「☆☆☆★★ ※ 鑑賞直後のメモから 以前に、『亀も空を飛ぶ』で衝撃...」ペルシャ猫を誰も知らない 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
☆☆☆★★ ※ 鑑賞直後のメモから 以前に、『亀も空を飛ぶ』で衝撃...
☆☆☆★★
※ 鑑賞直後のメモから
以前に、『亀も空を飛ぶ』で衝撃を喰らったバフマン・ゴバディ監督作品。
イランを飛び出て海外で音楽を目指す若者が、ナデルとゆう男に様々なミュージシャンを紹介され…。
イランで活動する色々なジャンルのミュージシャンが画面に登場して来る。
ナデルのオートバイに跨り、彼等を訪問して行く。
一見するとロードムービーの様な作りにも感じるのだが。何となくロードムービーとも言い難い雰囲気がある。
その為に、映画が何を訴えかけているのか…をなかなか理解出来ずにいた。
すると突然、画面にはナデルが探していたイランのラッパーが現れる。
彼は言う。「俺はここを離れない!」…と。
その後、このラッパーの歌声と共に。PVの様な映像が画面から流れて来る。
すると、その映像の背景で。ラッパーと同時に映るのは、イランに於ける貧困であり。朽ち果てた残骸の映像だ!
それまでにも、様々なジャンルのミュージシャンが登場しては、PVらしき映像が画面には映ってはいた。
但し、それらのミュージシャンには。主人公が歌うバンドのメンバー募集とゆう理由があった。
このラッパーが登場する辺りから、何となく映画の方向性がはっきりと。彼等ミュージシャンを通してのイランの現状を訴えかけている様にも受け取れる。
何をするにも〝許可〟〝許可〟〝許可〟が必要なイランの現実。
コンサートを開くには何故だか女3人が必要…とか。犬を外に連れて行くには許可が必要…等。
全ては当局の監視の元に、がんじがらめになっている現状に抗議している様に感じられた。
特にナデルが当局に対して、口八丁手八丁で泣き付く場面は。思わずゲラゲラと笑ってしまう事間違いなし。
そして映画はラストへ。
『亀も空を飛ぶ』のラストには、思わず脳天をバットで殴られたかの様なしょかを受けたが。今回はシンプル且つ単純でありながらも。やはり観ていて鬱に陥ってしまうが如くの締め方で、軽い衝撃を受けた。
全編で、当局からの許可を得ずのゲリラ撮影を敢行…との事でしたが。ワンカットだけだが、パトカーの内部からのショットがあった事実から考えると、多少は眉唾物かな?…と言ったところ。
勿論、全部ではないでしょうけど。
2010年8月27日 ユーロスペース/シアター1