劇場公開日 2024年12月13日

「♪ 珠玉の名作・名曲がココによみがえる ♪」バグダッド・カフェ 4Kレストア版 septakaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0♪ 珠玉の名作・名曲がココによみがえる ♪

2009年12月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

予告編で耳にした
主題歌「コーリング・ユー」。

映画を観ていないのに
曲とフレーズを聞いた覚えが。

この映画の主題歌だったんですね!

新作はバンバン観ているくせに、
旧作に弱点を持つ小生の弱みが出てしまいました。

映画好きとしては、
旧名作を観ていくのが今後のテーマですね。

劇場は小生の同年代から
やや上の世代までで半分ほどの入り。

早めに着いたので前の回で出てくる人の表情、
声に注意していたのですが、特に女性の表情が明るい。
さらに、受付前にはパンフを求める列ができていました。
当館で、こんな列ができるのは非常に珍しいできごとです。

うれしい予兆に期待を膨らませ上映開始を待ちました
(開始時に映写機にトラブルが起きましたが迅速な対応で大丈夫でした)。

☆彡     ☆彡

そりゃ、みんな笑顔で出てくるよな
ラスト、クライマックスなんて劇中の
カフェのお客さんと一緒に手拍子しちゃいましたもん!
もちろん、他のお客様に迷惑にならないようちっちゃくですけど(苦笑)

序盤は
カフェオーナーのブレンダの行動に
イライラさせられっぱなしでしたが、
終盤は対照的にブレンダとジャスミンの行動に
笑顔で気持ちもリズムもノリノリで、まるで、
本当に自分もバグダッドカフェにいるみたいな
気分で楽しませてもらいました。そのシーンの
雰囲気は『ヘアスプレー』に、少し似ていました。

“終りよければすべてよし”

とは、上手くいったもんで、
中盤から終盤にかけて、劇場に笑い声が
わき上がるシーンも増え、これならみなさん、
後味爽快で気分良く、映画館をあとにすることが出来たでしょう(笑顔)

◇   ◇

《 音楽 》
《 色彩 》
《 ブーメラン 》
〈 「どうして出て行くの?家族同然じゃない」「仲が良すぎるの」 〉

「コーリング・ユー」
やはりこの楽曲抜きには語れません。
オープニング、エンディング、そして
作中でも、実にタイミングよく哀愁漂う
メロディーが映画館を満たしてくれます。

なんなんですかね。
この曲を聴くとうっとりさせられてしまうんですよね。

しかも、色彩。
今回、ディレクターズ・カット版を作るにあたり
オリジナル版とは変えたそうですが、こちらもさらに
うっとり感を倍増させるほど艶やかなんです。心に残ったのは、
合間合間に挿入される全景を引き気味に映した、少し濃い目のピンク色。

ピンク来い!はやくピンク来い!!

身構えて待ち構えている自分がいました(苦笑)

場面もワンカット、ワンカットが非常に美しく芸術的で
あるシーンだけを写真にしてポストカードにしてみたり、
あるシーンを集めて写真集にして出版できるのではないか。そう思わされるほどの美しさ。

“見惚れてしまう”

美しい女性に対してだけかと思っていましたが、
まさか、映画のシーンに対し、そのような感覚が
呼び覚まされるなんて、まったく想像もしていませんでした。

先に記したピンク色だけでなく、
ただブーメランが飛んでいるだけ。
文章にすると、たったの一行なのに
ブーメラン一個だけで、実に様々な表現方法が
あるのだと、改めて映画の奥深さに、気づかされました。

スクリーン表面上では
ヒッチハイカー、ブレンダの娘、ジャスミンが
親交を深めているだけにすぎませんが、前後の
シーンの繋がりを観るに、ブーメランが遠くに飛んでいき、
やがては元に戻ってくる姿に「あなたがみんなに提供した幸せは、
必ず提供者のもとへと帰ってくる」そんな人生における教訓のようにもとれました。

終盤、
全員が幸せに満ち満ちているのに
上記の心に残ったセリフが、まるで異質なものとして登場。

単に監督がベタベタのハッピーエンドにしたくなかっただけなのか、
それとも、ジャスミンの登場により自分の居場所がなくなったように
感じたのか、そこは監督に直接聞いてみなければわかりません(苦笑)

余韻を残す
ラストの幕引きもGood。
あそこで終われば、あとは、
お客さんの趣向で好きなように、
ストーリーの続きを広げられますからね(笑顔)

☆彡     ☆彡

スクリーンの外に出ると、
小生の上映回でも受付に
パンフを求める列ができていました。

小生は、
幸せに満ち溢れた心とは裏腹に、
懐具合が寒々しく、列がひいたあと
パンフのサンプルを立ち読みしてしまいました。

後日、パンフを購入しようかなと思っていますので、
もちろんA+満点をつけさせていただきます(満面の笑顔)

septaka