「好きなことができる幸せ。」RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
好きなことができる幸せ。
試写会にて。
久々に当たった(爆)たまにはいいこともある^^;
予告を何度も観ながら
「何だ!このふざけたタイトルは?」と思っていた。
タイトルや副題はもっと大切にした方がいいのでは。
どうでもいいことだけど、○○のスタッフが贈る…
っていう宣伝、スタッフが被れば素晴らしい作品だ
という誤解を与えるので?やめた方がいいと思う。
むしろまっさらな気持ちで映画と向き合う方が新鮮v
(タダで観といて言っちゃった、悪いねぇスタッフさん)
キャストが豪華で巧いので安心して観ていられる。
ベタで夢追いの展開、といえば最近の「てぃだ~」と
重なるところが多いが、アレとはまったく違った(爆)
これは監督自らが島根の出身というところも大きい。
例えばもう一人の主役、バタ電こと一畑電車の姿と
島根の景色を見事にコラボさせている。デハニ50形
という(鉄子ではないのであまり詳しくは知らないが)
マニアを興奮させる歴史の造形に思い入れが見える。
おそらく監督自身が、
夢を形にできたから、こんな映画になったのだろう。
主人公49歳、エリートサラリーマンの道をアッサリ捨て、
子供の頃から夢だったバタ電の運転士になる…って^^;
まぁそこまでの決断があり得るかあり得ないかは別として
(でも実話がベース)もしもこんな夢が叶うなら、誰もが
挑戦してみたいとは思わないだろうか。いつも思うが、
どうして子供の頃の夢って、夢のままなんだろうと思う。
もちろんそれを叶えた人々もいるが、たぶん少ない…。
その夢をずっと信じて生きてこられた人もいるけれど、
大慨はどこかで挫折して諦めてしまい生活の方を重視
するようになってくる。仕方ない、ともいえる選択だ。
ある程度歳をとって、社会のなんやかんやを味わって、
地位とお金を手にした時ふっと、これで良かったのか?
なんて振り返ったりしちゃうんだろうなぁ。
今作の主人公も、友人の死と母親の病が背中を押す。
夢追い物語そのものはいい話だが、ベタである。
これを2時間超でやるには後半ダレて関係ないシーンも
挿入されてくる。母親の病気もやや引っ張りすぎで、
後半もう少しコンパクトにまとめて欲しかった気もする。
しかし何をおいても中井貴一。いきなり人格が変わった
にせよ^^;巧いものは巧い。観ていてかなり入り込める。
顔面は違うが、ますます父親の佐田啓二に似てきた…。
そして母親役の奈良岡朋子。この人もかなり歳をとった。
でも巧い。泣けるほど巧い。このばあちゃんがいてこそ、
成り立っている映画でもある。孫・本仮屋ユイカも好演。
三浦貴大(三浦友和・百恵夫妻の次男)がほぼメイン?の
大役を演じているが、気負わず堂々としているのが凄い。
最近いい味出してるお父さん目指して頑張ってください^^;
残念だったのが妻役の高島礼子で、え?と思うくらい
妻としての出番がない。いくら島根メインの話とはいえ、
妻が夫の母親の看病もしない展開ってあるのかい?と
思っていたら…ラストに^^;真相が。しかしこれは
高島礼子が頼んで?入れてもらったシーンなのらしい。
この夫婦は、それぞれの仕事がメインの選択をするが、
今のご時世、ある意味リアルだと思った。。
しかし二人の顔を観ていると不幸な面持ちは少ない。
思うに妻は、自分の夢を実現できて幸せだったから、
夫の夢にも賛同できたのだ。彼女がもし不満を抱えた
専業主婦だったら、鬼の形相で反対したかもしれない。
自分に余裕があると、相手を理解することができる。
好きなことをやっていられるのって本当に幸せなのだ。
私にもそれが分かる。
あのばあちゃんは島根で畑を耕しているのが幸せだった。
さらに息子が来てくれたからもっと幸せだったろう。
私も家族の「好き」を奪うつもりはない。
そのかわり私の「好き」も一生奪わないで(爆)下さい。
(初めての切符を大切にするその気持ち、わっかる~♪)