「夢と憧れを詰め込んで」GANTZ ダックス奮闘{ふんとう}さんの映画レビュー(感想・評価)
夢と憧れを詰め込んで
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累計1350万部を数える人気コミックを、佐藤信介監督が映画化。
少年時代、そして現代の男性皆様の夢と憧れをこれでもかと詰め込んで、1本の作品に仕上げてしまった、極めて不条理感が満ち満ちている世界。これだけの強烈なカルト作品を全国で上映するには、二宮と松山の2大トップスターを持ち込む以外に、道は無かったのかもしれない。
空中を軽々と飛び回り、敵を打ち倒していく「スパイダーマン」、悪をライトセイバーでばっさばっさ切り倒す「スターウォーズ」、そして敵の腹に呑まれて中から敵を懲らしめる「一寸法師」・・・。ここまで歴代ヒーローのエッセンスをぶち込めば、それなりに迫力ある物語には仕上がるだろう。和洋折衷の世界観も、あらゆる男性のヒーロー像を踏襲するための手段と考えれば、見事なまでに「売れる」ための飽くなき努力が垣間見える。
とはいえ、あまりに凄惨な描写が平気に書き込まれているために、二宮や松山目当てに劇場に足を運んだ女性陣の中には、不快感を感じている方も見受けられる。誰のために、この作品は生まれたのか。あらゆる「?」を抱え込みながら、物語は後半に持ち込まれている。
さあ、4月に用意されている後半戦。女性陣がどう反応してくるか・・・劇場も、制作陣もはらはらどきどきしていることだろう。
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