赤と黒(1954)のレビュー・感想・評価
全6件を表示
赤と黒
ストーリーはさておき、
後半、ラ•モール侯爵家の本がたくさん並べてある部屋、白を基調にスチール製ぽい階段も配しモダンな造り。とても70年ぐらい前とは思えない。
シャンデリアの蝋燭も数あるのに一瞬で点火。
どういう仕掛けなのだろうか❓
レナード夫人とマチルド二人とも超美人だし、着ていたドレスも美しい。
フリルやリボンをフルに使ってオーガンジーで繊細さを出して色もデザインも素敵なドレスばかり。
男性ジュリアンの衣装も華やかで決まっている。古臭くもなく、それどころかカッコいい❗️
レナード夫人、撃たれた時嬉しそうな表情だった。
しかし、銃を使っての殺人未遂に死刑判決❗️
それもまだ、ギロチンの時代❗️
宗教的な背景はわからないが、野心家でありながら、女性を愛し、愛されて応えようと、野望を捨てて愛に殉じた男の物語?
ジェラール・フィリップとは
なるほど、彼にしか演じられない訳だ。
それよりも、良かったのは
レナール夫人(タルーラ)。
彼女のキャラクターが面白いし、
いちいち行動が可愛らしい。
しかし、心の内はだいぶ膿んでいそう
演技も凄くて、もっと他の作品が観たくなった!
野望溢れる若者の階級社会への挑戦
ストーリー:75点
キャスト:65点
演出:65点
ビジュアル:70点
音楽:65点
能力も美貌もあるのに、生まれが悪いというだけの理由で不当な扱いを受け成功への道が閉ざされている若者の屈折ぶりが興味深い。作品に存在する個人の能力が簡単に無視される階級社会への批判的な見方に共感することもあり、私はこのような、自らの将来のためには自分の感情を押し殺して演技をする狡賢くて野心家な男が嫌いではない。だから彼の屈折ぶりも含めて常に計算しながらのその行動の行方が気になって楽しかった。最もこの手の作品にありがちな、結局は特権階級への壁を突破することが出来ず失敗してしまっているという結論が作品の冒頭にいきなり出ているので、彼の上昇志向の野心と堕ちていく過程を楽しむということになる。 そしてその過程で何が起きたのか、裁判の後はどうなるのかという結論がまたお楽しみ。
原作は言うまでもない巨匠スタンダールの名作であり、それを読んでいないのだが本作品は原作にかなり忠実らしい。物語はそのぶんしっかりとしていたが、古い映画だけあって演出が多少古臭い。それと主人公は本来は20歳程度でとても若いのだが、30歳過ぎの俳優が演じているために大人の話になってしまって、若さのままに野望に走り散っていく儚さが削がれているように思える。
文句ない名作
文句なしの名作だと思います。時間は三時間と長編ですが、全く長さを感じません。そして、ジェラール・フィリップ(以下ジェジェ)の美しさ…ホントに見とれてしまいます🎵相手役のダニエル・ダリュー演じるレナール夫人とのシーンでは不覚にも妬いてしまい、アントネッラ・ルアルディ演じるマチルドとのシーンでは、二人がどんな関係に発展するのかとハラハラした私。ジェジェ演じるジュリアンの(心中での)独白も、私が好きな所の一つで、特に第二幕のジュリアンの独白は印象深いです。特にマチルドに裏切られた(?)時の、「…ひどいよ、マチルド−」という独白シーンは、何とも切なくて、その一言でジュリアンの心情が伝わってくる感じでした。でも、ますます彼女に思いが募って、彼女に乗り込んでキスをしてから、自分の部屋で自殺しようと決意したけれど、またマチルドもジュリアンに取った態度を反省していて、部屋へ乗り込んできたジュリアンに膝まづいた時、「…まさかこうなるとは…」と戸惑ったジュリアンの独白も良かった🎵そして、その後の二人のやりとりが、とても好き…というか、個人的にジュリアンとマチルドの二人が凄く好きです。もちろん、妬いてしまったとはいえ、レナール夫人とのシーンも嫌いではありませんが−。こう思うのは私だけでしょうか?
長くなってしまいましたが、とにかく名作だと思います。
ソレルの輪郭をもっとくっきりしてほしかった。
ジェラールの魅力が満載で眼の保養になる(笑)ただ歴史に翻弄される人々の動きがあまりはっきりとあらわれていないのが残念。ソレルをもっと荒削りで野心家に仕上げてほしかった。だけど3時間超える作品で飽きないのはすごいので4つ。
全6件を表示