「第6話」ソウ6 いおりさんの映画レビュー(感想・評価)
第6話
前作「5」でも終わりそうな前フリをしつつ
伏線増やして次回請うご期待!とペンディング
ついにエンディングになるのだろうか?
結論から言うと 一応全ての伏線は回収されていた(と思う)
なるほど トリロジーの締めという言葉にウソはない。
本作はオープニングでいきなりサービス
過去5作品のダイジェスト 「SAW集編」 から始まる。
なんせ伏線が多いから 前作知らないと面白さが半減してしまう。
ダジャレはともかくSAWいったアイディアは嫌いじゃない。
しかしシリーズ未見の人がこれ見て意味判るのかは疑問
見た事ある人向けの復習編程度のわかりやすさ。
やはり1~5をしっかり見た方が楽しめるだろう。
また、チラシやHPで関係性チェックしておくのもお勧めだ。
そして始まった本編は、のっけから容赦なくゴリゴリと攻めて来る。
挨拶代わりのゲームは、自分の肉を○○して相手より多く・・・うわー
先日観たチャン・ツィイー出演の 「ホースマン」 をSAWっぽいと書いたが
いやいやいや オレが悪かったと謝りたい。
やはり本家は違う、比べ物にならないくらいイタい。
まさか開始早々 目を背けさせられるとは思わなかった。
ストーリーは近作同様 二本の話が軸になる。
一つは1話完結型のゲーム
SAWシリーズを見ていなくても基本的には理解可能。
拉致・監禁され、困難を強いるゲームに参加させられる。
そのテーマは試される者自身に関わる因果応報的な内容だ。
今回は保険で申込不備を掘り起こし支払を抑えてきたウィリアムが試される。
相変わらず痛みを伴い究極の選択を迫るゲーム。
サディスティックな責め方、やはりマニアックでいつもどおりおぞましい。
だが、ここに2つの残念がある。
まず、何故ゲームに選ばれたのかという理由が最初から判っていること。
これは交通事故に絡んだ「3」と似た形だが、
「1」や「2」のようにゲームに選ばれた理由不明の状態から
徐々に詳細明らかになって行く方が面白いだろう。
また、時間制限が短すぎること。
「1」や「2」は数時間かけて徐々に追い詰めていったが
今回ほんの数分で決断を迫ることが多い。
だから悩む時間なく衝動的に結論を強いられ その葛藤時間も短い。
じわじわ時間が過ぎて精神的に追い詰められていく方がより恐怖をあおるだろう。
そしてストーリーのもう一つはジグソウの後継者に関するもの
これはシリーズを見ていないと判らない。
主な登場人物を整理すると、
1)オレ様が後継者!と自負してせっせと働くホフマン刑事
2)イタい姿を見せる 「5」のエンディングで○○になったFBIストラム
3)ホフマンを怪しいと疑うストラム同僚エリクソン
4)「4」でストラムのパシリだった再登場のFBIベレーズ
5)「5」 でジグソウの遺品を託されたジグソウの元妻ジル
6)ジグソウLOVEの愛弟子で「3」で亡くなったアマンダ
7)そして死んでなおゲームを操るジグソウ
そして残っている謎は、
a)アマンダが「3」で手紙を見て涙した理由は?
b)ジルに託された遺品の中身は?
c)そしてジグソウの後継者は?
これら伏線は一応すっきりと回収される。
なるほどねと納得はする内容ではある。
しかし グロさにゴマカされそうになるが絶対的な驚きはない。
迷っても想定内でエグい方に転ぶだろうと予測がつく。
作りがシンプルでキレイ過ぎるためか
メリハリなく単調に感じてしまった。
衝撃を求めていたオレには刺激不足。
ジグソウが実は脳移植されて別の肉体にて復活したとか
デタラメが多少あってもいいから、驚きが欲しかった。
これでは意外性が少なくお行儀良すぎだ。
これで終わりだと思うと正直物足りない。
だがまだ残っている人は居るので、ゲームを続けられるようになっている。
話の作りが先に繋げられるところに続編をほんのり臭わせる。
どうなるかは本作の興行収入次第か?
悪態をつきながらも、SAW7がないと淋しく思いそうだ。
オレもこのゲームから逃れられない運命らしい。
果たして来年「SAW7」のレビューを書けるのだろうか?
SAWシリーズは続くのかという謎は残されたまま。