「何しろ人間ドラマのところに、全然力を入れていないので、アトラクションムービーとして、気軽に楽しむ作品」パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
何しろ人間ドラマのところに、全然力を入れていないので、アトラクションムービーとして、気軽に楽しむ作品
レビューアップしていなかったので、「タイタン戦い」のついでにアップします。
テイストは、監督が同じだけに『ハリー・ポッター』に似ていて、それを目当てに見たひとも多いことでしょう。
でも、ちょっとギリシャ神話をネタにした本作はは、突っ込みどころ満載シーンが多すぎました。
映画評論家の前田有一さんは、それを意図的と言います。
主人公パーシーが自分の正体を知るまでの流れ。何も知らない彼を横目に周囲の連中が真剣な表情で世界の終わりを案ずる様子など、一見登場人物がバカなんじゃないのと首を傾げたくなるシーンですら、作り手が自覚したうえでギャグにしているというのです。
ただその世界観では、現代ニューヨークにしょっちゅうオリンポスの神々が遊びにきたり、あるいは住んでいる事になっているという点で、『タイタンの戦い』よりもぶっ飛びすぎています。神々が人間界に遊びに来て、ナンパまでするのかよ~と言いたくなります。頑強な肉体を持ちイケメンの神々が人間に変身したら、世の女性は、あっという間に恋に落ちてしまいます。そしてアレのテクニックも凄いようです。
そんなわけで、たくさんの半神半人ハーフを生み出していのでした。この辺の説明は、タイタンより納得。だって神様がプレイボーイなんですもの(^_^;)
主人公のパーシーも、そうして生まれたのでした。
冒頭登場したパーシーは、冴えない高校生。勉強ができず、家では母の暴力的な再婚相手に悩まされる受難の日々を送っていました。このDVな義理の父親は、ラストのテロップが終わったところで、再び登場。パーシーが意外な方法で、復讐するので最後までご覧ください。
でもパーシーは、何分間も水にもぐれたり、古代ギリシャ文字がなぜか読めたりといった人にはない超能力を持っていたのです。パーシーの平穏な暮らしも、突然現れた怪物に襲われて、母親が連れ去られることから、がらりと変わっていきます。
彼は、最高神ゼウスから稲妻を盗んだというあらぬ疑いをかけられ、パーシーの危機を救った女神アテナの血を引く美少女戦士らと共に、疑いを晴らす旅に出るという展開なんです。
冒険に出かける前に訓練所で訓練するところが、ハリポタと酷似していました。
こうして冒険の旅にパーシーは出るのですが、いかんせんテンポ重視な作品のため。はしょること、はしょること。少し強引な展開に見えてきます。
怪物ヒドラとのバトルなど、スペクタクルシーンには見るべきところはあったけれど、何しろ人間ドラマのところに、全然力を入れていないので、パーシーと父親の対面するところでも全然感情移入など出来ませんでした。
アトラクションムービーとして、気軽に楽しむのにあっている作品ですね。