「北川景子の和装と武闘着が見どころ」花のあと 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)
北川景子の和装と武闘着が見どころ
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剣術をたしなんでいた女性・以登(いと)。一度だけ竹刀稽古をした際に惚れた男性・孫四郎。江戸時代、家同士の話しで婚姻が決まる時代、お互いに婚約相手がいる間では結ばれぬ恋。そう諦念していたときに、孫四郎が自害してしまう。
孫四郎の許嫁と姦通していた男・藤井勘解由の策略にハマったのだった。あまりに真面目過ぎる性格が故のことだった。以登は孫四郎の無念を思い、復讐を遂げるべく、まずは、婚約者の将来の夫・才助に調査を頼む。
この才助、最初は食いしん坊だけの浮ついた男かと思いきや、和やかでかつ要諦を締めるなかなかいい男であるのが、時間がすすむにつれてわかってくる。
裏取りした以登は、決戦に出る(女の片手間の刀稽古だけで、本物の殺陣を立ち回れるとは思えないので、リアルには無謀なのだが)。最後、やられたかと思いきや、父から授かった短刀で仇を討った。
北川景子の和装や、髪を一束した武闘着のシーン、美しさを観れることがこの映画の一番の見どころ。ストーリ自体は、一目惚れした男のためというよりは(一目ぼれだけであそこまで命をかけるような動機になりずらいと思うので)、汚職や汚いマネを許さない矜持のようなものを感じた。北川景子のかなり練習したであろう剣術シーンもみもので、ピリッとしていた。
あえてもっと欲をいうならば、女性の剣術って、正攻法の剣術では、やはりどうしても力が弱く感じてしまうから、あれでなぜ勝つのか?って思ってしまうときがある。柔よく剛を制すような立ち回りがもっと欲しい。女流剣士ものって、そのジャンルがあるくらいそのギャップさが故に映画になるとは思いつつ、リアルさも大事。
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