劇場版 機動戦士ガンダム00 A wakening of the Trailblazer : インタビュー

2010年9月1日更新

「劇場版 機動戦士ガンダム00」に登場する新キャラクター、デカルト・シャーマンは、主人公の刹那・F・セイエイと同じく人類を導く革新者「イノベイター」であり、その能力を有するがゆえに軍からモルモット扱いされているという人物だ。多くのナゾを秘めたこの新キャラに声を吹き込む俳優の勝地涼に、声優挑戦の感想や初めて触れたという「ガンダム」の魅力を聞いた。(取材・文:編集部)

ガンダムワールドへ飛び込んだ俳優・勝地涼が生み出す“異物感”

2度目の声優でガンダム作品へ参加!
2度目の声優でガンダム作品へ参加!

■5年ぶりとなった2度目の声優挑戦

2005年の「亡国のイージス」で日本アカデミー新人俳優賞を受賞以降、「阿波DANCE」「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」「少年メリケンサック」など出演作が目白押し。現在も映画「シュアリー・サムデイ」やTVドラマ「美岳」で活躍中の勝地。そんな売れっ子でも、声優は劇場アニメ「銀色の髪のアギト」(05)以来2度目とまだ経験が少ない。それだけに、今回も「不安は大きかった」と振り返る。

勝地が声優を務める新キャラクター、デカルト・シャーマン
勝地が声優を務める新キャラクター、デカルト・シャーマン

「『アギト』をやったときに声優の難しさを痛感したんです。あのときは、感情を込めて芝居をしたりしながらやってみたんですよ。表情や体も動かしたりして。でも結局、映像に乗るのは声だけなので、もっと冷静に考えなければいけないなと思っていました。なので、今回はもちろん気持ちも大事にしましたけど、音の強さや息や声の高低、抑揚といったテクニカルな部分にかなり気をつけて演じました」

前回の経験から導き出した、自分なりの方法論で演じてみせたその姿勢に成長を感じさせるが、勝地は「(声優としての成長は)まだまだないですね。今回もまわりの方に助けられてできたことなので」と冷静にとらえている。収録は主要キャストの声が先に入った状態でひとりで行ったが、「他の皆さんと一緒にやりたいなという思いもありましたけど、足を引っ張ってしまうだろうし(笑)。その分、水島監督と一緒にセリフひとつひとつにじっくりと取り組めたので、結果的にはひとりのほうがよかったかなと思います。基本的には、まず水島監督からやりたいようにやっていいよと言われ、そこから微調整していくという感じでした」

戦闘時の息づかいなどに苦労した
戦闘時の息づかいなどに苦労した

近年、アニメ映画に声優を本業としない俳優が参加することは珍しくはない。今回そうした背景を持つのは勝地だけだが、「なぜ自分が選ばれたんだろうとか、声優でない役者がひとりだけ入るのがどういうことなのかと考えましたけど、水島監督が“いい意味での異物感になればいい”と言っていたので、あまり気にせずやりました」

水島監督とは事前に作品のテーマについてなども話し合い、意気投合。その結果、濃密なアフレコに臨むことができた。「監督自身もガンダムシリーズにかかわるのは『00』が初めてで、もともとガンダムをやっていた方ではありません。監督は、そこで自分が何をできるんだろう、自分は何を求められているんだろうということを考えながらやっていると話していました。自分も初めて参加する形なので、その考えにはすごく共感して、監督にはいろいろ聞きやすかったですね」

■ガンダム初心者だからこその楽しみ

勝地は、これまでガンダムを全く見たことがなかったという。「すでに30年の歴史があって、芸能人や役者さんのなかにも、ガンダムファンという人はたくさんいます。そんななか、僕はガンダムシリーズを見たことがなかったので、僕でいいのかなという気持ちはありました。知らない分、世界観を壊してしまうんじゃないかという不安もありました」

人気シリーズであるがゆえに、プレッシャーも大きかったというが、「せっかくいただいた話ですし、自分がまずできることは、『00』をしっかり見て、その世界観を知ることだと思いました」と、アフレコ前にTVシリーズ全50話を計2回見ることで、作品世界にどっぷりとつかった。

「ガンダムって、正義と悪が戦って、悪が滅びるみたいな話なのかなと思っていたんですけど、全然そんなことないんだなと(笑)。めちゃくちゃ深くて、一気に『00』のファンになりました。主人公だけじゃなくて、周りのキャラクターひとりひとりもきちんと描かれている。人の生き死にや、なんでこの人は戦わなくちゃいけないんだろうとか、全キャラクターがそれぞれの正義をもって葛藤(かっとう)している。そこが深いなと。それに、もっとSFで現実とかけ離れたものかと思ったら、主人公が元少年兵であったり、あるいは戦争や環境についてであったり、現代の問題に置き換えられるところもいっぱいあると思いました」

今年3月、東京国際アニメフェアで行われたイベントでファンの前に立ち、作品の人気をあらためて実感したという勝地。自身と同じく、これまでガンダムを知らなかったファンへ向けてこう話す。

「自分もこの作品をやらせてもらうことになってからガンダムに触れて、その面白さを発見しました。ガンダムを見たことがない人って、僕と同じような入り方だと思うんですよね。なかにはガンダムがしゃべると思っている人がいたりもするんです。それぐらい知らない人は知らない。僕はどちらかというとそちら側にいたんだよ、ということを伝えたい。実際に触れてみたらすごく深い面白さがあるので、劇場版を見るにあたって、これからTVシリーズ50話を見る価値は十分にあります。これをきっかけに知ってもらいたい。もちろん、もともとファンの人にも楽しめる作品になっていると思います。まだ音の入った状態は見ていないんですけど、それでも戦闘シーンは格好よくてワクワクしますから。完成したらすごいだろうなと思います」

TVシリーズを経て、すでに多くのファンを獲得している「00」。そこへ“異物”として入り込んだ勝地が、「00」あるいはガンダムそのものを未体験の人々をいざなう旗印となる。

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