「第三条 自己を守らなければならない」イヴの時間 劇場版 マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
第三条 自己を守らなければならない
第一条 人間に危害を加えてはならない
第ニ条 人間に服従しなければならない
第三条 自己を守らなければならない
この三条 誤解してはいけないのは、ロボットを作ると、ロボットはいずれこうなると言う事ではない。プログラミングの段階で、ロボットをそう作っては駄目だと言う、人間に対する倫理規定と言う事だ。
現段階でのロボットは危害も加えられるし、逆らうし、自爆する。ドローンを考えれば、理解できると思うが。さて、このアニメでのロボットは、AIの技術を鑑みれば、全くありえる。しかし、どんな事あっても、ロボットが芸術を産む事は出来ない。
何故なら、芸術は人間の為にあるからだ。つまり、どんなに素晴らしく作っても、感じる人間がいなければ、ただの反応機に過ぎないからだ。例えば綺麗な曲をロボットに聞かせても、分析をするだろうが、ロボット自体は絶対に自力で感動することは無いのだ。
このアニメは微妙だが、最後のテロップに流れる挿絵を見て『イブの時間』の経緯が理解できる。決してロボットの心が人間に近づいた事になっていないので評価したい。やはり、真の人間の心が根底にあるから、奇跡のような事も起こると説明している。
このアニメは多分シリーズでやっていたと記憶するし、このアニメ自体も見たことがあったが、ずっと、あのアニメーターの出鱈目なアニメと思っていたので、見ることがなく時間が経過してしまった。
僕が一番ロボット三原則で人間らしいと思った所は『自殺出来ない』って所だ。アシモフの原作を読んだ段階でそう思った。でも、ロボットは自爆出来る。だから、つまり、自分の気持ちだけで、自殺出来る事が人間の証拠だ、と僕は感じだ。そして、大事な事は、自殺したら人間じゃなくなる事が人間である証拠だと気付いた。それで、そうなるのが嫌だったので『ロボットは絶対に人間になれない』と思うようになった。
しかし、アダムに対する『イブの時間』と言う事はかなりの男目線な話。つまり、男心を癒やす女性型ロボットに話が集中してしまっている。それが画竜点睛を欠いている。
ロボットの表現で、好きなのは京都アニメーションの『日常』に登場するゼンマイを背負った『東雲 なの』かなぁ。僕は初めて見た時ショックだった。理由は書けない。