告白(2010)のレビュー・感想・評価
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106分、重苦しい空気のなか一瞬も緊張の糸が切れることなく惹き込まれました
『告白』(2010)
久々の鑑賞。今回も106分、重苦しい空気のなか一瞬も緊張の糸が切れることなく惹き込まれましたね。つねに明るく陽気な役を演じていた松たか子さんの冷徹な演技は、公開当時も驚きましたが、素晴らしかったですね。
われわれが無垢であると信じている子どもたちに潜む狂気と闇にこれでもかと描きスポットを当てたミステリー、復讐劇としても一級品。2010年代を代表する一本ですね。
「少年たち」に対する訓戒
やってしまったことは二度と元には戻せない。
少し前から少年たちの間で少年法のことが語られ、彼らはそれを盾に犯罪を試みるケースがいくつも起きた。
湊かなえさんは、そういう少年たちに対し何もできない大人は、「本当に何もしないと思っているのか?」と問うたのかもしれない。
小説を読んでいたので、映画はそれより面白くないかなと思って今まで見ていなかったが、気が向いたことで視聴した。
映画では少々省かれている箇所はあったものの、原作に忠実に描いている。でも一番最後のシーンはオリジナルにはない。ブラックをより訓戒っぽくしたのだろう。
さて、
森口教師が黒板に大きく書いた「命」という言葉が、この作品のテーマだ。
そこには議論として正義とか道徳とか良心など様々な言葉があるが、改心しても、後悔しても、何をしても戻ってこないのが「なくなってしまった命」だろう。
命を、償う手段は、ない。
森口の夫は最後まで言葉による正義を貫いたが、森口は何もしないことが正しいとは思えなかった。
そして教師を辞めてからも寺田教師をそそのかしながら、あたかも手助けするふりをして下村ナオキを追い詰めてゆく。
たまたまその様子を目撃した北原美月が渡辺シュウヤの話をしたことで、森口の最終計画のピースがはめ込まれた。
森口はその帰り道嗚咽するが、あれは自分自身の良心を打ち砕いたからだろう。自分自身に残っていた最後の良心の呵責を殺したのだ。
ファミレスでどこかの子供が森口に飴玉をくれるシーンがある。子供の持つ純真さ。いつかあの子供が成長すると、邪悪な心を持つのだろうか? 森口の中で交錯する子供に対する希望。「でも私の子供はもう戻らない」 そこに行きついたとき、彼女の中ではじける音がしたのだろう。
後に彼女はシュウヤとの電話で「ドカン」と表現しているが、それは彼への当てつけの言葉だ。
少年法をあまりにも身勝手に捉えて行動する少年たち。何を考え何が本心かわからない子供たち。身勝手に何でもやってしまう子供たち。
しかし、取り返すことができないものがある。それは、それだけは何をしても取り返すことはできないのだ。
映画「法廷遊戯」でカオルが執拗に考えていた「目には目を」の理論。それを思い出さずにはいられない。
原作を読んだとき、あの映画「セブン」と似たような気分の悪さを覚えた。しかし映画を見ると、考える要素がいくつもあることに気づかされた。
単純なる復讐劇。大人が子供を執拗に追い詰める物語。ブラックジョーク…
いまの自分自身の信念のようなものによって、作品への感想は多義的だ。
そして誰もが自分自身の正義を貫いている。映画「検察側の罪人」のように。
そう結論付けてしまえば議論などできないが、森口にそこまでさせるほど「取り返せないことがある」ことを強く感じた。
先生は最後まで先生だった。
森口先生は娘を殺した生徒たちを自らの手を汚さずに復讐していった。大人と子供の違いを見せつけられた。命の重さを生徒に理解してもらうという意味では復讐も「教育」なのかもしれない。
松たか子のホラー
松たか子扮する女性中学校教師森口悠子は、今月いっぱいで教師の仕事を辞めると宣言した。
死にたいと言うメールが飛び交っている様だ。だいたい中学生にはHIVの話は刺激的過ぎるよな。それに死んだ自分の娘の話を生徒にするかな。なんでこのクラスの生徒に殺されたと言えるのかな。と言う展開だったね。それでも少年法に守られている中学生。だからこういう復讐をしたのかと。ホラーだね。
この後はオムニバス形式。生徒の兄貴ぶった教師も最低だな。
話題作なだけはある
そういえば観よう観ようと思っていて観てないなと思い出したのでアマプラで鑑賞。
公開当時すごく話題になっていたが観てからなるほどなと納得。
かなり昔に原作を読んでいたが細部は忘れていた。原作はイヤミスと呼ばれる所謂胸糞が悪いようなミステリが得意な湊かなえさんだが、中でも割とスカッとする部類なのでそういうの苦手な人も楽しめると思う。人によるかも。
とにかく映像が美しいし、松たか子さんはじめ俳優陣の演技も凄い。ストーリーも原作がうまくできているのもあって面白い。
ただとにかくカッコイイ絵作りと面白い撮り方がされた映像は見応えがあるのだが、全体的にスローと繰り返しが多い。重要なシーンなので繰り返すとかスローでなど理解はできるが流石に多くない?私がせっかちなだけなのか。
特に木村佳乃さんがすごく良かった。いやーこういうヤバく見えないけどヤバイ親いるいるって感じで。これからすごいことするのにニコニコ平然としてて怖くてとても良かった。
さすが湊かなえ!!
松たか子演じる中学教師が担当クラスのホームルームで生徒に始める告白。
その告白により、あらゆる事が明らかになり、加害者は罪に苛まれ、そして復讐は成立する。
原作を読んでいないのだが、少なくとも映画では面白いと思うシナリオで物語は進み、これは原作も読んでみたいと思わせる作品だった。
テーマが重すぎてエンタメ性にかけるのは残念だが、仕方なしか。
終始ザック・スナイダー
黒と紺色の世界に時折見せるスローモーションと回想シーンと挿入曲で、終始日本版ザック・スナイダーを観ているかのような世界観。
2007年のスリーハンドレッドや2009年のウォッチメンを観ているようで感慨深い。
内容は見事なものでして、人間社会の本音を見事に映像化していて、内容良し!キャスト良し!間違いなく松たか子の代表作でしょう。
年に一度は観たくなる。
なーんてねw
序盤は退屈だけど……
教師の娘の殺人事件をめぐって、三者三様の正義や思想がぶつかり合う社会派サスペンス映画
最初は退屈だと感じていましたが、だんだんと情報が開示されるにつれて話がどんどん盛り上がっていって引き込まれました 歪んだ思想を持つ人々がたくさん出てくる作品だけど、そのバックグラウンドがリアルに描かれていて納得度が高かった
ただ、画面が全体的に暗く、何が起こっているのか見づらいうえに、暗い気分になって嫌だと感じた そのほかみずほの過去がまったく描かれないところなど、色々もったいないなあと感じた
原作未読なので、答え合わせ気分で読んでみたいと思った
凄い映画
冒頭の終業式シーン、ボコボコにしてもいい心境なはずなのに何故松たか子はこんなにも冷静に諭すように話しているのか理解できなかったが徐々に計画が明かされて行く。死すら生ぬるい復讐劇。
登場人物みんなどこか狂っているが、話も分かりやすくテンポも良くて観やすかった。
ラストも無事に完遂できて良かった。笑
すごいストーリーだった。
湊かなえは何度か小説やドラマを観た事がある。人間の心理、それも残酷な部分に切り込んでいくイメージで、そんなに観たくないなと思っていた。公開からずいぶん経った今、観ないで終わるかと思ったのに、なんとなく観てしまった。
すごい映画だった。
娘を殺された松たか子演じる先生が、殺した生徒を追い詰めていく。緻密に練られた計画で、執拗で恐ろしい。
残酷シーンが多く、子供には見せたくないかな。でも、映画としては面白い。
面白そうだった🤢
公開時に見逃した作品。
今回見ることに。
松たか子のモノローグからはじまる。
いい加減飽きたところで、次々と他の出演者のモノローグ。
結局時空も何もかもわからなくなり、
一体何名死んだのかも不明。
それで映画はチョン。
封切り料金を出さなくて良かった。
【なーんてね】 オールタイムベスト★ 原作の湊かなえ節を上手に表現...
【なーんてね】
オールタイムベスト★
原作の湊かなえ節を上手に表現できてる。これこそ成功例。
小説も大好きだけど、実写もまた傑作。なんだでも見れる。気分悪くなるけど。
娘を生徒に殺された教師の想像を絶する告白。
中学生の抱える闇、母親の言い訳、すべての告白が重なった時のラストに震えが止まらない。
勿論湊かなえを文字で読む恐ろしさは別格なんだけど、中島哲也監督との相性が良すぎるんだよな~~
少年A、B、森口先生、ウェルテル、すべてのキャストがハマり役でノイズがない。
教師と生徒の異質な絡みがもちろん面白い部分だけど、”母親”と言う存在の恐ろしさが可視化されたなと思う。
教師ではなく一人の母親として復讐を誓う森口
息子を病的・盲目的に溺愛する少年Bの母
子育てを放棄し、研究者としての道を優先した少年Aの母
愛情の欠如がいかに人生を狂わせてしまうのか。
中途半端に頭のいいDNAを継いだ少年Aが抱いたエゴが、バタフライエフェクトの如く
森口の、少年Bの過程を痛ましい事件へと巻き込んだんだろうな。
メインキャラクターだけじゃなく、原作通りクラスの生徒たちをモブとしてでなく
ストーリーに重要なキャラとして組み込んでいるので”中学生の心の不安定さ”が至極忠実に再現できてると思う。
が、ゆえにR15なのは頷けるよね。
グロイとかじゃなくて、こんなセンシティブなテーマ中学生が見たら影響されてしまう。
しかしそれでも人間の浅はかさが儚すぎて、あまりに芸術点の高い作品。
告白。
原作は、発売されてすぐ読みました。
語り口調で面白くてすぐ読めちゃいました。
だから内容は知ってるからなぁとなんとなく観てなかった作品。
登場人物、全員、すごい(狂ってて)良かった。
もっと全員掘り下げて欲しいくらい
まだまだ色々作品が出来ちゃいそう。
特に岡田くんの先生の目線で物語作ったら
それも、面白そう。
どういう風に生徒を見てたのか気になる。
カンヌの『怪物』よりも正直、
ずっと、ずっと良い作品かと思う。
このじめっとした雰囲気、
生徒のザワザワうるさい空気感、目線、
照明やカメラ、全部めちゃくちゃ良い。
見ててグイーっと引き込まれる。
最後の生徒が円になるところ、すごい良い。
こういう映画ものすごく好き。
中島監督は、ギラギラ派手派手!なイメージが
強かったけど、こういう雰囲気の映画
もっと作ってほしい。
新作じゃない、
旧作、今年で1番。めちゃくちゃ良かったです。
テーマがよく分からない
10年前も鑑賞。当時の感想は忘れたが、今は親となったので見方も変わったと思う。
法が裁かないサイコパスに対して親の自分だったらどのような行動を取るのだろうか。
そんなことを少し考えたが、いかんせんまともな感覚を持っている登場人物がほぼいないので、感情移入が難しい。
命の尊さがテーマらしいが、この作品でそれが果たして伝わるのだろうか。
自分には伝わらず、各主要登場人物の視点を丁寧に描写した結果、テーマがぼやけてる気すらした。
・その他
作中でも言及されてるが、クラスメイトも異常過ぎる。
学級崩壊やイジメ自体がテーマでないなら、ここまで不快感を出さなくても良かったのではないか。
リアルなのかリアルじゃないのかよく分からない。
松さんの淡々と事を進める役の演技は脱帽。
実はエイズ理解の啓蒙作品かも。
何とも言えない感情になる
久しぶりに観てみましたが今回でおそらく3回目。
牛乳に血を混ぜたっていう流れしか覚えていなくて再度観てみたらこの子出てたんだ!という発見ができて良かった笑
ラストは最高なんだけど中盤の盛り上がりにかけるものあるかなあと思ったりなにか物足りなさを感じました。
中盤の松たか子さんの泣き崩れるシーンの演技には圧巻されました!
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