ベスト・オブ・タイムズ

劇場公開日:

ベスト・オブ・タイムズ

解説

日本でも大ヒットを記録したタイ映画「アタック・ナンバーハーフ」のヨンユット・トンコントーン監督によるラブストーリー。初恋相手である友人の元妻に想いを寄せ続ける獣医師の青年と、彼の気持ちに気づかないまま元夫への未練を残す女性。高齢者向けのパソコン教室で知り合った農場主と未亡人の熟年カップル。世代の違う2組の男女が織りなす淡く切ない恋の行方を優しいまなざしで描く。

2009年製作/タイ
原題または英題:Kwamjum Sun, Tae Rak Chan Yao
劇場公開日:2009年10月19日

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(C)2009 GMM Tai Hub Co., Ltd.

映画レビュー

4.5ポジティブサプライズ!まさかココまで面白いとは!!

2009年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

知的

東京国際映画祭“アジアの風”部門

『アタック・ナンバーハーフ』のヨンユット監督。
しかし、会場に着くまで、そんなことは知らず、
しかも、同作を鑑賞もしていない(苦笑)

今回3本鑑賞してきたのですが、選んだ基準。
ズバリ!直感です!!リーフレットに掲載されている
小さな写真を見て、短いあらすじを読んで、なんか面白そうだな、と
半分はずれ覚悟で観に行ったところ、今作含め、3本とも大当たりだった(笑顔)

ちなみに、残り2作は、、
①ヤンヤン(台湾映画)
②夜と霧(香港映画)

棚から牡丹餅とは、こういうことを言うのでしょうネ。

☆彡     ☆彡

いやぁ、とても温かい作品だった
やるなぁ、『チョコレート・ファイター』といいタイ映画!!

こちらも客電点灯後、
拍手をしてやろうと決めていたら、
劇場から拍手が起こり、それに乗っかって拍手をしちゃいました。

そして、わたしが拍手しているとき、見慣れぬ光景が。
なんと、お客様が席を立ち、一斉に、前列へ大移動開始。

なになに?と後方で置いてきぼりをくらいキョトンとしていたのですが、
どうやら、上映終了後にティーチインがある場合、質問をしやすいように、
前に移動するのが当たり前のようなのです。みなさんのあまりに小慣れた行動に、
新参者の私は、まったくついて行くことができませんでした(泣)

◇   ◇

《 志 》
《 記憶 》
《 忘れる 》
《 胸キュン 》

〈 木も頑張ったのに、人間が頑張れなくてどうする 〉
〈 忘れたいことを覚えている。覚えていたいことを忘れてしまっている 〉

若い人、御高齢者、二組のカップルが軸になり話しは展開されます。

脚本、監督が募集をし、3名の女性でチームをつくり作成された。
監督が映画学校で講師を務める生徒が作った、高齢者カップルの短編が製作のキッカケになったそうです。

とても感心をしたのは、
若いカップルと高齢者カップルのキャラクター対比。

フットワークの軽さを逆転させているんです。
若いカップルのほうが、もうっ!てじれったくなるとき多い。
高齢者カップル、両者とも超積極的で、どっちが若いのかわからない。

上映後の感想でも、御高齢の人たちがマイクを手にとり、
「会社を休んで観にきてよかった。とても勇気づけられた」など、
前向きな言葉がならび、みなさん、ただ感動しているだけでなく、
興奮状態にまで、テンションが上がっている様子が見て取れました。
なんか、わたしの感動っぷりなんて、ここでも子供あつかいのようでした。

先に、作品のキーワード、心に残ったセリフを記しましたが、
勇気づけられるよりも、心の洗濯をして、浄化して、温めてくれた。

わたしには、そちらの、思いのほうが強かったです。おそらく、人生経験の差、
年齢の差も、あるのでしょうが、主要4名の生き様よりも、映像に表れる海や、
木々の自然美であったり、太陽と雲が織りなす芸術的な色合いであったり、タイミングの良い
あめの使い方であったり、その生き様をより際立たせる演出のほうに対する感動が大きかったです。

でも、みなさんの感想に異存はありません。
高齢者の人が観られたら絶対に勇気づけられるに違いありません。
東京国際映画祭まで待たずに、9月21日敬老の日が入るシルバーウィークに
公開しちゃえばよかったのに、なんて思ったのは、私だけではないはずです(笑顔)

☆彡     ☆彡

上映終了後、次の作品まで1時間空いてしまい、
映画館の外にある石垣にボーっと座っていたらサプライズが。

なんと、先ほどまでティーチインをしてくれていた、
ヨンユット監督が、皆さんにサインをしてあげている。

わたし、最初はそんな光景をイイなぁ・・・、
なんてモジモジしていたのですが、
断られてもイイヤとエイッとアタック。

小生「サ、サイン、プリーズ(超緊張・超片言・超棒読み・超顔面引きつる)」
監督「OK、OK!」と、満面の笑顔で赤ペンであったにもかかわらず、しかも
色紙がなかったので、失礼にも映画の半券を出したのですが、スラスラと書いてくれました。
さらに、ぎこちなく手を差し出したところ、握手までしてくれて。温かくて柔らかい掌でした。

そして、監督は、マネージャーも付き人もいないまま、
一人で、颯爽と日中の六本木の街中へと消えて行かれました。カッコよかった。男の背中だった。

思わぬサプライズつきでしたが、
作品も期待以上の内容の良さで、こちらが一番のサプライズでした。

大規模な公開は難しいでしょうが、
是非単館ではなく、せめて中規模クラスで日本でも公開をしてください。お願いします!!

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septaka