劇場公開日 2010年3月6日

  • 予告編を見る

「とてもとても暖かい映画。観れば観るほど発見がある!」イヴの時間 劇場版 shinamonさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5とてもとても暖かい映画。観れば観るほど発見がある!

2010年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会、映画館

泣ける

笑える

幸せ

公開前の上映会と、劇場初日舞台挨拶にて観賞。
WEB配信された6話のシリーズアニメを、編集&シーン追加し、劇場版にしたSFアニメーション作品です。

WEB配信の頃から、この作品が大好きで大好きでしょうがなく、DVDも全話揃え、2009年にオールナイトで行われた上映イベントにも行きました。
ストーリーは、ロボット三原則を基盤に置き、アンドロイドと人間の関係性を描きながら、人間社会を非常に繊細に鋭く、そして、何よりもそれらを「あたたかく」描いています。「あたたかい」という部分が肝です。未来に向かって、絶望も悲観もない。真っ直ぐで前向きな力強いメッセージが感じられる素敵な作品です。
しっかりした設定と脚本、作り込まれた映像、声優さんたちの説得力のある演技、魅力溢れるキャラクターは十人十色で、観た人は誰でもお気に入りを見つけられるんじゃないかなと思います。わたしは、そうですね〜、みんな大好きだけど、カトランが好き★
戸惑い、好奇心、羨望、友情、葛藤、、、笑いあり、涙あり、感動ありの良作です。

ここまでベタ褒めしておきながら最高点をつけることが出来ない理由が幾つかあるので、簡単にまとめておきます。
1.元がオムニバス形式全6話のシリーズアニメのため、2時間近い劇場映画でありながら、ひと続きの物語というよりは、やはり6つのエピソードものの要素が強い。特に、シリーズアニメ6話も、物語が完結したというより、ファーストシーズン終了という形になっており、劇場版追加映像により補完される部分も多分にあるものの、本来の主人公であるリクオとサミィよりも、6話目のエピソードのメインキャラであるマサキにスポットが当たりすぎてしまっており、アンバランスに感じられる
2.シリーズアニメが各話15分(最終回は20分超)の短編構成のため、極力ダイエットされた脚本になっている。その分、練り込みはスゴイので、注意して観賞しているとハッキリ説明されていない部分の設定も見えてくるのだけれど、2時間という長時間、ずっと集中して映画を見続けるのは、かなり難しい
3.1と重複するけれど、ある意味完結していない。わたしとしては、劇場版追加シーンにより、かなりの伏線が回収され、描かれなかった部分について観客が想像を膨らますことが容易なほどまでには説明がなされたと思っているので、セカンドシーズン(監督が最初に切ったコンテは12〜13話あったということです)がこの先発表されなかったとしても、『イヴの時間』はこの劇場版だけで作品として完成していると思います。でも、確かに作品として完成はしていても、物語としては終わってないのかも・・・?とも思うので、観て「え?これで終わりなの?」という感想を持つ人も少なくないかと

初日舞台挨拶の司会をされたニッポン放送の吉田アナは、この作品を「第二の"時かけ"にしよう」って言ってました。そもそもロボット三原則スタートのSF作品ですし、そこまで一般性があるとは自分は感じないのですけれど、SF大好き、ロボット三原則大好き人間としても、この『イヴの時間』のファンとしても、この作品が沢山の人に観られて、そして愛されることを願ってやみません。
つまらないって思う人もいるかもしれないけど、、、
ハマる人は絶対ハマるから!
観てみて!

初日舞台挨拶、グッズ、「ドリ系」については、「しなもん日記」2010年3月6日(土)分記事にUPしています★

shinamon