劇場公開日 2010年9月25日

「稲垣は、もっと評価されても良いと思う。」十三人の刺客 よしさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5稲垣は、もっと評価されても良いと思う。

2021年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

残虐な明石藩藩主を暗殺すべく、老中が放った刺客たちが奮闘する物語。

実際にある逸話に着想を得たお話ですね。オリジナルは未鑑賞です。
人間性が破綻しているにも関わらず、将軍の弟ということもあり失脚させることが出来ない松平斉韶。彼が老中として政治を司ることを恐れた老中土井が、刺客を送り込みます。

稲垣の悪役ぶりは、この映画の肝ですね。冷酷で残虐。人間としての温かみが完全に欠如していて・・・でも決して暗愚でもバカでもない。そんな斉韶を怪演しています。
そんな斉韶の残虐さを示すエピソードがあまりにも秀逸で、それだけに以降の物語に引き込まれていきます。

クライマックスの集団剣闘は迫力十分。ただ、長すぎて、最後は飽きを感じてしまったのはとても残念。
そもそも明石藩側の人数設定が多すぎますし、その人数を超えた侍がワラワラと出てくるような印象もマイナス。
もう少し人数を絞り、時間も短めにした方が、映画の完成度は高まったように感じます。
また、役所広司は素晴らしい俳優ですが、剣術の猛者・・・という役回りは厳しい印象なのも残念です。

また、余計な演出が幾つかあって、それが蛇足に感じたのもマイナス。
例えば、斉韶が犬食いしているシーンは異常性を際立たせる為なのでしょうが、私が感じた「暗愚でもバカでもない」キャラ設定とは違うように感じました。
また、落合宿でのSEXシーンも下品に感じますし、ラストの伊勢谷のシーンも・・・・そもそも伊勢谷の役回りは要らなかったように感じます。オリジナルにもいるキャラクターなのですが、こんな演出だったのでしょうか?

私的評価は3.5。でも、クライマックスまでは4.5を付けたくなるような映画でした。

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よし