「古き良き日本を思わせる」RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
古き良き日本を思わせる
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エリートサラリーマンの中井貴一は将来の取締役の椅子を約束されていた。
そんな時島根の母が倒れ、妻と娘とで帰省する。
帰省中、「自分は夢を追い続ける」と言っていた元同僚が事故で急死。
自分も家の側を走る一畑電鉄の運転手になる夢があったのを思い出した。
母を東京に呼んだが応じなかったこともあり、思い切って会社をやめる。
実家で母と同居しながら、50歳ながら運転手になる夢を改めて追いかける。
一畑電鉄沿線はど田舎で、新卒で若手を採用しても離職率が高い。
一方中井は社会経験豊富で、夢のためにエリートの道を捨てた男。
一畑電鉄はこの男を採用することに決めた。
中井は研修期間を経て運転手となり、今までになかった充実感を得る。
娘は会社人間の父を苦々しく思っていたが、変わった父に心を開き始める。
妻は彼女自身の夢でもあった店を東京で開業したばかりで別居生活となるが、
一生懸命働く夫の姿を見て改めてホレ直す。
が、心まで少年に戻った中井は、年寄りが電車に乗るまで待ってあげたり、
そういう1人1人を大事にする姿勢が裏目って電車遅延を連発する。
さらに事件が起こる。母危篤の一報を聞いた中井は若手に運転を代わってもらう。
これは中井を尊敬していた若手運転手が気を使って変わってくれたのだった。
が、目を離したスキに子供が面白半分で電車を発車させてしまう。
メディアでも問題となり、中井は若手運転手をかばって退職願を出す。
が、人々から愛されていた中井に辞めないでコールが起き、
会社も中井1人に罪を押し付けたりせず、首がつながった。
特にオチなどはなく、このような日常を描いた作品。
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夢を追うことの大切さを改めて感じる作品。
夢に向かって進む中井の少年のような表情が印象深い。
やはり人間、夢を追っている時は心が素直ですがすがしいものである。
妻が自分の夢である何かの店を東京に開店したばっかりなのに、
自分の夢のために勝手に田舎に帰るってのもやや空気が読めてないが、
ホームで寝てしまった酔っ払いの相手をしながら妻と電話するシーンは良い。
妻とて、この男の夢を諦めさせる資格はないと強く自覚したことだろう。
親子3人、実にハマり役だったと思う。
一畑電鉄沿線がすごい田舎だったこともあり、日本の良さを感じた。
去年島根に行き、この映画の存在も知っていたのだが、
見てはいなかったため結局一畑電鉄には乗らなかった。
乗っておくべきだったかなと思う。まさに古き良き日本の景色がそこにあった。
でも松江から出雲に行くなら畑電よりJRの方が便利なんよなあ。
映画の中では、新人採用しても田舎過ぎてすぐ辞めてしまうと言っていた。
あれは本当なんだろうか?おれは田舎が好きなんで、働いても良いと思った。
むしろ田舎で働いてみたい。10年後、50歳近くなるのでまた考えよう(場)
でも普通に考えて、松江と出雲をつないでるんやから、そこまで田舎ではない。
その間の一部が田舎なだけで、何やかんやで町は近い。
その辺を忘れてへん?っていうかド田舎電鉄を印象づけるための演出か?