バグダッド・カフェ 4Kレストア版のレビュー・感想・評価
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砂漠のオアシス
クールなテーマ曲や画面とは対照的に、主人公のキャラが純朴でほっこりできる物語。
広大なモハヴェ砂漠の中にある打ち捨てられたようなガソリンスタンド兼モーテル兼カフェに、ドイツからロサンゼルスに行く旅の途中の車で運転する夫と口喧嘩になりはぐれてしまった主人公の一人、ジャスミンが逗留することから話が始まる。
同じ頃、喧嘩の末に夫が出て行ってしまい一人で店を切り盛りするブレンダは常に疲れてイライラしており、みんなを笑顔にしようと色々と立ち働くジャスミンのことも怪しんで激しく責める。けれど、そんな彼女に同情しているジャスミンは穏やかに自分の気持ちを告げ、二人は家族同様のバディになり、ブレンダも店も一変する。
どんなひどい場所だってジャスミンのような人がいれば砂漠のオアシスになる。そんな感じの映画ラストの二人のショータイムも良かった。
時代感
この出会いはまさしく「コーリング ユー」
*最後に2024.12.24の2回目鑑賞の感想を追記してます。
随分以前にレンタルで観ているはずだけど
あの怒りん坊のカフェの奥さんのことはざっくり忘れてました。(笑)
なんせ主人公のドイツ人のおばさんの印象が強くて
どうしてもそっちへ目が行きますが改めて観直して、
ああこの二人の映画だったんだ!感じました。
特に悲惨なことも衝撃的な事も無いのだけど
人生はふとした事でいかようにも転がってゆく。
その展開が可笑しくも奥深い〜
テーマ曲の「コーリング ユー」のように
出会いや幸運は呼ばなきゃダメ!なのかも〜〜
生き方をほんのちょっとだけ変えてみたい人や
平凡な日常からちょっとだけ違うものが観たい人にお勧めです。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
途中の展開からまるで「風水かい!」と
突っ込みたくなるように話は進むのだけど
人生や生き方も時には掃除と片付けが大事なんだろうな〜
主人公のドイツ人のおばさんは周りを少しづつ変えていくけど
おばさん自身もちょっとづつ変わっていく。
そのちょっとづつの表現が良い。
ちょっとづつが重なっていくことで
こんなに全部が変わるんだ!!そこがステキ!
これならもしかしたら私にも何かが訪れるかも?みたいな〜
怒りん坊奥さんにカフェを追い出される超ダメダメ亭主が
時々、遠くからカフェを眺めて
「おおブレンダ!」と呟くシーンが
何度かインサートされているのだけど
それがだんだん滑稽になってくる。(笑)
物を使った細かい振りも多いのでそこを見逃さずに
じっくり観てください。
じっくり観れば観るほど可笑しみと親しみの持てる
良い映画だと思いますよ。
★また観るなら?「三年後くらいにまた映画館で」
(自分がどう変わったを重ねながら〜)
1回目劇場鑑賞 2018・2・15 午前10時の映画祭で鑑賞。
2回目の劇場鑑賞の感想。
「コーリング・ユー」と言うバラード調のテーマ曲が
ちょっと不思議なメロディーラインなのでそこから、
なんか辛気臭い映画だと思ってる人がいたら勿体無いな〜と
今回に鑑賞で思いました。
この映画、めっちゃコメディーですから!!
映画の中盤にどこからともなくやってきたバックパッカーの青年が
バクダットカフェの敷地にテントを張って住み着いちゃうんです。
で、その彼が、ブーメランをなん度も投げるんです。
主人公のドイツ女性とか、怒り坊奥さんの娘で
ちょっと遊び人の娘にブーメランの投げ方を教えてくれるんです。
ブーメランって自分のところに帰ってくる。
誰かに投げた心がそのまま帰ってくる象徴ですよね。
こんな生き方が出来たら良いなあ〜とちょっと泣けてきました。
国籍も年齢も人種も関係なく皆で生きゆく姿が
年末の今こそ、改めて尊い!!(涙)
ぜひ、劇場でご覧ください。
人恋ふる時
不具合のオンパレードから始まる。
斜めの画面。色味が自然ではなく、加工された映像。
ぎすぎすした喧嘩。
取り残された(見切りをつけた)女。
コーヒーマシンが壊れたカフェ。
客を追い出そうとするモーテル。
がらくたと埃。
濃いコーヒーと薄いコーヒー。
顔も観たくない男の荷物と完璧にセットされた髪型。
なぜか、正装して掃除をする女性。
他にも、他にも。
なぜ?この組み合わせ?
監督の隠されたメッセージを探してしまう。
この版は、監督が「最初に編集した『ファースト・ディレクターズ・カット』と呼ぶべきもの」で、「全てのカットの色と構図(トリミング)を新たに調整した」ものだそうだ(監督へのインタビュー記事から)。
主題歌が流れる時、胸の奥が痛くなり、涙が流れそうになる。
心の底から絞り出すように叫んでいるようで。
「ほう」と、ため息にも似た息を吐きたくなる。
(人生の)砂漠に一人残されたような、そんな気分に襲われる。
心がかき乱される。
断捨離って大事なのね。
ジャスミンは初めは気難しい夫人だったのに、間違えて夫のトランクを持ってきてしまったこと、それを受け入れざるをえないところから変わっていく。ガチガチのスーツから段々とラフな服装に変わっていくところとジャスミンの心の変化がうまく饗応していく。
ブレンダはかってにジャスミンに掃除され…。
人生の中で遊ぶことを覚えたジャスミン、そんな彼女に巻き込まれていくブレンダ…この辺の描写・演出が小気味よい。
ラストのジャスミンの選択が粋。その顔の少女のように煌めいていたこと。
夫に苦労させられた女だもの。肌を見せても良いと思った人からのプロポーズは嬉しいけれど、やはり、そこは、一番信頼した人に相談してからだよね。結婚だけが幸せのゴールと言う若い世代ではないし。
元々の原題は『Out of Rosenheim』薔薇の家の外。”薔薇の家”って、乙女が描く”理想の家”ってこと?そう、乙女が描く結婚に幻滅した二人の女性の物語だもの。
いつの間にか、そこが心のオアシスになる。”家庭”ではない関係。
不思議なマジック。
小気味の良い映画です。
なのだけれど、切ない主題歌。人とのつながり・人との絆。その人が必要とする程よい距離。
そんなことを心の奥からえぐり出し、再確認できる映画です。
≪2025.2.19≫
監督は女性だと思っていた。
男性なのね。よくぞ、ここまで、女性の気持ちを理解して…と唸ってしまう。
生きる歓びを知る旅
オリジナル(アメリカ版)、完全版(ヨーロッパ版)、そして今回のニューディレクターズカットで三回目の上映ですね。
完全版は見逃していたので、今回はどうしても観たかったんですよこれが。
で、やっぱり素晴しい。
今回トリミングなどもいじってるらしく、独特な鮮やかな色調がさらにビビットな感じになってました。
自分も最初に観たのが20年前位(2020年現在からは30年前)なので記憶が曖昧ですが、赤の色調がより前に出ていたように感じました。
観たらわかるのですが、本当に他の作品には見られない、独特な美しい色調を映し出しています。
そして久しぶりに聞いた「Calling you」は本当に素晴しい。
きっと誰もが一度は(数あるカバーも含めて)耳にした事があると思います。
また、歌の入れ方が本当にうまい。
このOPのタイミングは「カリ城」と同じくらい大好きです。
小さな街での心の触れ合いと、生きる歓びを知る旅。
観賞後、素敵な旅行をしたような気持ちになれる、とても大好きな作品です。
心のオアシス
今また、観るべき
この寓話のような世界観、多くのファンがいる作品だと思う。
改めて観て、おそらく、今また観るべき映画なのではないかと思った。
二つの光の片方は映った光だ。
ブーメランは、戻ってくる。
この象徴的なものは、調和のあるところには、調和が生まれ、それはまた調和となって戻ってくることを示唆しているのだと思った。
求めていたからこそ、
ヤスミンは戻ってきたではないか。
不毛にしか見えない砂漠のハズレのバグダッドカフェに、またオアシスのような活況をもたらす。
そして、ヤスミンにも…幸せのオファーが。
なにか、人が人として生きていくために大切なことを語りかけているようだ。
それは、時にヤスミンが始めた、マジックのようにパッと訪れる。
ただ、本当は、もともと人が持ち合わせてる人の優しさとか、調和を大切にしようとする気持ちとか、なにか、そんなものではないかと思うのだ。
また、この混沌とした世界で、今また観て欲しい映画だ。
また会いたいなと思うが、会う約束はしない
2度目の鑑賞。
覚えていたのは、タンクを掃除するおばさん、おばさんの乳首、どこからか覗き見する旦那、そしてもちろんコーリンユー くらいだったが、まあ、そんな映画だ。
あらすじを言葉にすると「ほっこりするいい話」なんだろうけど、見ていて沸き起こる感情としては「ほっこりは二の次」。ほっこりがテーマになるには、人物の内面や状況の説明が間違いなく足りない。
昔の映画でよく使われた、登場人物が音楽に乗せて会話するシーン。人物同士の言葉は観客には聞こえない。あれは、観客がすでに知っている事柄について、人物同士が共有したことを短時間で示すためのテクニックだが、この映画ではまるで逆に使われている。観客は知らない。登場人物だけがわかり合っているのだ。
砂漠の乾いた風に似た、このカラッカラの映画の雰囲気が私はとても好きだ。登場人物たちの過去や込み入った事情には興味がない。ただ映画を見ているその間だけ、心地いい時をともに過ごせる。また会いたいなと思うが、連絡先を聞いたり会う約束をしたりはしない。そんな、カフェで相席になった人のような。
幸せな気分になれる
序盤のクセがすごい。ジャスミンがヒッピーに囲まれたドラム缶風呂から出てくるシーン、あれマジでなんなん(笑)
ブレンダのカリカリした行動・表情が、徐々に柔らかくなっていくのが本当によくわかる。ジャスミンの不思議な魅力がよく伝わる。コックスの絵は、ジャスミンをマリア像みたいに描いてたけど、うん、そう見えるのがわかる気がする。体型のせいもあるのか?笑
殺伐としてたバグダッド・カフェが、ジャスミンが加わることでイキイキしだす。この移り変わりが、なんとも見てて幸せな気分になる。
ラストのマジックショー、ブレンダの歌唱力に驚愕。めちゃくちゃ上手いやん。このマジックショーに、カタルシスが詰め込まれてる。
好き嫌いは別れる映画なのは間違いないけど、俺は好きだな。
あ、でもラストの謎のプロポーズシーン、あれは要らないんじゃないかな〜(笑)
登場人物がどんどん好きになる
・アメリカ西部の砂漠のど真ん中にあるカフェ兼モーテル兼ガススタンドにたどり着いた巨体のドイツ女性ジャスミンと女主人のブレンダの友情物語
・黄色が挿し色で画面色彩が独特
・寂れた共同体に現れたひとりの女性によって活気を取り戻す構図に伊丹十三作品に似た香りを感じた
・主題歌の「コーリング・ユー」がなんとも言えない異国情緒をだしてた
・女主人の家族やトレーラーに住む画家のじいちゃん、旅人のブーメラン兄ちゃん、「仲良すぎるわ」と言って出ていく薄着の美女など癖のある人々
やはりキャストと音楽いいな
なぜ今まで観なかったのか。
この出会いはまさしく「コーリング ユー」
随分以前にレンタルで観ているはずだけど
あの怒りん坊のカフェの奥さんのことはざっくり忘れてました。(笑)
なんせ主人公のドイツ人のおばさんの印象が強くて
どうしてもそっちへ目が行きますが改めて観直して、
ああこの二人の映画だったんだ!感じました。
特に悲惨なことも衝撃的な事も無いのだけど
人生はふとした事でいかようにも転がってゆく。
その展開が可笑しくも奥深い〜
テーマ曲の「コーリング ユー」のように
出会いや幸運は呼ばなきゃダメ!なのかも〜〜
生き方をほんのちょっとだけ変えてみたい人や
平凡な日常からちょっとだけ違うものが観たい人にお勧めです。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
途中の展開からまるで「風水かい!」と
突っ込みたくなるように話は進むのだけど
人生や生き方も時には掃除と片付けが大事なんだろうな〜
主人公のドイツ人のおばさんは周りを少しづつ変えていくけど
おばさん自身もちょっとづつ変わっていく。
そのちょっとづつの表現が良い。
ちょっとづつが重なっていくことで
こんなに全部が変わるんだ!!そこがステキ!
これならもしかしたら私にも何かが訪れるかも?みたいな〜
怒りん坊奥さんにカフェを追い出される超ダメダメ亭主が
時々、遠くからカフェを眺めて
「おおブレンダ!」と呟くシーンが
何度かインサートされているのだけど
それがだんだん滑稽になってくる。(笑)
物を使った細かい振りも多いのでそこを見逃さずに
じっくり観てください。
じっくり観れば観るほど可笑しみと親しみの持てる
良い映画だと思いますよ。
★また観るなら?「三年後くらいにまた映画館で」
(自分がどう変わったを重ねながら〜)
後から後からジワジワと…
全128件中、81~100件目を表示