スープ・オペラのレビュー・感想・評価
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☆☆☆ ※ 鑑賞直後のメモから このスープには《コク》が足りない。...
☆☆☆
※ 鑑賞直後のメモから
このスープには《コク》が足りない。
余貴美子等は完全に無駄使いだし、話の纏め方もどこかいい加減。
それでも最近の映画の流行りになっている癒しの効果は、多々作品中に存在するのかな?
まんまるお目々の坂井真紀が可愛い。
2010年10月17日 シネスイッチ銀座1
しあわせスープ
トバちゃんが嫁いだことで一人で暮らすことになったルイ。
頑なというか真面目だから、きっと心配と不安があったんだろうなぁ。
ある時、ひょんなことから一緒にトニーさんと康介と同居することに。
賑やかになってよかった…ルイちゃん閉鎖的になりそうだもんね。
なんか落ち着く民家だから引き寄せられるのかな。
スープおいしそう、、食事シーン見るの結構好きだなぁ。しあわせになる。
ネコちゃんかわいいわぁ
エジプトのバスのたとえすごいすき。
むずかしい、感情が絡めばとたんにこじれてしまう。
受け入れることと受け入れられないことをちゃんと選択していけばいいのだ。
選択したら飛び乗ればいいのだ。
理由なく癒されます!心の中がお腹空いたら温まるスープで心に元気を!
TVを点ければ、どのチャンネルも皆横並び一列で、食べ歩き番組オンパレード。やれグルメだの、何処屋の何々が旨いだの、これが美味しいと巷で話題だとか、食べ物の話ばかりの日本TV界。この手の番組には、すっかり食傷気味な私である。しかし、「スープオペラ」と言う一風変わったタイトルに魅かれてレンタルしてしまった。
原作が阿川佐和子氏と言う事でも、きっと好きになれそうで、駄目な映画では無いだろうな?と予想もした。
映画の冒頭で、スープを作り、これさえあればどんな時でもと言うセリフ・・・何故だか
涙が、ポツリと出た。主人公、坂井演じるルイの叔母のトバちゃんが結婚して家を出てしまった後、不思議なご縁で突然ルイの家の下宿人となるトニーさんと編集者の康介にスープを出すシーン。スープの優しい味とその旨さに、ホロリとさせられるシーンだ。そこでも何故だか、もらい泣きをしてしまう私である。
話が逸れるが、私がアメリカに住んでいた時に、体調を崩していると、知人のイタリア系のおばあちゃんが、元気になるからと、パスタ入りのオニオンコンソメスープを鍋一杯に持参して来てくれた事を思い出したのかも知れないが、何故か本当の理由は解らないがそのシーンで涙が急に出た。
確かにスープは腹と心に効くらしい。おかずが無くてもこれさえあればと言う絶品の一品なのだろうか?しかし、その時程、自分が海外にいる事を実感した事もなかったのも事実だった!日本人は、食欲が無ければ、おかゆと梅干でしょ?と普段は梅干もおかゆも食べない私でさえもそう思ったものだ。
それ故、何故ルイの家庭の味の原点がスープなのかは別にして、スープを飲んだ人達の心もみんな、そのスープの味で癒やされる事になるの?と他の料理では駄目なのか理解出来ないけれど、きっと愛情の原点が味噌汁ではなくて、スープであるって事と落ち着く事にした。
昭和の古い家屋と大きな庭、図書館と潰れた遊園地。湘南育ちの私は何処となくあそこ辺りかな?と想い出しながらレトロな子供時代へと逆戻りする。この映画の世界はほぼ現代の筈だけれども、この物語の世界では現実的な、経済活動の忙しい現代社会からはかけ離れた人達ばかりが登場している。ファンタジーなのか、リアルな世界なのかはハッキリと線引が出来ない映画であるため、この映画は好き嫌いが2つに真っ向から評価の分かれる映画だろうけれど、個人的に私は、大好きな部類の映画の1本だ。
50代になってから、新たな結婚生活へと旅立つ叔母のトバちゃんがとっても素晴らしく愛らしく見えるし、失恋を繰り返す事では、凹みもせずにヤケ食いの後は仕事と男に突き進んで行くルイの親友も素敵だ!薄いハムカツは油臭くて高カロリーで嫌いな私であるけれど、この映画、どこか心のふるさとに連れて行ってくれるようで憎めない作品だった。
一人一人生きていくペースに相違はあっても、1歩1歩確実に自分の信じる道に向かって、縁ある人達と共に歩き続ける勇気をこの映画がくれている気がする。
ぎりぎりの、フィクション
「星守る犬」などの作品で知られる瀧本智行監督が、坂井真紀を主演に迎えて描く、群像劇。
この作品の作り手は、バランス感覚が非常に優れた人物であると断言させていただく。一人のアラサー女性が過ごす、即席家族の物語を本軸に据えて展開される物語。当然、作り手としては雰囲気の選択を迫られることになる。ドキュメンタリー調に人間を描き、現実に即した世界観を持ち込むか。それとも、敢えて幻想的な妄想劇として、人間に非現実性を植え付けるか。
結果、その両者の利点を的確に抽出した良質な佳作としての道を選んだのが本作である。ドラマ、映画などで等身大の女性を可愛く、凛々しく、時に辛辣に形にしてきた坂井真紀を主演にすえながら、どこか異邦人の雰囲気を持ち、「常に、人生は旅です」なんて言いながら幻想の空気を漂わせる藤竜也を相手役に置く。
作り手がこの物語に対する姿勢が、このメインキャスティングを見た限りでも緩急織り交ぜた試合展開を創造させる。
遊園地に、図書館、おまけにどこまでもレトロな邸宅。浮世離れした空間を魅力的に見つめながら、台詞は原作がもつ冷静沈着な観察眼を生かした複雑な世界。空想と、現実。どちらかに転がっていきそうな危うい瞬間に、坂井、藤の雰囲気を信じた使い方で、ぎりぎりのフィクション世界を成立させている。
「群像劇、ここにあり」の、個性、イメージ様々なキャストを在るべき場所に配置して作り上げた、作り手の創意工夫が光る一品。あらゆる世代の方々が楽しめる、疲れた心と体に美味しい穏やかさに満ちている。
もう少しスープをメインに持ってきて滋味深く描いてもよかったのではと感じました。
本作は、30半ばのルイが主人公。ちょっと婚期を諦めつつも、意識はしているという微妙な気持ちを主演の坂井真紀が好演しています。
ルイを取り巻く生活の中心には、食卓があり、そこにいつも、スープが登場していました。シンプルだけど手のかかるスープのように、人間関係は一筋縄ではいかない。人生の滋味が染み渡るような作品とはなっていて、ラストにはホロリとさせられます。
もう少しスープをメインに持ってきて滋味深く描いてもよかったのではと感じましたけど。
ストーリーは叔母と二人暮らしをしていたルイだったけど、叔母が意外にも結婚して、家を離れて独り暮らしを始めたとき、ひょんなことから父親ほど年の離れた画家のトニー、雑誌編集者見習いで年下の康介と3人で暮らし始めるというもの。この二人共に、全くルイとは縁がなく、いきなり同居暮らしを始める設定に、引っかかる人は少々きついかも知れません。
本作は、ベタに近いくらい登場人物が強引で、あれよあれよという間に、ルイに要求を突き付けて、認めさせてしまうのです。ちょっとあり得ないくらいの展開ですが、そのぶん強く言われると断れないルイの性格も描かれているので、何とかバランスはとれています。加えて、いきなり同居を申し出たトニーには、ルイとの関係である秘密を持っており、後半にその秘密が明かされるとき、なるほどと思いました。
さらに、フランス映画をオマージュしているのか、劇中にはコミカルでシュールな設定が散りばめています。例えば銀河鉄道に登場しそうな車掌が登場して意味なく手持ちベルを鳴らして歩いているとか、筋とは無関係の楽隊が登場して、サウンド・トラックを演奏しているとか。音楽はパリをイメージする曲調で感じはとてもよかったです。
予告編では、ベタでシュールなところを省いて編集しているため、とても落ち着いた作品のように見えます。個人的な好みとしては、あまり濃いキャラにしないで控えめな演出のほうが、もっと作品の世界に入れたと思います。最近やっと映画館で『カモメ食堂』を見たばかりなので、余計に比べてみてしまいました。本作は『カモメ食堂』などのロハスな食の映画とは、真逆の演出だろうと思います。ファンタジー狙いなら、もっとムードを大切にして欲しいと思います。
それにしても、あり得ないと思える設定の多い作品でした。冒頭から叔母のトバちゃんが20歳年下の若手医師からプロポーズされたり、ルイも年下の康介に一目惚れされて、いきなり自宅に押しかけられて同居を認められさせられたり、はたまた友人の編集者にはポルノまがいの小説家を紹介されたら、こちらも作家にいきなり自宅に押しかけられて、モデルになってくれ~、結婚してくれ~と迫られる有様。突っ込みたくなる性格の方には、なかなか落ち着いて見にくい作品でしょうね。
特にラストの夢のシーンで、登場人物が近所の廃墟となったドリームランドに集結し、舞踏会を開くシーンは、一種のカーテンコールに相当するシーンなのでしょうけれど、蛇足にしか感じられませんでしたね。
劇中度々登場する廃墟のドリームランドですが、舞踏会シーンではきれいにライトアップされてたばかりでなく、さび付いていたメリーゴーラウンドがピカピカに磨かれて、見事に回転したのには驚きました。美術さんが相当に頑張りましたね。
坂井真紀の純朴さに加え得て、トニーを演じた藤竜也の何処か惚けつつも、愛しく思っているルイがピンチになったとき見せる男気に溢れた演技もよかったです。
着地点を見失い、不時着もできずに終わる2時間
美味そうな食べ物が出てくる映画はつい観に行きたくなる。
芯はしっかりしているけれども、日々の生活はのんびりしたルイを中心に、我が人生を謳歌する叔母・トバちゃん、不思議な空気を醸し出すオッサン・トニー、自己主張のない若者・康介などを配し、スープのようなあったかい雰囲気の作品に仕上げようとの気持ちは伝わってくる。だれかと食事をともにする生活がどんなに素晴らしいことかというメッセージも分かる。
食卓にひとり増え、ふたり増え・・・と、廃墟化した遊園地ではバンドネオンを弾くオジサンひとりだったのが、クラリネットが増え、ヴァイオリンが増え、アンサンブルのかたちを成していき、あぁー、メリーゴーランドはいまにも回りそう・・・なんて演出は痛いほど分かる。
ルイの夢の中で、登場人物全員が輪になって踊り始めるに至っては、痛さを通り越して見ていて気恥ずかしい。
この手の、ほんわかムードでこれといったストーリーのない映画は、落としどころが肝要なのだが、完全に着地点を見失って、だらだらとほぼ2時間を使い切ってしまった。原作は読んでいないので分からないが、一本の映画としては消化不良だ。
平泉成演じる恋愛作家のエロじじい井上豪は面白いキャラクターだった。
また、バス発車係の品川徹も少ない出番ながら印象に残る。
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