含まれているのを、リクオが見つけたあと。
物語の本番は、ここから始まります。
◇ ◇
以下、なるべくネタバレにならないように
関心及び感動したことを綴っていくと、、、
①アニメなのにシチュエーションムービーっぽい
作品タイトル“イヴの時間”
これはある地下にある喫茶店の名前。
この喫茶店にはルールがある。
「人間とロボットの区別をしない」
現世界では、アンドロイドは人間そっくりのため
人間との違いをわかりやすくするために、アンドロイドの
頭上にリングが見えるようになっています。人間たちは、
それをみて人間かアンドロイドなのかを見分けます。
ところがこの喫茶店。
区別をしない=アンドロイドであっても頭上にリングがありません。
そして、普段は自分の意志を口にはしない
アンドロイドたちも、いつも思っていること
悩んでいることを、ここでは素直に口に出してしまうのです。
②地上と地下のギャップ
主人の意のままに動くアンドロイド
主人などに対し感情を抱いてしまったアンドロイド
地上(現世)では無機質。
ところが裏道沿いにある、
古びたビルの扉をあけ、
階段を地下に降りていくと
地上(現世)では見られない
感情にあふれたアンドロイドがいる。
階段、そして地上と地下の差を使った
ギャップの出し方に上手いなと、唸らされました。
③感動してしまったこと
結局、このギャップが起因します。
アンドロイドには様々なタイプがいます。
例えばリクオが使うアンドロイドはハウスロイド、家事全般。
他にも、保護者のアンドロイドであったり、育児のアンドロイドもいます。
感情を持っているはずのないアンドロイドが
主人である人間に対して、感情を持っていることを知る
あるアンドロイドは主人に元気がないからと
心配をし新しい味のコーヒー豆をもらいにくる
あるアンドロイドは好奇心旺盛でどんなことでも知りたがる
理由を尋ねられると
「だってそうすれば家族のことをもっとわかると思うから」と。
人間が“イヴの時間”という不思議な喫茶店に足を踏み入れたことにより
単にロボットだとしか思っていなかったアンドロイドに感情が芽生え、しかも
それはアンドロイド自身のことではなく、お仕えする主人に対し、人間以上、
いや血の繋がっている家族以上の愛情や、優しさ、慈しみにあふれた思いに満たされているのを知る。
主人の笑顔を見たい
主人に元気になってもらいたい
あるものはヘアースタイルをチェンジし
あるものはロボット法を犯す危険を承知で
声を出してはいけないと命じられていたのに
声を出し、自分の積年の思いを人間に伝えようとする
◇ ◇
すごく単純なことなんですけど、
奇想天外さが薄くて、普通の出来事に見えちゃうんです。
普通の日常の中に起きる
ほんの少しだけレールから外れた心温まる奇蹟
それが、この作品の中には、存在したのです。
☆彡 ☆彡
終わり方を見るかぎり、
続編がありそうですね。
続編も、
是非この世界観をキープしたままでお願いします。
楽しみに期待して待っています(笑顔)
とてもとても暖かい映画。観れば観るほど発見がある!
公開前の上映会と、劇場初日舞台挨拶にて観賞。
WEB配信された6話のシリーズアニメを、編集&シーン追加し、劇場版にしたSFアニメーション作品です。
WEB配信の頃から、この作品が大好きで大好きでしょうがなく、DVDも全話揃え、2009年にオールナイトで行われた上映イベントにも行きました。
ストーリーは、ロボット三原則を基盤に置き、アンドロイドと人間の関係性を描きながら、人間社会を非常に繊細に鋭く、そして、何よりもそれらを「あたたかく」描いています。「あたたかい」という部分が肝です。未来に向かって、絶望も悲観もない。真っ直ぐで前向きな力強いメッセージが感じられる素敵な作品です。
しっかりした設定と脚本、作り込まれた映像、声優さんたちの説得力のある演技、魅力溢れるキャラクターは十人十色で、観た人は誰でもお気に入りを見つけられるんじゃないかなと思います。わたしは、そうですね〜、みんな大好きだけど、カトランが好き★
戸惑い、好奇心、羨望、友情、葛藤、、、笑いあり、涙あり、感動ありの良作です。
ここまでベタ褒めしておきながら最高点をつけることが出来ない理由が幾つかあるので、簡単にまとめておきます。
1.元がオムニバス形式全6話のシリーズアニメのため、2時間近い劇場映画でありながら、ひと続きの物語というよりは、やはり6つのエピソードものの要素が強い。特に、シリーズアニメ6話も、物語が完結したというより、ファーストシーズン終了という形になっており、劇場版追加映像により補完される部分も多分にあるものの、本来の主人公であるリクオとサミィよりも、6話目のエピソードのメインキャラであるマサキにスポットが当たりすぎてしまっており、アンバランスに感じられる
2.シリーズアニメが各話15分(最終回は20分超)の短編構成のため、極力ダイエットされた脚本になっている。その分、練り込みはスゴイので、注意して観賞しているとハッキリ説明されていない部分の設定も見えてくるのだけれど、2時間という長時間、ずっと集中して映画を見続けるのは、かなり難しい
3.1と重複するけれど、ある意味完結していない。わたしとしては、劇場版追加シーンにより、かなりの伏線が回収され、描かれなかった部分について観客が想像を膨らますことが容易なほどまでには説明がなされたと思っているので、セカンドシーズン(監督が最初に切ったコンテは12〜13話あったということです)がこの先発表されなかったとしても、『イヴの時間』はこの劇場版だけで作品として完成していると思います。でも、確かに作品として完成はしていても、物語としては終わってないのかも・・・?とも思うので、観て「え?これで終わりなの?」という感想を持つ人も少なくないかと
初日舞台挨拶の司会をされたニッポン放送の吉田アナは、この作品を「第二の"時かけ"にしよう」って言ってました。そもそもロボット三原則スタートのSF作品ですし、そこまで一般性があるとは自分は感じないのですけれど、SF大好き、ロボット三原則大好き人間としても、この『イヴの時間』のファンとしても、この作品が沢山の人に観られて、そして愛されることを願ってやみません。
つまらないって思う人もいるかもしれないけど、、、
ハマる人は絶対ハマるから!
観てみて!
初日舞台挨拶、グッズ、「ドリ系」については、「しなもん日記」2010年3月6日(土)分記事にUPしています★
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