劇場版 機動戦士ガンダム00 A wakening of the Trailblazer : インタビュー

2010年9月1日更新

TVシリーズから劇場版へ…「ガンダム00」水島精二監督が目指したもの(2)

総集編や再編集モノを除いた完全新作のガンダム劇場作品は19年ぶり
総集編や再編集モノを除いた完全新作のガンダム劇場作品は19年ぶり

■ガンダムを監督するということ

絶えず新シリーズが生まれ続けるガンダム
絶えず新シリーズが生まれ続けるガンダム

いまや国民的人気を誇るガンダムシリーズ。現在のアニメーション業界にも、ガンダムを見て育ったクリエイターは多い。そんななか、水島監督はあまりガンダムにかかわりをもってこなかった。

「ファーストガンダムを見た後、『Z』は1話で挫折しました。この業界に入ってから、知り合いのスタッフがかかわっていた『0083』や『G』を見たくらいで、そういう意味では、僕はガンダムオタクでは全くないです。脚本家の黒田くんのほうがガンダム大好きで、それゆえにこれまでも依頼を断っていたそうです。今回は外からきた僕のような監督がやるなら、何か新しいものが生まれるだろういうことこともあり、全話脚本を手がけることを条件に引き受けたらしいです」

07年のファーストシーズンから足かけ3年。水島監督は「各々のガンダム像というのがあまりにも多岐にわたっているので、みんなの言うことを全部聞くことはできない。それに、反応がすごく大きい作品なので、自分がうまくできていないなと思うときのプレッシャーのかかり方は、他作品に比べて大きいですね」と、「ガンダム」というブランドを背負う苦労の大きさを実感した。

ユーザーから得られた反応はガンダムならでは
ユーザーから得られた反応はガンダムならでは

「ただ、それでも楽しいのは、無茶できたことです。ユーザーから求められているクオリティは、TVアニメのなかでも相当高い。最初は普通のTVシリーズなりの作り方をしようとしたら、すごい反発があった。それで、いま求められているガンダムって、こういうものじゃないんだと分かった。もっとやっちゃっていいいんだと。それで、ユーザーとの我慢比べじゃないですけど、一度テンションを上げたら上げっぱなしでいくぞ! という作り方をしました。やっている最中はすごくきついんですけど、やったことに対する反響や評価もすごく早い。これもなかなか他のタイトルではないですね。ガンダムだというだけで、普段アニメを見ない人も見てくれる。そういう人たちが頑張れと応援してくれたりする。そうしたことを体験できたことは、すごくよかったですね」

■TVシリーズで描いてきたテーマの究極の形

劇場版「00」で、ガンダム史上かつてない敵が描かれる。水島監督は「TVシリーズ全50話を使って描いてきた話をさらに一歩進めつつ、扱っているテーマとしては、その究極の形、一番分かりやすい形の話として描けているんじゃないかなと思います」と自信をのぞかせる。

さらなるファン層の拡大に挑む
さらなるファン層の拡大に挑む

「エンタテインメントとしても、TVから見てくれている人は『00』の完結編として楽しんでほしいですし、いままで『00』やガンダムを見ていなかった人も、ひとつのジャンルの映画として、それだけでも面白く見られると思います。初めての人は、これを見てガンダムシリーズに興味をもってもらえればうれしいですね」

鋼の錬金術師」も、同じTVシリーズからの完結編という位置づけだったが、興行収入12.2億円のヒットで成功を収めた。それだけに今回も、初めて見る人たちを意識した作品づくりに注力している。

「元がTVだから続編でいい、分かっている人に見せるものでいいという考えでは、広がらないし、見てくれる人に失礼ですから。もちろんファンが大事というのもありますけど、作り手としては、さらにその外にいる人たちに見てもらえる努力をしなければいけない。『鋼の錬金術師』でも、作品としてそういうところを評価していただいたところがありました。今回も前回できたことをやらないわけはないですし、チャレンジしています。むしろ前回で成功しているんだから、そこはちゃんと作りおおせないと、自分の価値が下がってしまいますしね(笑)。そういう意味もあって頑張りました」

これまでガンダムと距離を置き、初めてのファンにも目を向ける水島監督だからこそ生まれた、新しいガンダム。その全ぼうをスクリーンで確認できるのは、もうすぐだ。

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