バグダッド・カフェ 4Kレストア版のレビュー・感想・評価
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砂漠のオアシス
癒し
Jasmin’s Magic
オリジナル版は昔観ていたがテーマ曲のCalling You以外は記憶の彼方だから殆ど初見に近い。
バグダッドといえばイラクの首都の方が有名だが映画のバグダッドはカリフォルニア州ニューベリースプリング、ルート66沿いに昔、実在した街のことです。
主人公はデブのドイツ人のおばさん、ヤスミン、旅行中に夫婦喧嘩でハイウェイに取り残されてしまった。行くあても無く街道沿いのガソリンスタンド兼カフェ兼モーテルのバグダッド・カフェに居ついてしまう。カフェの女主人ブレンダは多忙の為か常にヒステリー状態、夫も追い出されるところはヤスミンの境遇と似ていなくもない。ドイツの主婦は勤勉で綺麗好きが多いと聞くがヤスミンもまたしかり、最初は迷惑がっていたブレンダだがヤスミンの優しく健気な人柄に惹かれてゆく。
なんと唐突なのだがヤスミンは手品の名手、店で披露していたら評判となり店は大盛況、いまでは欠かせない存在になるが・・・。
出てくる人は善人ばかりだが個性豊か、劇中歌で「人生をローギアに入れてトラジック(悲劇)とはお別れ、マジックが世界を救う~♪」と唄うがまさにローギアでのんびり生きることがテーマのようなほのぼのとした名作でした。
期待して見ない。B級映画と思ってみた方が。
2回目は疑問点を確認しながら見た
▪️ジャスミンの 旦那に嫌気が差した理由を探した結果
・粗雑な運転や動作 ・空き缶ぶん投げる
・用足し後 建物をガーンと蹴る 無意味な乱暴な行動
・ジャスミンに泡が飛ぶようわざと缶を開ける 子供じみた行動 (ジャスミンもイラッとしてビンタする)
・誤発進なのか車をバックしてぶつけた しかも三回も(コント⁈ ) コレが限界の最後のトリガーだったっぽい
・タバコが許せん
・黄色ポット置いていったのはせめてものジャスミンの為なのか?それともジャスミンのポットで こんなものいらねぇ だったのか?
▪️二つの光
旦那のもとから去り 道を歩き出した時に空に光が二つあった。(2回目で気づいた) ジャスミンの部屋の絵に描いてあったやつ。コックス曰く 太陽が宇宙エネルギーの鏡に反射しているとの事。
二つの光の間にジャスミンが立ってる描写が幾度か印象的な効果音と一緒にサブリミナル的なカットで出てくる。ビジョン。後にジャスミンは二つの光のタトゥーを入れる。この光に何かを感じたのだろうか。何を表しているのか? 自分はどう反射しているか?「私のビジョンね」とは?
▪️空き缶片付け
ジャスミンもブレンダも イライラして最悪な気分の時なのに 散らばった空き缶を片付ける。そこに何となく女性の役割的な、片付けなければならないという事が染み付いている虚しさ?悲しさ?しんどさ?とにかく言い表せない感情を覚えた。
▪️ブレンダの気持ち解る...
不甲斐ない旦那、自分の好きな事だけして遊びの金をせびる娘、赤児の面倒もみずに息子が弾くピアノの音も騒音に聞こえる。
子供達の手伝いもない。自分だけが働く。洗濯物も赤児の面倒を見ながら。旦那が拾ってきた黄色ポットすら絶対排除したいほどガミガミ怒鳴るのは易怒性の精神疾患になる程に悪い状況が続いてるのが原因だと思った。無理もない わかる
▪️ジャスミン
受け入れてもらえない時期のひとりぼっち感
カフェに入るも皆んなが「よそものが来た」という雰囲気になり。部屋に戻りひとりで 旦那の荷物の中にあったマジックグッズをいじる他なく。この時ジャスミン泣いてた( ; ; )わかるよ...
だけどコックスさんは話しかけてくれたし、保安官が職質に来た時も背後から葉っぱ持って手を振って挨拶してくれて思わずジャスミンが笑顔になったから良かった。
旦那と一緒の時ではわからなかったけど、赤児やフィリスへの応対がとても愛情深くて。
買い出しメモ書きや掃除や子守りはブレンダがいっぱいいっぱいだったのを手伝ってあげようとしてたんだなぁと思った。
掃除=生活。ここで暮らそうという。
きっちりセットしたヘアースタイルが徐々にほどかれていく。観光客から住人へ。
心の様子の表現。
ブーメランが飛ぶシーンごとに。
物流交通が過ぎるシーンのたびに。
人物との交流も少しずつ進む。
▪️カヘンガ
「ブレンダさん そんなんじゃダメですよ」 という見守り人でもあったと思う。遠くから双眼鏡で見てた謎の旦那も。
▪️コックス
コックス目線のジャスミンはキラキラ輝いててスローモーションだった。本当の恋だと思う。絵は、本当にアーティストとしてなのか スケベ心が若干あったのかは私には解らない。
ジャスミンがサロモのピアノに聴き入ってる時、椅子ごとだんだん近づいて行った後で、跪き手を差し出し プロポーズの仕草のような動きが。恋心が愛情にまで進んだビジョンが浮かんだのか。プロポーズのセリフが事務的に見えるのは ジャスミンにはその気持ちは無かったら...など 相思相愛の確信が持てずに、自信持ってハッキリとうまく言えない感じなのかな?と思った。
絵が進むたびに、カフェが賑わっていくたびにジャスミンが変わっていく。服装も。絵の構図の大胆さも。正直その辺でとどまって欲しいと思ったところで保安官再登場。(初見、マジックで客の持ち物をスリして、そこまで悪どく変わってしまったのかと思った...スリの噂が保安官の耳に入り逮捕に来たのかと思ったけど違った...)
ジャスミンが帰ってしまった後の喪失感が物凄い。
黒電話が鳴る。もしもし?どこからかけてるの⁈ (ガチャガチャガチャ!) ローゼンハイムからだわ...
ブレンダさん 自分で電話切りましたよね
▪️デビー
無関心を装うも鏡越しでジャスミンを見ている
仲がよすぎるわ、と出て行く 謎
▪️異文化への描写
・ブレンダの初見に人喰い的なカットが入る(ドラム缶で煮られるジャスミン)偏見
・手の中は白いのね
・カフェ客の財布を「日本製ね」と小馬鹿にする。当時の日本製の位置付けはどんな感じ?
ミュージカル調のマジックショーは少し異質に感じてしまう。静かに進んでいた雰囲気がガラッと派手に。
見た後 不思議な気分になる
静かに見たい良い映画
凄くありきたりの話なんだけど、なんでこの映画好きなのか?忘れていた...
タイトルなし(ネタバレ)
今でもTSUTAYAなどで「映画通が選ぶ100本」に選出されるほどの名画らしいし、名作!最高!と本作をあげる人も多いらしいけど私は何が起きたんかよく分からんかった
いや、なんも起きてないんか
自分の視野が足りてないんだど鑑賞後、
色々なレビューを見たり評論を検索したけど
おぉ!なるほど!とは納得出来ず、
最後のブレンダに相談のセリフも何の意味が込められてるのか…
全部ひっくるめてよく分からん
タイトルなし(ネタバレ)
パッケージや序盤の雰囲気から勝手にシリアスな作品だと思っていたので、中盤以降の展開はかなり驚いた。こんなに癒される作品だとは思わなかった。
ブレンダのキャラクターが最初はなかなかキツかったけど、終盤は作品に良い味をもたらしていた。モーテルに住む家族達が徐々にジャスミンへ心を開く様が自然と笑顔を誘われた。
ジャスミンのマジックがあのオモチャのようなもので身につけたのだとしたら、怖いレベル。プロ顔負けの腕前だったので元々上手いと思いたい。
主題歌のCalling youが多くの場面でかかるので耳に残った。終盤の展開には少し切なさを強く感じる曲でマッチしていなかった気もする。途中弾かれたバッハがピッタリだったこともある。もちろん序盤にかかった時は作風に合っていた。
「ブレンダに相談してみるわ」の意味
結婚すればグリーンカードを持たなくてもずっとバグダッドカフェにいられるよ、というプロポーズらしき言葉。
好きだ!結婚しよう!みたいな単純明快な言葉じゃない、まわりくどいプロポーズ。
それに対するジャスミンの答えが「ブレンダに相談してみるわ」。
バグダッドカフェの主人であるブレンダにここでずっと働いてもいいか確認してみるね。
みたいな意味合いの返し?
偽装結婚の合意形成みたいな会話の下に流れる、2人にしか分からない暗号みたいな愛情のやり取りを表現してるのかな。
私はそんなふうに読み取りました。
このシーンは人によって全然解釈が違いそうなので、興味深いです。
砂漠のオアシス
クールなテーマ曲や画面とは対照的に、主人公のキャラが純朴でほっこりできる物語。
広大なモハヴェ砂漠の中にある打ち捨てられたようなガソリンスタンド兼モーテル兼カフェに、ドイツからロサンゼルスに行く旅の途中の車で運転する夫と口喧嘩になりはぐれてしまった主人公の一人、ジャスミンが逗留することから話が始まる。
同じ頃、喧嘩の末に夫が出て行ってしまい一人で店を切り盛りするブレンダは常に疲れてイライラしており、みんなを笑顔にしようと色々と立ち働くジャスミンのことも怪しんで激しく責める。けれど、そんな彼女に同情しているジャスミンは穏やかに自分の気持ちを告げ、二人は家族同様のバディになり、ブレンダも店も一変する。
どんなひどい場所だってジャスミンのような人がいれば砂漠のオアシスになる。そんな感じの映画ラストの二人のショータイムも良かった。
時代感
この出会いはまさしく「コーリング ユー」
*最後に2024.12.24の2回目鑑賞の感想を追記してます。
随分以前にレンタルで観ているはずだけど
あの怒りん坊のカフェの奥さんのことはざっくり忘れてました。(笑)
なんせ主人公のドイツ人のおばさんの印象が強くて
どうしてもそっちへ目が行きますが改めて観直して、
ああこの二人の映画だったんだ!感じました。
特に悲惨なことも衝撃的な事も無いのだけど
人生はふとした事でいかようにも転がってゆく。
その展開が可笑しくも奥深い〜
テーマ曲の「コーリング ユー」のように
出会いや幸運は呼ばなきゃダメ!なのかも〜〜
生き方をほんのちょっとだけ変えてみたい人や
平凡な日常からちょっとだけ違うものが観たい人にお勧めです。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
途中の展開からまるで「風水かい!」と
突っ込みたくなるように話は進むのだけど
人生や生き方も時には掃除と片付けが大事なんだろうな〜
主人公のドイツ人のおばさんは周りを少しづつ変えていくけど
おばさん自身もちょっとづつ変わっていく。
そのちょっとづつの表現が良い。
ちょっとづつが重なっていくことで
こんなに全部が変わるんだ!!そこがステキ!
これならもしかしたら私にも何かが訪れるかも?みたいな〜
怒りん坊奥さんにカフェを追い出される超ダメダメ亭主が
時々、遠くからカフェを眺めて
「おおブレンダ!」と呟くシーンが
何度かインサートされているのだけど
それがだんだん滑稽になってくる。(笑)
物を使った細かい振りも多いのでそこを見逃さずに
じっくり観てください。
じっくり観れば観るほど可笑しみと親しみの持てる
良い映画だと思いますよ。
★また観るなら?「三年後くらいにまた映画館で」
(自分がどう変わったを重ねながら〜)
1回目劇場鑑賞 2018・2・15 午前10時の映画祭で鑑賞。
2回目の劇場鑑賞の感想。
「コーリング・ユー」と言うバラード調のテーマ曲が
ちょっと不思議なメロディーラインなのでそこから、
なんか辛気臭い映画だと思ってる人がいたら勿体無いな〜と
今回に鑑賞で思いました。
この映画、めっちゃコメディーですから!!
映画の中盤にどこからともなくやってきたバックパッカーの青年が
バクダットカフェの敷地にテントを張って住み着いちゃうんです。
で、その彼が、ブーメランをなん度も投げるんです。
主人公のドイツ女性とか、怒り坊奥さんの娘で
ちょっと遊び人の娘にブーメランの投げ方を教えてくれるんです。
ブーメランって自分のところに帰ってくる。
誰かに投げた心がそのまま帰ってくる象徴ですよね。
こんな生き方が出来たら良いなあ〜とちょっと泣けてきました。
国籍も年齢も人種も関係なく皆で生きゆく姿が
年末の今こそ、改めて尊い!!(涙)
ぜひ、劇場でご覧ください。
人恋ふる時
不具合のオンパレードから始まる。
斜めの画面。色味が自然ではなく、加工された映像。
ぎすぎすした喧嘩。
取り残された(見切りをつけた)女。
コーヒーマシンが壊れたカフェ。
客を追い出そうとするモーテル。
がらくたと埃。
濃いコーヒーと薄いコーヒー。
顔も観たくない男の荷物と完璧にセットされた髪型。
なぜか、正装して掃除をする女性。
他にも、他にも。
なぜ?この組み合わせ?
監督の隠されたメッセージを探してしまう。
この版は、監督が「最初に編集した『ファースト・ディレクターズ・カット』と呼ぶべきもの」で、「全てのカットの色と構図(トリミング)を新たに調整した」ものだそうだ(監督へのインタビュー記事から)。
主題歌が流れる時、胸の奥が痛くなり、涙が流れそうになる。
心の底から絞り出すように叫んでいるようで。
「ほう」と、ため息にも似た息を吐きたくなる。
(人生の)砂漠に一人残されたような、そんな気分に襲われる。
心がかき乱される。
断捨離って大事なのね。
ジャスミンは初めは気難しい夫人だったのに、間違えて夫のトランクを持ってきてしまったこと、それを受け入れざるをえないところから変わっていく。ガチガチのスーツから段々とラフな服装に変わっていくところとジャスミンの心の変化がうまく饗応していく。
ブレンダはかってにジャスミンに掃除され…。
人生の中で遊ぶことを覚えたジャスミン、そんな彼女に巻き込まれていくブレンダ…この辺の描写・演出が小気味よい。
ラストのジャスミンの選択が粋。その顔の少女のように煌めいていたこと。
夫に苦労させられた女だもの。肌を見せても良いと思った人からのプロポーズは嬉しいけれど、やはり、そこは、一番信頼した人に相談してからだよね。結婚だけが幸せのゴールと言う若い世代ではないし。
元々の原題は『Out of Rosenheim』薔薇の家の外。”薔薇の家”って、乙女が描く”理想の家”ってこと?そう、乙女が描く結婚に幻滅した二人の女性の物語だもの。
いつの間にか、そこが心のオアシスになる。”家庭”ではない関係。
不思議なマジック。
小気味の良い映画です。
なのだけれど、切ない主題歌。人とのつながり・人との絆。その人が必要とする程よい距離。
そんなことを心の奥からえぐり出し、再確認できる映画です。
≪2025.2.19≫
監督は女性だと思っていた。
男性なのね。よくぞ、ここまで、女性の気持ちを理解して…と唸ってしまう。
生きる歓びを知る旅
オリジナル(アメリカ版)、完全版(ヨーロッパ版)、そして今回のニューディレクターズカットで三回目の上映ですね。
完全版は見逃していたので、今回はどうしても観たかったんですよこれが。
で、やっぱり素晴しい。
今回トリミングなどもいじってるらしく、独特な鮮やかな色調がさらにビビットな感じになってました。
自分も最初に観たのが20年前位(2020年現在からは30年前)なので記憶が曖昧ですが、赤の色調がより前に出ていたように感じました。
観たらわかるのですが、本当に他の作品には見られない、独特な美しい色調を映し出しています。
そして久しぶりに聞いた「Calling you」は本当に素晴しい。
きっと誰もが一度は(数あるカバーも含めて)耳にした事があると思います。
また、歌の入れ方が本当にうまい。
このOPのタイミングは「カリ城」と同じくらい大好きです。
小さな街での心の触れ合いと、生きる歓びを知る旅。
観賞後、素敵な旅行をしたような気持ちになれる、とても大好きな作品です。
心のオアシス
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