劇場公開日 2009年10月28日

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「リハーサル映像とはいえ画像はひじょうにクリアで、まるで自分がスタッ...」マイケル・ジャクソン THIS IS IT yosさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0リハーサル映像とはいえ画像はひじょうにクリアで、まるで自分がスタッ...

2016年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

楽しい

興奮

リハーサル映像とはいえ画像はひじょうにクリアで、まるで自分がスタッフの一員としてステージの前にいるかのような臨場感を味わえる。
生バンドに生声で歌うマイコー。もうのっけの「Wenna Be Startin' Somethin」から鳥肌全開であります。透き通るような美声も、オリジナリティ溢れる軽快なダンスも、年齢やブランクを全く感じさせない勢いがあり、もう彼はこの世にいないということを観賞中は忘れてしまった。
あらゆるスキャンダルに揉まれ、長らく音楽の世界から遠退いていたマイコーが、復活を懸けていたことがわかる情熱的な姿がそこにある。
マイコーがやっと表舞台に戻ってきた。コンサート計画はここまでできていたのかと思わせるほど完成度は高く、本当に後一歩というところで彼は逝ってしまったのだと痛感させられ、その事実が悲しみを増長させる。
真意のほどは定かでない色んなゴシップがあったけれど、音楽にかける情熱や、スタッフたちとの何気ない会話などを見ていると、本当にマイコーってええ奴やったんやなぁと実感し、手放しで彼を信じるほど熱狂的なファンではないワタシでも、つい全ての事柄を肯定したくなる気持ちになる。
マイケル・ジャクソンというスーパースターを変に美化することなく、リハーサル風景を録画したものをあまり脚色せずライブ感覚で流しているケニー・オルテガ監督は、そんな誰にも愛されるマイコーのありのままの姿を、劇場に足を運んだファンたちに一番伝えたかったのかもしれない。
"ファンでなくても楽しめる作品"とまでは言えないけれど、少しでも興味がある方は絶対観たほうがいい。ただの"リハーサル映像の繋ぎ合わせ映画"ではなく、"これがマイケル・ジャクソン"ということを教えてくれるドキュメンタリー映画だと思う。
映画は過酷なオーディションを勝ち抜いて選抜されたダンサーたちのインタビューから始まる。彼らは皆、瞳を潤ませ、声を震わせながら、マイコーのバックダンサーに選ばれた喜びを語る。マイコーに関わった者たちのリアルな声。そんなシーンの数々も、この映画の見所の一つであります。

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yos