バグダッド・カフェ 4Kレストア版のレビュー・感想・評価
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観てよかった〜
レンタルビデオを借りて、
観たような観ていないような…。
ところどころの場面と、有名な“コーリングユ~♪”
というフレーズは覚えているから、観ているはず!と思いながら、
映画館上映されてるいるこの機会を逃してはならぬ!と鑑賞。
結果、映画館で観れて良かった~。
男運があまり良くないのかな?
見た目も性格も正反対の二人の女性が
友情を育んでいくその課程がテンポよく描かれていて、
最初はイライラしっぱなしのブレンダに
眉をひそめてしまっていましたが、
彼女がヤスミンのチャーミングさに癒されていくのに合わせて、
私自身もだんだん頬が緩み口角があがり、微笑みながら観ておりました。
絵葉書のような風景
登場人物のキャラクター
色味・色彩
アングル
そして、ここぞっ!という時に流れる
“i'm calling you”
全てのピースがキレイにハマっていて、
あ~、良い作品を観たな~という満足感で映画館を後にしました。
鑑賞動機:そりゃ当然名前は知ってるけど見る機会がなかった10割
それこそむかーし、劇場で売られていたポストカードで存在は知っていたが、こんな話だったのか。
こちらのコンディション悪目で、前半苦労したけど、ジャスミンが周りに受け入れられ出したあたりから復調して、楽しく見ることができた。何から何まで気に食わなかったのが、するすると反転して、実に爽やか。
カタコトの英語もちょっと可愛らしく見えてきて、あらあらまあまあなシーンもちょっと微笑ましく思えた。
古さを感じない。普遍的名作!
こんなに良いとは!!
凄くいい!凄く好き!!そしてきっと数年前のこれほど映画をよく観るようになる前の自分だったらこの映画を好きと感じること無かったと思うから、そんな自分の変化も嬉しい!!!
冒頭のブレンダのギャンギャンは仕事後かつ週末金夜の疲労困憊な頭と身体にはかなり響いて選択間違えたかと一瞬後悔。
けど、ヤスミンちゃんの登場で一気に空気が変わったー。
良すぎて自分ごときでは上手く言語化出来ないのがもどかしい。
なんつーか、人生って何が転機となるのか本当にわからないもんだねー。そしていつでもポジティブに笑顔でいられるヤスミンちゃんみたいにアタシもなりたい。
ヤスミンちゃん、マインドだけぢゃなくかなりボディポジティブなのも魅力的🩷
繰り返しみたい。
だから円盤探して買う!!
コーヒーマシンの修理と心の邂逅
20代に観ても40代に観ても大好きだった
ずっと映画館で観てみたかったやつ。
もう何と言ってもコーリング・ユーだよね。
一度聞いたら耳に張り付いて忘れられない。
生活がいっぱいいっぱいで全方向に怒りを発散させながら生きてるブレンダの所に、海外旅行中のセレブなドイツ人が突然現れて、彼女の生活を穏やかにでも結構強引に変化させていく、のだけど。
ヤスミンが淑女のスーツ姿から、どんどん服をアレンジして身軽になっていく様は、既視感あるなと思ったらアン王女だわ。
アン王女はどんどん袖が短くなっていったけど、ヤスミンは男物の服をアレンジしていくので、最後肩出しのセクシーなデザインになってたことに今日気がついた。
凝ってるなあ。
生活に余裕があるから幸せってわけでもない。ヤスミンは旦那さんの車から降りて自分の足で進んだ先でブレンダに出会ったことで、本当の自分を取り戻す旅に出られたのだと思う。
新しい場所で、最初はすんなり受け入れられずに色々試行錯誤しながら自分で出来ることをアピールしていく中で、ちょっとずつ皆んなと仲良くなっていく。
この世に生まれたら全員がやっていることだと思うけど、言葉も通じない場所で一からになるとストレスも半端ないと思うけど、負けないし折れないしずっと自分らしさを貫いてたヤスミン、カッコいい!!
ブレンダの生きるパワーが凄すぎて圧倒されるけど、実はヤスミンも負けじと相当強い。
ヤスミンの魅力にみんながトリコになっていく様見てもわかると思う。
ざっくり言うと女性が何も持たない状態から、居場所を作っていくサクセスストーリー?なのかもしれない。
アメリカの大自然の中、他所者に慣れてるのもあるかもだけど、お互いに認め合って一緒に生きていくあったかい環境にすごく癒しを感じる。
一度観たらコーリング・ユーが脳内に棲みついて、同時にあの青い空、赤とピンクと紫の夕焼けが目の裏をざーっと走っていく、なんとも感覚を刺激する映画だと思う。
姉が大好きだった映画だったのがきっかけで観たけど、小さいテレビの画面で観ても忘れられない情景が沢山あった。
大画面なら尚更だわね、ビリビリしたわ。
今年の映画始めにこの作品が観られてよかった。是非とも皆さんも映画館で観てほしい。
手品と生活
忘れかけていた好奇心を思い出させてくれる
劇場で鑑賞できたことに感謝
サブカル的におしゃれな作品として当時もてはやされて、今で言う量産型にはなりたくなく劇場に足を運べずのちにDVDにて鑑賞した作品。
ほんと馬鹿だった。
劇場で鑑賞しなさいと、当時の自分に言いたい。
言わずもがな Jevetta Steeleが歌う『Calling You』は圧巻。
そこでかかるか~!!!!エモすぎる~!!と血がぞわわわ~と泡立ちました。
そして、砂漠の砂が覆うような粗い画像と80年代のアメリカの少し安っぽい可愛らしい色味。
あえてのツートーンとか…。
カッコよすぎる…。
ストーリーはとてもとてもファンタジーだったのだと今更気づく。
冒頭はほとんどセリフのないヤスミンとオット。
そこがもう本当にさすがだと思う。
Calling Youが映えることもさることながら、ブレンダのけたたましさも対照的に際立ってくる。
お互いの警戒心マックスの状態にもかかわらず、ヤスミンのどこかシュールレアリズムの絵画の中から出てきたような毒々しくもあり妖精チックな雰囲気もありのキャラクターが砂漠にしみこむように笑顔をもたらしてゆく。
なんて可愛らしいんだ…。
数々のおかしな小道具(ポットや旅行鞄の中身)を使いこなし、妖精の杖が起こすマジックが人々に魔法をかけてゆくファンタジーとも言えるのではないの?この作品。
ふたりの主人公の女性が自分自身に魔法をかけて笑顔で自由になってゆく様は、観客も一緒に笑顔になるのではないだろうか。
魔法瓶がマジックを携えた妖精をここバクダッドカフェに導きました。
そしてアンニュイでどこか不思議な人々の集まる砂漠のカフェは、幸せが満ちている砂漠のオアシスになりました。
それは彼女たちが自らに魔法をかけて友情と信頼と愛情に満たされたからです。
…と、絵本の最後だったらそんな文章を残したい。
また35年経って観たら新たな発見があるのかしら。
生きてたら観よう。
不思議な感覚と共に訪れる満足感・幸福感
4Kリマスターで再上映されると聞いたので有名な作品との認識はあったけど殆ど予備知識なしで鑑賞。
「かもめ食堂」とか「めがね」っぽい印象(こっちの方が先に公開されてるからむしろ逆なんだろう)。
クスッとさせらたり、ハッとさせられたりしながらあっという間の時間だった。フライヤーや予告編の印象よりも面白かった。
アングル?カメラワーク?や色の使い方が独特な気がするけど、小気味がいいリズムを生んでて鑑賞中はずっと「なんかいいな」って思ってた。
ストーリーは分かりやすくて登場人物はみんな愛おしい。変わり映えがなくてなんか上手くいかない日常にイレギュラーな主人公が現れて、最初は警戒してるけどいろんなキッカケで関わりながら良い方向に変わっていく既視感あるストーリー(メリー・ポピンズ的な?)。登場人物の心情と一緒に荒れ果てたカフェが変わっていく感じとか、主人公も周りの影響を受けて変わっていくのとか好きだった。
ちょっとよく分からないシーンがいくつかあったのと、え?まだ続くのと思ってしまったけど終わり方は好き。
作中で流れるCalling Youがとても良くてお気に入りの一曲になった。
中だるみしそうだったけどセーフ
展開がゆっくりで、途中飽きてしまいそうになったが、ギリギリのところで少しずつ場面に変化があった。コミュニティーに1人別の人が入ることで変化が生まれ、カフェが活気付いていく。そのストーリー展開はほっこりして良かったなと思った。しかし、なぜモーテルの女店主はあそこまでイライラしているのか。ずっと何かに対して怒鳴っているが、動悸がはっきりしなかった。ただ、説明をしすぎる映画もつまらないので、余白を楽しみたいと思う。
よくよく引き合いに出される作品なので見てみた
この映画ちょくちょく引き合いに出されない?コーリングゆぅ~のフレーズも。多分この先も挟まれることがあるだろうからと見てみることに。
うん、面白かった。なんか不思議なテンポと色使い。ボタン掛けちがえたまま真顔で事が運んでくような。え、笑っていいんだよな、と戸惑いながらオズオズ笑う。面白い小品という位置づけならわかるが、そんな語り継がれるようなもんでもないような…。エリックサティ感。小さなサロンで楽しむような。こういう類の映画が少なかった時代に、知っている人は知っているという面白さから、後の年代になって伝説化された感じかね。
終盤で店が繁盛してブイブイいわしてドヤってるあたりはあんまり乗れなかったけど、「仲良し過ぎる」と去って行った女がそのへんを拾ってくれたのも良い。
マツコ…
ジャスミンがわがままボディでマツコにしか見えない…。
なんか色々もやっとする映画だったなあ。
世間の評価は高いみたいだけど。
ジャスミンはなんでケンカ別れしたのか(ついでに言うと旦那はそれっきり。ブレンダは旦那とよりを戻したのに)。
最後のプロポーズもちょっと年齢考えると不釣り合いかなぁ。それに対するジャスミンの返答もなんかなぁ…。彼のトレードマークを入れ墨にしておいてそりゃない。
荒涼とした砂漠、夕陽で真っ赤に染まる空は綺麗でした。
曲だけ聞いたことがあった
テーマ曲だけ聞いたことがあったが・・・
記憶の中では、1980年代前期かと思いきや後期。
こんあ映画があったとは。
1980年代は、ほとんど映画を見ていなかったので、当時の作品の傾向などは知らないが・・・
冒頭が唐突過ぎ、ラストがあっさりで、ちょっと戸惑った。
途中、(早朝の運転疲れで)うっかり寝てしまって、主人公が事務所の片づけをするところは、見損ねた。
映像は恐ろしく精細な感じで、フィルムの底力を堪能できた。
また、途中で挟まれる夕景などもきれいで良かった。
女主人がギャーギャーうるさいのは、演出とは言え、少々くどかった気がする。
また、終盤のミュージカル風の演出も冗長な気が。
冒頭の夫婦喧嘩が、どういう理由なのかチンプンカンプンで、掴みとして、どうなのか・・・
盛り上がったところで、落ちるんだろうなと思っていたら、まさにその通りで、作劇はこんなものなのかなと。
本編のほか、あの曲が、この映画の主題歌なのだと、分かったのは収穫だった(割と好きな曲だったので~最近は聞かないが)。
ほのぼのとした映画だったが、(劇中で)ショータイムがないと、客足が良くない演出と言うのは、良いのか悪いのか・・・
愚にもつかない新作よりも、精細化した旧作の復活を望む・・・
75点ぐらい。主題歌「Calling You」
幸せの黄色い。
30数年ぶりの答え合わせ
「ヤスミン」と「ジャスミン」が、同じつづりなんだということにも気づかないほど、外国語にうとい自分。なので「JM」というシールが貼ってあるトランクは彼女の物なのに、中身が夫の物と入れ替わっていたということも、30数年たってやっと理解した。(スッキリ!)
彼女がたどり着いた、西部の砂漠地帯にあるカフェ兼モーテル兼ガソリンスタンドのバグダッドカフェ。そこを切り盛りしている女主人のブレンダは、中々にアグレッシブな性格なのか、イライラ怒鳴りまくっている。
ぐうたら亭主に「出ていけ!」と叫んだら、本当に出ていってしまうし、娘は男友達と遊びに出かけ、息子はずっと赤ん坊の世話もせずに、鍵盤の前でポロポロ何かを弾き続けているといった具合で、明らかに家庭も仕事もうまくいってない。
カフェなのにコーヒーマシンはなく、客室もオフィスも掃除されないまま放置されているのは、まるでブレンダの心象風景のようだ。
そこに、ある意味ズカズカと入り込んでいくジャスミン。「スタッフオンリー」のドアの中に忍びこむ彼女の姿が映し出されると、思わずこちらも身構えてしまう。
ただ、そのときは赤ん坊をあやすためだったように、彼女の行動はいつも利他的で、暇つぶしが主な理由なので、何か代償を求めるようなものではない。でも、どんなに机や部屋が汚くても、誰かに勝手にきれいにされたら気味が悪いように、ブレンダも「客なのになぜ?」という疑問から、警戒心を増幅させる。
母親同様に、娘もジャスミンにはベロを出し、息子も彼女を陰でデブ女と罵っていて排他的なのだが、それぞれがジャスミンとの関係を変化させ、ヤスミンと呼ぶようになっていく一瞬の描き方がとてもいい。
娘との関係が変わったきっかけは、ファッションやダンスをもとにした異国への興味関心。息子は、敬愛するバッハの生まれたドイツからきた彼女が演奏を認めてくれたこと。そして、ブレンダとの関係改善のきっかけは、ジャスミンの「自分の子どもはいない」と俯いた姿だった。
自分とは違う部分への興味。そして、自分と同じ部分への共感。画家との関係の変化も含め、その人との関係が変わるバリエーションが様々に描かれている映画だった。
結果的に、ヤスミンとブレンダの関係は、自立がテーマ同士の連帯から、まさに姉妹のようなシスターフッドを築いていったことが、最後のセリフからもわかる。しみじみとした余韻が残るいいラストだと思った。
他にも、息子の演奏の場面で、ヤスミンが聴衆になった途端、運指練習の時とは演奏の質が全く変わり、表現における他者性の重要さがさりげなく描かれていたことや、先住民をルーツに持つであろう保安官が、法を守ることでジャスミンを助けつつ、ビザ切れにも私情を挟まない厳格さを見せるところが個人的に好き。
それにしても、ヤスミンの夫は何のためにマジックセットを持っていたのだろう。もしかして、ラスベガスで、一旗あげようとしていたのかな?
それから、トランクの中身がヤスミンの持ち物だった訳で、きっとかなり困っただろうと思うが、そっちのドタバタも面白そう。
あと、入場者特典のカレンダーがうれしかった。
多分、これで今年は劇場での鑑賞は終わり。
締めに、いい映画が観られて幸せでした。
<追記>
「翻訳 戸田奈津子」という字幕が本当に懐かしかった。
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